2015-12-30

【ブログ以前の事】DRCラターシュ76(7406番)

テーマ:ブログ以前の事

昔話をするようになったら爺とよく言うが本当に誕生してからもうすぐ半世紀立つのだから遠慮することはない。

60までに一応の記録の整理をして、そこからはボーナスと思って自分の好きなように楽しむのだ(金銭的なことではなく(無理っす)、情緒的に)。


と、正当化して、ブログを2007年秋に始める前、何も記録をしてこなかった頃のことをカテゴリー作って書いていくことにしました。

今年、数回、そうした内容の記事も書いてますが、きちんとカテゴライズしてないのでまた書き直すかもです。


  ★


最初は、ちょうどこれが今年最後の更新にもなるので華やかなものをということで、DRCラ・ターシュ76の空瓶ネタで。
           
27年間会社員の独身だから飲んだ経験は持てているとはいえ、こうしたExceptionalなワインは生涯、それぞれの銘柄について1,2回です。タ・ターシュまるまる一本はこの一本だけです。


  ★


私は明確にワインの飲みはじめを覚えていて、それは1994年の冬なのですが、その数年後、30歳前後の冬に、これを飲んでいます。


当時はまだワイン雑誌という物はほとんどなく、半ば専門家向けであった「ヴィノテーク」を読んでいただけで、

ワインバーというものも、当時の街歩き対象だった名古屋にも、一軒しかありませんでした。

伏見に今でもある、シニアソムリエの店で、当時の店ですからワインというものは求道者のお酒であり、ソムリエは尊敬すべき見上げる人で、その店も、あくまで私の個人的な感想ですが使いにくかったのでした。


こういった酒はお店で飲みたかったのですが、店を紹介する雑誌もほとんどなく、確か、当時有った「乾杯」という雑誌に載っていた、下記のお店が大阪だったので、わざわざそこに、行ったのでした。
           
勿論今は経営や店の場所も変わってしまっています。当時は、周りに何も店がない場所に、ポツンと木造りの店としてあって、本当にここかよとい感じでしたが、入ってみると、すぐ打ち解けて、そしてリストに、DRCラ・ターシュ76の文字を見つけ、勢いをつけて、オーダーしたのでした。


当時(多分1996年前後)、わずか6万円。


永遠に戻って来ないこの値段。。。


いま、長崎のワインバーで2000年代で20万くらいですがそれでもお安めですからね(アピシウスでもそのくらい)。


  ★


このときのボトルは、ロンドンのインポーターを経由しているものです。DRCの取り扱いは多いようです。
           

当時のことですから、無粋な「果実酒」のシールはってますね(ワイン取扱い自体が日常でなかった時代の為、一本毎に管理されていたなごり)。


JLP.LEBEGUE & Co Ltdは、DRCのオークションでもよくみかけますが、確かショルダーはミドルだった記憶があります。下記は、このインポーター経由ゆえの地図ですかね。
           
日本のインポーターは右にラベル張りを避けてくれています。


記憶にあるのは、最初から完成された野獣性に圧倒された感情です。

ワインバーのマスター(この時はオーナーはいらっしゃらず、若い店員さんでしたが熱情にあふれてました)にも、少し飲んでもらって、一緒に感想を言い合いながら楽しみました。


そして、このときに、私は例の件の初めての体験をしました、つまり、


超級のブルゴーニュの熟成のピークは、超級のボルドーの獣性のピーク時の香りと、同一になる


ということです。これは、本で読んだのではなく、飲んでいくうちに、確信に変わっていったことでした。

透き通ったガーネットに中央にかすかにのこるルビー、香りには、いちご、しょうゆ、出汁、遠くからすみれの香り、

そこへゆっくりと紅茶の香りがまざりつつ、しかしそれでもなお、複雑なミネラルとフレッシュなフルーツも感じさせる世界、

それは、

結局のところ、

おのおのの個性はそれぞれ別々の個性として当初は開花するが、本質的なものは常にひとつであり、それがこの証明になっているということで、まったく、自然なことなのだ、ということでした。


ま、全DRC、どれも、丸々最初から最後まで通しで自分で飲んだのは一本づつしか体験してないので、個人の気持ちの記録ですけどね。


でも、記録しておくには悪くない記憶だと、思っています。


  ★


澱というものは、時を経て、色素成分はこうして下に沈み、えきたいは、完全に透明になります。


           

まだ僕が30台になったばかりの頃。仕事でやはり当時も苦労して、週末は心配事で一杯だったに違いない。


しかし、時を経て、真に今残るは、


こうした、苦労の結果として得たお金で得た、愉しみの記憶。お酒にせよ、出逢いにせよ、書物にせよ、大事なのは、そっちの方。


苦労の痛みは、過去の時においていけばいい。


゚・:,。゚・:,。★゚・:,。゚・:,。☆



今年も、この地味で静かなページに、訪問下さったり、言葉をいただいたりして、ありがとうございました。


今も忙しい方もいらっしゃると思いますが、少しの時間でも、穏やかなご自身の時間を、得ることが出来ますように。



PS:この記事の題名、書いた後に、あれ、、何かを模してるな、、と思ったら、柳田國男の「木綿以前の事」のもじりでした。意識に浮上しない、いろんな記憶に支えられて今の私はあるようです。

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コメント

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10 ■丸顔さん

コメントありがとうございます~。
そしてあけましておめでとうございます~。

おっ、このお店、今や老舗なので、あまりメディアには出てこないですけど、大阪の地元になじんでいるんですね!

だんだん思いだしてきました!確かに、その当時も、代金上乗せはちょびっとだったといった話もあった気がしす。
・・・で、なのできっと僕もここでラ・ターシュ飲んだんだと思います!
別の訪問時にはラトゥールかマルゴーもグラスで出していた記憶が!!о(ж>▽<)y ☆

9 ■無題

明けましておめでとうございます!
名刺のお店、めちゃ知ってるお店だからビックリですーw
もちろん私のブログは内緒なのですがw

オーナーのタケちゃんは本当にいい人で、商売は下手くそなんです爆
今でも値段が安すぎだとみんなに言われてますw

8 ■アンチエイジングみゃあさん

コメントありがとうございます~

明けましておめでとうございます~。
こちらこそよろしく!

みゃあさんにも愉しい時間がたくさん訪れますように!
明太子しまない事を祈ってます~

ワインは、高かったですね、でも想い出になりましたo(^-^)o

7 ■無題

あけましておめでとうございますо(ж>▽<)y ☆

パトモスさんにとって素敵な1年になりますように☆

今年もよろしくお願いします(*^▽^*)

私も初めてワインを飲んだのを覚えてますよ^^

昔は安かったですよね^^

でも、当時6万円のワインは高かったですよね☆

6 ■Kirikoさん

コメントありがとうございます~

帰省先で書いてます。
わかりやすく感じていただけたなら嬉しいです!o(^-^)o

そう、毎日は語ることも出来ないことも抱えるから、人の能力として、苦しいことは長い時の中でオブラートに包み込みたいですね。
Kirikoさんも、穏やかさを、得ますように。

5 ■すみれの香り・・・

パトモスさんの表現は とてもわかりやすいですね
飲んでないけど 想像できました
(^O^)

思い出は 辛いことは年数とともに薄れ
楽しいことでいっぱいにしたいですね

パトモスさんも 穏やかな時間を過ごせますように

4 ■nekonekoさん

コメントありがとうございます~。

はい、そうです、当時は当時で、すぐなくなるお酒に万円払うというのは、周りの普通のサラリーマンの知り合いには話せませんでしたね、引くので。

そして、希少な書物もそうなのですが、大事なものほど、一度機会を失うと二度と手に入らないということを何度も体験しているので、思い切って飲んでよかったです。

8年ブログは長い方でしょうね。媒体としては多くの人がほかのメディアに変わっていってますからね。じっさい、初期から変わらず読んで下さっている方は、2,3人しかいらっしゃいません。
二年半でもいろんなことがあったと思いますよ、、それは、書かなかったこともふくめてですね。。。

nekonekoさんも、よいお年を、そして飲みすぎ注意で~wwwwww

3 ■なぎささん

コメントありがとうございます~。

ワイン飲み始めのころは、どこで買ってよいかもわからなくて、専門誌「ヴィノテーク」を名古屋の明治屋で毎月買っていて、初めて(1994年)の12月にシャンパン特集してて、
各都市でキャンペーンしている店のリストが載っていて、それで今も買っているワイン屋さんを知って、それから、飲み始めた、ですね。

なぎささんの、空の上の話もぜひ書いてほしいですな~。

伏見の店は、そのシリアソムリエの信奉者にとっては天国なようですっよ。地下鉄から地上に出て3分くらいです。

お互い、お疲れ様でした。

はい、実家に帰省しますね。うちの母は今も年齢なりに健康さをもっていますが、いつ変化してもよいように準備をしましょうと話し合っています。

こちらこそありがとうございます~~。

2 ■無題

今思うと破格でも当時ではやっぱり清水ものですよね。
でもこうやって記憶にずっと残っているから思い切って飲んで本当に良かったですね。

ブログすでに8年なんですね。
私も結構長くなって来たと思ってましたがまだまだ2年半。
それでもいろいろあったなぁ。

良いお年を。

1 ■こんにちは♪

パトモスさん

ワインの記録とともにパトモスさんの
人生もあるんだねっ

ワインを飲みだした頃とか鮮明なんだっ
なぎさも覚えてる
空の上(飛行機の中)でした~っ

伏見にあるシニアソムリエの店?
イタリアンワインのシニアソムリエは
知っているけど違うみたいだよね

はてっ
どこだーーーっ

今年も1年お疲れ様でした♪

実家に帰省するのかな~っ
お母さんを大切にねっ♪

いつもありがとっ m(__)m

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