『HUGっと!プリキュア』ついに始まりましたね!
ついに2018年度のプリキュア、『HUGっと!プリキュア』が放送開始されました。
今年でプリキュアは15周年。自分はプリキュア歴6年目のまだまだひよっ子ですが、今年も出来る限りリアタイ視聴を続けて批評・研究を続けていこうと思います。
「なんでもできる!なんでもなれる!輝く未来を抱きしめて!」というフレーズが、未来への希望を感じさせてとても良いと思います。第1話では、野乃はなのキャラクターがわかりやすく、はっきり・くっきり描かれていました。「輝く未来をー↑↑ 抱きしめて!(早口)」が個人的にはツボです。あと、変身直前の「私のなりたい『野乃はな』じゃない!」が心に響きました。本作の目指す方向性が垣間見えた気がします。
さて、今回話題にしたいのはプリキュアの後番組である『仮面ライダービルド』です。
『ビルド』が描く「戦争」というテーマ
仮面ライダーシリーズをちゃんと観るのは今作が初めてなのですが、『ビルド』が超面白いんですよ。同時に超きついんですよ。
『HUGっと!』の第1話が放送された2018年2月4日、『ビルド』では第21話「ハザードは止まらない」が放送されました。そして、この回が『HUGっと!』の第1話の視聴後の余韻を全部かっさらうくらい面白くてきつかったわけです。
なぜ『ビルド』がきついのか。それは、真正面から戦争を表象しているからです。
『ビルド』の表象についてはこちらの記事が非常に参考になります。
『ビルド』の舞台は、3つの国家に内部分裂した日本。第2クールでは「ライダーウォーズ編」に突入し、北都と東都の内戦が描かれます。
「なぜ戦争が起きるのか?」「兵器製造それ自体は悪なのか?」「防衛のための軍事行為は正当化されうるか?」そして「戦争とはどんなものなのか?」が本当に真正面から描かれます。また、内戦というのがきつい。
主人公であるビルド・桐生戦兎は自身の発明したライダーシステムが戦争の全ての原因であることをきちんと受け止め、戦争を終わらせるために戦うこと、平和のために戦うことを高らかに宣言しながら、「敵も味方も誰も死なせない」ことを誓いながら戦い続けていました。
ところが、ついに犠牲者が出てしまいました。それも、ビルドが自らの手で殺めてしまったわけです。
↑これを提示するために3話~4話くらいかけている
もうね、これがきつかった。戦兎くんがこのことに多大なショックを受けてPTSDみたいになっちゃうわけです。それでも、戦争は終わらない。自身は兵器として戦い続けなければならない。戦争がもたらす理不尽で残酷な現実を、これでもかと描いていきます。
また、戦争が膠着状態になってきた現状「街から人が消える様子」や「避難所で身を寄せ合い心配する人々の場面」を静かにしれっと挟み込むのがきつさを助長させます。
この、戦争を描くときの「淡々さ」具合が『ビルド』のすごいところだと思います。
正義は相対的でもろいものに過ぎない。『ビルド』に絶対的な正義性やヒーロー性みたいなものは皆無です。あるのは、戦争の悲惨さ、理不尽さ、きつさ。だから、『ビルド』は超きついけど超面白い。
「戦争とは何か」を、きちんと向き合ったうえで誠実に真摯に、そして淡々と描く『ビルド』はすごい作品だと思います。
私はブラッドスタークが好きです
唐突ですが、私には年齢の離れたいとこ(小学校低学年・男の子)がいて、彼も『ビルド』を視聴しています。どうやら、すごく楽しく観ているみたいなんですよね。
描いたり伝えたりするメッセージやテーマも重要だと思いますが、一番大事なことは、やはりメインターゲットであるところの子供たちが楽しく観てくれていることだと思います。その点においては、『プリキュア』も『仮面ライダー』も同じだと思いますし、まずはそこをきちんと押さえていってほしいと常に思いながら視聴しています。
「仮面ライダーで誰が一番好き?」と聞いたら「クローズ」と答えてくれました。格好いいから好きらしい。
対して、私はブラッドスタークが好きです。マスターが小粋で格好いいんですよね。今のところ相当な人でなしだと思いますが。ただ、まだ何を考えているのか、真意が本当に読めないんですよね。その辺に注目して観ていきたいと思います。
……でも、『HUGっと!』でテンションがあがった後に生々しい『ビルド』を観るのがきつくなってきたから、やっぱり8時台に戻ってくれないかなあ……。