Exdoll:独身男の嗜み? シリコンドールにAIを搭載する計画が進行中

Exdoll:独身男の嗜み? シリコンドールにAIを搭載する計画が進行中




スマートドール、中国で爆誕なるか

中国の湾岸都市「大連」に事務所と工場をもつExdoll社。

この会社は、独身男性を中心に、高齢者、障害者に向けて、シリコン製の女性型パートナー人形を製作、販売している。

身長145〜168センチの等身大人形は、様々な顔付きや、体型、眼の色、肌の色、髪の長さを、ユーザーがカスタマイズしてオーダーできることが特徴だ。

これらのマーケットは、10年ほど前までは奇異な目で見られるものであったが、現在ではAmazonでも通販できる、ポピュラーなものとして出回っている。

そして、これらは元来、ダッチワイフ、ラブドールという呼称で呼ばれていた。

が、Exdoll社は、スピーカーにAIを搭載してスマートスピーカーが生まれたように、この等身大ドールにAIという生命の息吹を吹き込み、次世代のラブドール「スマートドール」を生み出そうとしている。



スマートドールは「等身大ドール型スマートスピーカー」?

スマートドールは、単純に「等身大ドール型スマートスピーカー」だと思っていただければわかりやすい。

・AI(チャットボット)による会話

・ニュースや天気予報のアナウンス

・電化製品のON・OFF、コントロール

等身大ドールに内蔵されたマイクが、ユーザーの声を聴き、スピーカーがそれに答えてくれる。

これだけでは、ただ「人の皮を被ったスマートスピーカー」にしかならないが、Exdollの目指すところは、そこに留まらない。

アナログからデジタルへ・・・進化する骨格

従来のシリコンドールの骨格は、鉄パイプのような骨組みを、ネジ止めの関節が繋ぎ、手動で曲げることで、ドールのポージングを行えるものであった。

Exdollは、等身大のシリコンドールの骨格を、モーター制御により稼働するものへと進化させようとしている。

写真で見る限り、その駆動範囲、性能は以下のように判断される。

・自立姿勢の維持

・首の稼働、顔の表情の変化

・肩、腕、指などの可動

・腰回りの回転、前後運動

・腿の可動、開閉

・歩行は・・・未確認

この骨格の上から、シリコン製の肉体、皮脂を被せることにより、人間に近い動作と表情を再現できる等身大ドール「スマートドール」が出来上がる。

映画「ターミネーター」シリーズで、銀色のメタルボディの骨格を、大きな鉄板のような型(かた)が挟み込み、開くとアーノルド・シュワルツネッガーの肉体が被されているシーンがある。

それに近い・・・まさにアンドロイドが、Exdollでは作られているといえよう。

フェミニストからも共感

スマートドールが、実際に市場に出回るようになったら・・・?

考えうるひとつの問題として、女性の権利団体からの抑圧であろう。

「魂が存在しないだけで、外観は生きている女性と変わらない人形」

この扱いに対して、嫌悪感を抱く女性は少なくないと思われる。

が、現状、中国においては肯定的である。

女性権利運動家のXiao Meili(シャオ・メイリ)は、スマートドールの誕生に対して、

「多くの男性は、女性に対して、セックス、家事、出産、親孝行を望んでいるが、スマートドールがそれらを代行してくれることにより、女性はそれらから解放されることだろう」

と、肯定的な発言を述べている。

つまり、女性が男性と同じように働くというステージ上にて、女性は、あまりにも男性に対して時間を割かなければいけないというディスアドバンテージがあるが、それを解消してくれる、ひとつの可能性として見出しているのだろう。

日本ではどうなるだろうか・・・?

気になるお値段は・・・?

写真は、Exdollのスマートドールが、表情のテストを行っているところである。

スマフォの画面に表示されたコントローラーから、笑顔や困り顔といった表情を操作している。

出来上がっている表情は、以前紹介した「人工知能ソフィア」に比べると、かなり大味なもので、漫画チックではある。

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だが、Exdoll社のドールラインナップを見ていると、ひとつの傾向が見て取れる。

それは「アニメキャラクターを意識している」ことだ。

リアルな人間ではなく、人間とアニメキャラクターの中間点あたりの存在を創りだそうとしているようだ。

この表情の大胆さは、アニメや漫画のキャラクターの動きを意識しているのかもしれない。

軽自動車1台分と考えておくのがよし

さて、気になるお値段だが・・・

あくまで予想ではあるが、日本円で¥1,000,000−以上の値段になると考えられる。

現段階の鉄の骨格をもった等身大シリコンドールの平均価格が¥450,000−程度。

これに、モーター可動式の骨格や、AI搭載のスマートスピーカー機能がつくと考え、上記の値段を算出した。

また、シリコンドールの値段は、ドールの身長に大きく左右される。

背が高ければ高いほど、使用するシリコンの量が多くなるため、身長165cmのドールともなれば、予想で¥1,300,000−ほどになると思われる。

スズキのハスラーを新車で買うような感覚だと思えば良いだろう。

スマートドールは独身男の嗜みたるのか?

ネット普及によるコミュニティの拡大や、Amazonでの販売、ヤフオクでの転売。また、テレビメディアでの情報拡散等によって、現在のラブドールの普及率は、世間が思っているよりも、かなり高いものになっている。

「俺、自宅にDJ用ターンテーブルがあるんだよね」

くらいの感覚で、男性が購入している。という、現実がある。

あいにく、私はラブドールは持ち合わせていないが、自宅には等身大ともいえる、大きなイヌのヌイグルミがある。

離婚前、以前の妻と暮らしている頃に、ギャグで購入した抱きまくらなのだが、こいつの存在は自分にとって心の安らぎとなっている。

話しかけたところで、もちろん返事はないが、話しかけられる存在が部屋にいるというのは、独身男の平凡な暮らしのひとつのスパイスになる。

また、男性がラブドールを購入するにあたって、精神的には「やましい」感覚は、たいして大きくないと思われる。

美しさを追求することは男の本能であり、自分の好きなようにカスタマイズすることも、男の本能である。

モデルガンを買うことも、ガンプラを作ることも、オーディオ機器を組み合わせて、最良の音を追求することも、ラブドールの購入と同じラインにあるものだと、自分は思ったりもする。

むしろ、購入を抑圧するエッセンスとしては、

・値段が高い(対価の満足が得られると思えない)

・置き場所に困る

・維持が面倒くさそう

といったものが多くを占めている。

とてもマニアックな例えを出すが、全高150cm近くになる、1/12サイズの¥1,200,000−するガンダムのプラモを買うべきか、買わざるべきか? に悩む感覚に似ているものと思われる。

最後に

映画「ブレードランナー2049」の主人公「K」の自宅には、ホログラフィAIの「ジョイ」がいる。

自分好みにカスタマイズされた、ホログラフィと冗談を交わし、愛を語り、セックスを営む。

その姿を、映画を見てる誰一人として、笑いはしなかった、哀しいとも思わなかった。

むしろ、Kとジョイの人智を超えた純愛に息を呑んだ。

男も、女も、人工知能も、もうそこまで進化しているのだ。

Exdollホームページ

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