いまの生活に車は必要ない男がレクサス最高級「LS」を買った話。【冬の花火大会編】

LEXUSを手にした瞬間、思い出したこと‥

小学生のとき、弟が当時始まったばかりのJリーグの人気チームのユニフォームを欲しがり、毎日のように両親に「買って！」とせがんでいた。

小学校低学年だった弟はそのときサッカーをやったことがなく、母親はいつも「サッカーもしたことないのにユニフォームなんか買ってどうするの」と言っていたが、あまりにもせがみ続けるのでその熱意に負け、ある年のクリスマスに小さいサッカーボールと一緒にユニフォームを買ってあげたんだ。

それからというもの毎日、弟は学校から帰ってくるとすぐにユニフォームに着替えて外にボールを蹴りにいくようになり、ひとりでサッカーすることにのめり込んだ。

弟が"大学日本一"をかけた試合にエースとして出場するのを家族で応援しに行ったのは、それから13年後のことだ。

長いあいだ血のにじむような努力をしてきた弟と比べるのは申し訳ないけれど、俺はこないだ、仕事ばかりで日々の生活にほとんど楽しみがない自分を変えるため、車を買った。

レクサスの最高級車、LS500hだ。

何かモノを買えば、人はそれに合わせた行動を自然にとるようになる。そして、それが未来の輝ける自分をつくる。弟を見ていてそれが分かっていたからこそ思い切って買ったのだけれど、効果はとても早く出た。

俺はいま、無理め系美人のアラサー女子・めぐさんと一緒に「冬の花火大会デート」に出ているのだ。

恵比寿を出発して、海老名サービスエリアで楽しんで、今度は御殿場のアウトレットモールへ。

女性というのは、おそろしいものだ。

海老名のサービスエリアでたくさん食べためぐさんは、愛車LSの自慢のゆったり空間に落ち着きながら、「ちょっと食べすぎちゃって休みたいし、いまそんなに欲しいモノ無いから、買い物は別にしなくていいかも。アウトレットでは、ゆっくりお茶でもしようか？」と言っていた。

だから俺は、到着するなり飲食店に絞ってお店を探していたのだけれど、あの"お茶飲みたい欲"はいずこ、1～2時間ほどでこんな状態になった。

人気のミニバッグからブランド系小物、そしてジムに行くためのスポーツウエアまで、彼女の両手はあっという間に無かったはずの"欲しいモノ"でいっぱいになった。

そして、そのフェイスはまだまだ物欲にあふれている。

この物欲に付き合い続けていると、本日のメインイベントである熱海の"冬の花火大会"に間に合わないんじゃないか…と思い始めた俺は、ショーウインドーにすらその物欲を映し出す彼女を強めに説得し、車へと戻った。

冬の花火。そして、最高の車を買うということ

冬の花火大会に行こうと思い立ったとき、まず買いに行ったのが折り畳み式のチェアーだ。

めぐさんと野外で花火を見る時間をイメージしたとき、花火中に手を握るためにはどうしてもキャンプ用品店で売っているようなチェアーが必要だと感じた俺は、仕事帰りの足でそれを買いに行った。

海岸の花火観覧スポットに着いてすぐ、俺は得意げにそのチェアーを2つ出し、「座ってて！」と言って温かい飲み物を買いに行ったのだけど、めぐさんはそこには座っていなかった。

その代わりにお尻をつけて寄りかかっていたのは、我が愛車だ。

なんて様になる光景だろう。愛車も喜んでいるのか、ライトを点灯させている…というのは俺の勝手なファンタジー的妄想だけど、かつて女性がただ何かに寄りかかっているだけの姿にこんなにときめいたことはない。

そして、チェアーなんかなくても、冬の冷たい空気は2人の手が自然と繋がるように導いてくれた。そんな2人を祝福するかのように、愛車のライトはその光の強さを上げる。もちろん、妄想だ。

でも、ここからは妄想ではない。本当に2人を祝福するかのように、そして、最高の車を買った俺に拍手を送るかのように、冬の熱海に花火が上がった。

上がり始めた花火の重低音は、めぐさんと密着している俺の心臓の鼓動のスピードをさらに加速させる…。

冬の花火、それを幻想的に映す粋な愛車LS。そして、花火にときめく彼女。俺の目に、毛利元就もびっくりな最強の3つの要素が入ってきた。

LSを買わないと、LSを買って自分を変えないと、絶対に目にすることができなかった光景だ。

最高の車を買うということは、いまの生活を良くする、いまの自分を変えるだけではない。その行動は、未来をも変えるチカラをもっているんだ。

15年後、俺はめぐさんと一緒に、息子のサッカーの試合を応援に行きたい。そのときには、今日使わなかったチェアーを使おう。

モデル：青山めぐ

提供：LEXUS