北陸地方は6日、記録的な大雪に見舞われた。福井県内の国道8号で車約1500台が立ち往生し、県の災害派遣要請を受け陸上自衛隊が出動した。県警などによると、福井市で雪に埋もれた車から50代男性が見つかり、死亡を確認した。一酸化炭素中毒とみられる。福井、石川、富山の3県で雪下ろし中に屋根から転落するなどして、少なくとも27人が重軽傷を負った。
金沢、福井両地方気象台によると、福井市では6日午後2時現在で136センチの積雪を記録。全国で甚大な被害が出た1981年の「昭和56年豪雪」以来の大雪となった。金沢市では午後7時に積雪75センチとなり、17年ぶりの大雪となった。雪は8日ごろまで続く見通し。
高速道路は通行止めとなり、北陸新幹線の運休や空の便の欠航など交通網が大きく乱れた。3県で小中学校や高校など400校以上が臨時休校したほか、福井県内の私立高校5校は入試の延期を決めた。
政府は6日午後、首相官邸の危機管理センターに情報連絡室を設置。菅義偉官房長官は記者会見で、国民に安全確保を呼び掛けた。
福井県によると、あわら市から坂井市にかけての国道8号で約1500台が約10キロにわたり立ち往生。大型車の脱輪などによる渋滞や、並走する北陸自動車道の通行止めによる車流入が原因とみられる。陸自は追加派遣も含め計約750人が出動。除雪作業のほか、食料や水など救援物資の配布に当たった。
立ち往生解消の見通しは立っておらず、福井県は体調不良を訴える人の手当てをするため、付近に救護所を設けた。
JR西日本金沢支社によると、北陸新幹線は金沢―富山の上下線2本が運転を取りやめた。特急は大阪と金沢を結ぶ「サンダーバード」と、名古屋や米原(滋賀県)を結ぶ「しらさぎ」などの上下線計88本が終日運休するなど、計104本が運転を見合わせた。7日もサンダーバードやしらさぎなどの運転を終日取りやめることを決めた。
石川県の小松空港と富山空港では発着する全52便が欠航。北陸道は上下線で福井県の鯖江インターチェンジ(IC)と富山県の砺波IC間で、東海北陸自動車道は富山県の一部区間で通行できない状況になった。〔共同〕