仕事でアニメの脚本を読んで、すげぇ!とか、興奮したことなど一度もない。
必ず思うのが、「なんでこいつこんなに日本語書けないんだろう?」だ。
文学部出なので、そっちの方ばかり気になる。

もちろん作劇のイロハも解ってない。キャラブレは酷いし、場合によっては物理法則や時系列も無視する。
そういう脚本は一回読んで、捨てる。

特に原作物はだいたい脚本を使わない。脚本話数に該当する原作を読んで、一から起こし直す。

あ、でも横手さんの脚本はかなり使えた。倉田さんも面白かった。
こういうのはありがたい。

でもぶっちゃけ、自分で書いた方が早い。
師匠の教えもあって、自分で書くようになった。

それでも、自分だけの視点だと偏ってしまうと思い、脚本家・シリーズ構成は別に立ててきた。
でももう立てることはないだろう。
金と時間の無駄だ。


唯一、「やられた!」と思った脚本がある。
アニメではない。実写だ。
『私の優しくない先輩』の、大野俊哉さんの脚本だ。

あれだけは参った。新幹線の中で読んで号泣した。
そして運命的な出会いを感じた。

それから監督就任のお声がかかり、本読みに入ったが、初稿にはほとんど手を入れていない。
尺の問題でちょっと削ったくらいだ。


その後大野さんもアニメに進出してきた。どうなのだろう?
今信用できるのは彼くらいしかいないのだが、アニメという焦土の中でくたびれていないだろうか?


とにかく、マトモな脚本家がいない。
中学国語のレベルでいいから勉強しろ。