雪が降りしきり約10キロにわたり約1500台の車が数珠つなぎとなった福井県の国道8号では6日、動けなくなった車を周囲の人たちが押し出して助ける光景があちこちで見られ、沿道の店に助けを求め駆け込む姿もあった。「いつまで続くのか」。ガソリンや食料の不足を心配する声が上がった。
同県坂井市の自宅を午前6時半ごろに出てすぐ渋滞にはまり、約15時間半たっても身動きが取れないままという会社員、飯田勝さん(27)は「いつ動けるのか情報がない」と困惑している。車の周囲を何度も除雪しながら、持って出たおにぎり2つと配給のパンでしのぐ。夜になり雪が強く降っているといい、「車中泊になる覚悟もしているが、一酸化炭素中毒が怖い」と不安そうに話した。
大阪方面に夫婦で旅行に向かっていた福井県勝山市の男性(35)は「通常なら40~50分の道のりが5時間近くかかった」とぐったりした様子。反対車線はさらに流れが悪くほぼ止まった状態で、車の屋根にも雪が降り積もっていたという。
男性の車が国道に入る前から道は混雑していたといい、福井市を過ぎるまで時速5キロほどで止まったり進んだりの繰り返しだったという。
同県あわら市の国道8号沿いの飲食店は大雪で休業したが、何人かがトイレを借りに来た。女性店員は「立ち往生に巻き込まれて疲れ、車に積もる雪をどかす元気もない。このままではガソリンがなくならないか心配」と気遣った。坂井市のガソリンスタンドには、携行缶を持って給油に来る人もいた。
福井市のコンビニ店員は「渋滞の車から人が歩いて買いに来ているが、おにぎりや弁当は売り切れ。明日にならないと入荷しない」と話した。
坂井市やあわら市は、国道8号に立ち往生する車向けに食事や飲料を用意。あわら市では、おにぎり2千人分や水1200本を自衛隊員が配った。自主的に食料を差し入れる周辺住民もいた。〔共同〕