2018-02-03 駝鳥の群れ
見なければ、なかったことになるらしい。
なんか、「1984年」を見ている気分になったよ。
2017年2月に1987年以来29年ぶりの高水準となったことが報じられた日本のエンゲル係数。家庭の消費支出全体に占める食費の比率を示すエンゲル係数は、高校生ですら「生活水準が高くなるにつれて数値が低くなる」事を知っている有名な経済指標です。
日本ではこのエンゲル係数は戦後長く下落傾向が続き、記録がある1970年には34.1%だったものが、2005年には22.9%にまで低下。しかし、第2次安倍政権が発足し、アベノミクスがスタートした2013年以降は上昇に転じ、2016年には25.8%と家計の消費支出の1/4を越え、1987年の26.1%と同レベルにまで達してしまったのです。
この事実を引き合いに、1月31日の参議院予算委員会で民進党の小川参院議員会長は
「国が行った調査で、エンゲル係数が上がってる国民の生活は苦しくなっている。これがアベノミクスの実質じゃないですか」
と追求。
しかし安倍首相は
「厳然たる事実の一つは、やはり働く場所があるということだろうと思います。47すべての都道府県において(有効求人倍率が)1倍を超えた、これは高度経済成長期にも、あるいはバブル期でもなかったことでありました。それはやはり、この景気回復の波が全国津々浦々に及んでいるということであります」
と答弁。
勘違いというか、わかってないんだなぁ、この人、仕方ないか。
と思ったんだが、質問通告あっての答弁ってことは、この原稿を書いたスタッフがいたんだろう。
それなりの専門知識があるであろうって方。
うわぁ。
その後の方がもっとすごくて、もう、世も末だなぁと。
Wikipediaの「エンゲル係数」が首相答弁の翌日に「重要度低下」と改ざんされていた問題について | BUZZAP!(バザップ!)
首相が答弁したことが、真実として上書きされていく。
ツイッターで「エンゲル係数」を検索してみてくださいよ。ネトウヨの皆さんによる珍説博覧会になっていますよ。「それまでおにぎりしか食べられなかった人が唐揚げをつけたらエンゲル係数は上がるので、これは好景気だ!」には、ひっくり返りましたよ
もう、笑うしかない。
いろいろと丁寧な説明がなされていたんだが、長期的には、高齢化社会の影響で、エンゲル係数はじわじわと高くなっているが、ここ3年ぐらいの急激な上昇は、現政権がとっている政策で、インフレへの誘導が進んで、生活必需品の価格が高騰しているのに、賃金上昇が伴っていない。ってことで説明できるようだ。
総務省の分析は14〜16年の上昇幅1.8ポイントのうち、円安などによる食料品の価格上昇が0.9、節約志向の強まりによる消費の抑制0.7、夫婦共働き世帯や単身高齢者の増加にともなう外食や調理済み食品などへの支出増0.2です
なにより怖かったのは、ここ10年以上、先進国ではエンゲル係数は下がるトレンドにある。のに対して、日本は、高め、かつ急激に上がっていることだ。
つまり、日本の国民は、次第に食うだけで精一杯になりつつあるってことだろうに。