朝鮮日報

「この色じゃなかった」 光化門の扁額、4回目の変更へ

■8年たって「この色じゃなかった」

 2010年に再建された光化門には任泰瑛の「光化門」という文字を復元した扁額が掲げられた。ところが、縦1.5メートル×横3.9メートルに及ぶこの大型扁額は復元からたった2カ月で上下にひびが入り、手抜きではないかと問題になった。現在はひびが補修されている。だが、さらに悪いことに、「色がおかしい」という声もあちこちから上がった。「勤政殿・勤政門・興礼門など、ほかの景福宮の建築物の扁額は黒地に金色の文字が入っている」というものだ。文化財庁は当時、「東京大学(1902年)や国立博物館(1916年)所蔵のガラス乾板写真を見ると、白地に黒の文字で合っている」と反論した。白黒写真では、文字の方が周りの地の色よりもはるかに暗く見えたためだ。だが、2016年に文字の方が周りの時の色よりも明るく見える米スミソニアン博物館所蔵の光化門の写真(1893年ころ)が見つかり、再び論争となった。「写真を撮影した角度によって、黒よりも明るく見えたり、暗く見えたりする文字があるなら、それはひょっとしたら金色の文字ではないだろうか」というわけだ。

 文化財庁は昨年、遅ればせながらこの扁額の「科学的分析」を開始した。中央大学産学協力団と共に白黒写真と同じ光化門の扁額の色を探すため、実験を行った。地の色4種類(白・黒・漆・コバルト色)と、文字の色5種類(白・黒・金箔・金漆・コバルト色)の仮説の扁額を作成、違う角度・天気のもとで撮影した。その結果、1年後に「黒地に金箔文字」という結論に至った。結局、10年近くも史実とは違う扁額を掲げていたというわけだ。韓国文化遺産研究院のパク・サングク院長は「初めて論争が起こった時も『科学』はあったはずなのに、文化財庁の対処が遅すぎた。文化財復元問題では、より精密に研究を進める必要がある」と指摘した。

兪碩在(ユ・ソクチェ)記者
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  • ▲写真上:文化財庁が来年上半期に新たに掲げる予定の光化門扁額(へんがく)の概念図。黒地に金箔(きんぱく)で文字が入っている。写真下: 2010年の光化門復元時に掲げられた現在の光化門の扁額。写真=李泰景(イ・テギョン)記者

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