Mostly Harmless:認証のグニャグニャ文字は時代遅れ? GoogleがCAPTCHAを使わなくなったわけ (1/2)

Webサイトの認証などで、人間かAIかの判定に使われている「CAPTCHA」と呼ばれる“グニャグニャ文字”。これをGoogleが使わなくなった理由とは。

» 2018年02月06日 08時00分 公開
[大越章司ITmedia]

この記事は大越章司氏のブログ「Mostly Harmless」より転載、編集しています。

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 少し前、朝日新聞の記事が目につきました。

 「あれ? これ、前にもあったな」と思って調べてみると、このVicariousがCAPTCHA(Completely Automated Public Turing test to tell Computers and Humans Apart:コンピュータと人を区別するための完全自動化チューリングテスト)を解読したという記事は2013年に出ていました。CAPTCHAというのがこの“グニャグニャ文字”の名前で、主にWebサイトで人間かロボットかを見分けるための技術です。

 今回、研究の成果を米科学誌『サイエンス』に発表するということで朝日新聞が記事にしたのでしょうが、研究自体は4年も前のものだったのです。しかもこの会社、2014年にIT業界の名だたる大物から投資を受けたようです。これは知りませんでした。

 こちらに詳しく載っていますが、Vicariousはこれまであまり公に研究成果を発表してこなかったようです。

 この技術についての解説で、私が見つけた中で最も詳しいのが以下です。

 これまでの機械学習は、学習のためのデータが数千から数万必要とされていましたが、Vicariousの技術だと学習データは数件あればよいのだそうです。

 従来のRNNを発展させたRCN(再帰的皮質ネットワーク)ということですが、輪郭認識の知識をあらかじめ組み込んであるというのがポイントのようです。「サイエンス」の記事はこちら

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