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長野「スパイラル」最終滑走 住民ら名残惜しむ

「ありがとうございました」。最終滑走を終え、感謝の声をそろえるボブスレーの選手たち=5日午後4時16分、長野市中曽根「ありがとうございました」。最終滑走を終え、感謝の声をそろえるボブスレーの選手たち=5日午後4時16分、長野市中曽根
 2017年度で冬季の製氷を休止する長野市のボブスレー・リュージュ施設「スパイラル」が5日、最終滑走日を迎えた。スケルトンやリュージュの選手らによる練習滑走の終了後に式典が開かれ、競技関係者や地元住民、製氷業者など約70人が名残を惜しんだ。

 午後4時すぎ、最終滑走する4人乗りボブスレーのチームが登場。この日のために、そりには青色のLED照明と「ありがとうスパイラル」と書いた幕を横に取り付け、コースを駆け抜けた。ゴール地点では大きな歓声と拍手が沸き起こり、4人は「ありがとうございました」と声をそろえて一礼した。

 式典で、県ボブスレー・リュージュ・スケルトン連盟の内田秀人理事長は「ついにこの日が来てしまった」とし、「これから五輪を目指す選手もいる。いつの日か復活したいと思う。希望をもって頑張っていきたい」。地元の浅川地区住民自治協議会の小林芳信会長は、施設の維持や後利用について「地元として、できる範囲の中で手伝っていきたい」と述べた。

 製氷休止を受け、昨年12月から7年ぶりにリュージュの競技を再開した長野市の新井栄司さん(45)は、「3日前からとても寂しい気持ちになった」という。「選手の目から見るスピード感を忘れないとの思いで滑った。悔いはありません」と話していた。

 最後の滑走をした4人の1人で会社員の熊谷康弘さん(47)=長野市=は、「自分たちは約20年競技をしてきて、ありがとうという気持ち。けれどジュニア選手たちのために、復活してほしい」と語った。

(2月6日)

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