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陸自ヘリ墜落

民家に墜落、炎上 乗員1人が死亡 

煙を上げて燃える自衛隊ヘリが墜落した現場付近の民家=佐賀県神埼市で2018年2月5日午後6時41分、徳野仁子撮影

乗員1人の所在を捜索 住宅など3棟が燃える

 5日午後4時43分、佐賀県神埼(かんざき)市千代田町嘉納の民家に陸上自衛隊のAH64D戦闘ヘリコプターが墜落し、炎上した。佐賀県警などによると、現場は市立千代田中部小学校の北東300メートルで住宅や小屋の計3棟が焼けた。ヘリの乗員2人のうち焼け跡から副操縦士の高山啓希・1等陸曹(26)が心肺停止状態で見つかり間もなく死亡が確認された。残る機長の斉藤謙一・2等陸佐(43)の所在を捜索している。また、墜落で燃えた住宅に1人で留守番していた小学5年の女児(11)が右足打撲などの軽傷を負った。

 陸自西部方面隊(総監部・熊本市)などによると、墜落したAH64D戦闘ヘリコプターは陸自目達原(めたばる)駐屯地(同県吉野ケ里町)第3対戦車ヘリコプター隊に所属。機体整備後の点検飛行中に通信が途絶えたため、駐屯地の管制塔から目視で確認したところ、東から西へ飛行中、機首から落ちて煙が上がった。目達原駐屯地は佐賀県内唯一の陸上自衛隊駐屯地で、兵站(へいたん)部隊や航空科部隊などが置かれている。

 県警によると、5日午後4時43分に近くの男性から「ヘリが墜落したようだ。黒い煙が出ている」と110番があった。墜落現場の敷地内にある会社員、川口貴士さん(35)方の木造2階建て住宅がほぼ全焼し、川口さんの父で会社員の利文さん(67)方の木造平屋住宅は一部を焼損した。軽傷の女児は川口さんの長女で、利文さんの妻(69)と一緒に逃げたという。現場は目達原駐屯地から南に約4キロ離れた住宅地で近くには幼稚園などもある。

 佐賀地方気象台によると、この日の佐賀地方は強い冬型の気圧配置で強い風が吹きやすい気象状況だった。事故前の神埼市には大雪、低温、乾燥の注意報が発令されていた。事故現場から約7キロの佐賀地方気象台では5日午後2時20分過ぎに北西の風14・5メートルを観測。雪も断続的に降り続いていたという。【石井尚、関東晋慈、前谷宏】

「AH64D」

 陸上自衛隊が導入している2人乗りの戦闘ヘリコプター。米ボーイング社とライセンス契約を結んだ富士重工業(現スバル)が製造した。通称名は「アパッチ・ロングボウ」。全長約18メートル、重さ約10トンで主回転翼は約15メートル。最高速度は時速約270キロで、給油なしで500キロ飛行できる。主翼上部にレーダーを搭載しており、多数の目標を攻撃することができるなど、高い戦闘力を持つ。

 2001年に陸上自衛隊が導入を決め、今回の事故機を含めて現在計13機を保有。佐賀県吉野ケ里町の目達原駐屯地、三重県伊勢市の明野駐屯地に配備している。一方、1機約80億円と高額なため、防衛省は08年に納入計画を打ち切った。スバルは初期投資費用が回収できなくなったとして提訴し、国に約351億円の支払いを命じた2審・東京高裁判決が15年12月に確定した。【中村俊甫】

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