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岡崎体育のファンクラブが(使い)始めた射幸心を煽るシステムで思い出したことをいくつか。
去年末のこと。
EMPiREという新しいアイドルが、まだ仮曲をSoundCloudで発表し、顔も出していない状態でファンクラブの募集を開始。
入会金0円、年会費30,000円、先着150人。
empire-fc.com
いやいや、見ても聞いてもいないアイドルのファンクラブに30,000円?!
さすがに集まらんだろ、と思ったあなた甘い。
EMPiREファンクラブEMPiRE COREは3時間で150人が埋まった。
一方、そんなCORE以外のファン……DROiDは入会金、年会費0円。
まだアルバムすら出してない。
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bitfan
話題になっている岡崎体育のbitfanを見てみると、
何をしたらポイントが貯まるんですか?
bitfanはファンクラブなどの対象コンテンツの閲覧、イベント参加、グッズ購入、インターネットのアクションなどを計測して、独自のポイントに変換します。(変換対象及びポイントの率はサービスにより異なります)
こう書いてある。
もちろんグッズを買う、ライブに参加する、なんてのもあるが、ツイートするとか共有するとか、動画を見るとかいう「行為」もポイント換算される。
今回その辺が無視されて課金ばかり注視されているのもモヤモヤする。
岡崎体育の面白さを大いに喧伝してくれるインフルエンサーは、グッズを買ってくれるファンより評価が高いかもしれない。
なぜ金の話題ばかりで、そのことが注目されないのか。
仕組み自体がファンの射幸心を利用しているのは間違いない。
しかし対価を支払うことによって一般のファンより優位に立てるのが、そもそものファンクラブという仕組み。
そこで順位をつけられたくないというのならその順位に参加しなければいいだけ。
強制ではない。
一般のファンとしてCDを買ったり、ライブに行ったりすればいいだけ。
好きになったらファンクラブに入り、強制的にランキングに参加し、課金し、どうしても上位を目指さなければならないという規約でもあるんでしたっけ?
金を使うからファンなのではなく、ファンだから金を使う。
それは似ているが異なる。
経済的理由
作家の場合、図書館で借りて読んで「作家のファンだ」という人もいるかもしれない。
だが作家を支えているのが作品を買う大勢のファンであることは間違いがない。
どこぞに書いてあったが、作家、アーティストのコンテンツに一切金を使うこともなく、何一つ買わないけれど、Twitterやブログを励みにしている人がいるとしたら、それは自称ファンであってもいいが、では「ファン」とは一体なんでしょうね?
「浪費図鑑」を読めば生活を切り詰め、日常のほとんどをファン活動に傾ける模範的「ファン」の日常が垣間見える。
”コンテンツに金を使うこともなく何一つ買わないけれど、Twitterやブログを励みにしている”にも関わらず自称ファンを名乗るようなファンを想定する思考実験に小手先のレトリック以外にどんな効果があるんだか。
音楽を単品で買える時代、数千円でライブに行ける、本を数百円で買える時代に「ファンだがコンテンツに1円たりと金を使えない経済的理由」って何?
LIKEとLOVEが異なるように、何かを好きなこととファンであることはニアイコール。
「あなたの作品には何一つお金を使わないけど好きです」はLIKEだけどLOVEではないと思えてならない。
金を払っていたってLIKEな人もいるし、そういうひとはファンを自称しない。
ファンとは、アーティストをLOVEな人のことではなかったんですかね?
ファンクラブに加入する閾値
ファンでいること、ファンと自称すること、ファンとしてアーティストを支えることは全て異なる。
ファンから見たファンとアーティストから見たファンも異なる。
さらにはファンクラブに入ることと、単にファンであることも別問題。
アーティストからすれば、いつか買い支えてくれるファンになってくれるならそれはそれで嬉しい。
買い支えてくれなくても好きでいてくれるなら嬉しい、でもできれば買ってほしい。
当たり前。
ファンクラブのシステムに対し「そんな仕組みをファンクラブに取り入れるだなんて!」というなら入らなきゃあいいだけだし、そもそもそれを言うなら入らないだろ。
岡崎体育を否定しているそのうち何人が加入するのか。
ましてやその周辺で金を使ってなきゃファンじゃないだなんだなんて場外乱闘は本当にどうでもいい。
頭が悪すぎて月曜から憂鬱だよ。