めんどうなたまねぎ炒め、こうすれば10分!
「焦がしたまねぎ」の持つ、フルーツのような甘さとうまみが楽しめる、シンプルで奥深いスープです。
「飴色たまねぎ」という言葉には、魅惑的な響きがありますよね。
実は、今回ご紹介する方法なら、わずか10分ほどで、たまねぎがおいしそうな薄い飴色に色づきます。
この茶色に色づいた、とろとろのたまねぎをマスターすれば、たった一人分から、オニオングラタンを作ることも可能です。ぜひお試しください。
焦がしたまねぎのスープ
材料(1人分) 所要時間約20分
たまねぎ 1個(250~300g)
バター 20g
塩 小さじ1/2
黒こしょう 少々
水 約450~500mL
作り方
1.たまねぎを切る
たまねぎは皮をむき、繊維に沿って薄切りにする。★1
2.たまねぎを飴色に炒める
深型のフライパンに1のたまねぎと塩小さじ1/2を入れ、水100mLを加えて強火にかける。ときどき鍋をゆすりながら、約4~5分かけて水分を飛ばす。
バターを加えて手早く混ぜ、鍋底全体にたまねぎを広げ、焦げ付きそうになったら水を少し50mLほど足して水分を飛ばす。これを2回繰り返して茶色に色づくまで炒める。★2
3.水を足して煮立てる
たまねぎがうすい飴色になったら水を約250mL加えて煮立たせる。味をみて塩でととのえる。器に盛って黒こしょうをふり、好みで粉チーズやバゲットの薄切りを添える。
レシピのポイント解説
・たまねぎの切り方
・飴色たまねぎの作り方
・味付けについて
★1 たまねぎの切り方
たまねぎを、薄切りにしていきます。
まず皮ごと半分にします。切り口をとっかかりにして茶色い皮を引くと、むきやすいと思います。
切り口から茶色の皮をめくる
皮をむいたら、根っこの部分を三角に切りおとします。
根本を切っておくと、たまねぎがバラバラになる
中心が緑色の芽になっていたら、それもとりのぞきます。
切り口を下にして、繊維に沿って薄切りにしていきます。
切り口を下にして端から薄切りに
たまねぎが安定しなくなったら……
横にパタンと倒せば安定する
★2たまねぎの炒め方
今回は時間を短縮するめに「水」を利用し、約10分でたまねぎをきれいな茶色に炒め上げます。
まず、たまねぎと塩を鍋に入れ、水100mLほどを加えて強火にかけます。
ここでは中身が見えやすいよう白い鍋を使いますが、テフロン樹脂加工の深めのフライパンがおすすめです。ふたは不要です。
テフロン加工のフライパンは、作り終わったときの鍋洗いが楽
強火でどんどん水分を飛ばしていく
4~5分ぐらいで水が飛び、たまねぎがしんなりします。ここでバターを加え、へらで底から返すようにして手早く混ぜます。
すでにたまねぎが少し焦げ始めている
混ざったらたまねぎを鍋底全体に広げ、全体に焦げ目がつきやすいようにしたら、そのまま1~2分放置します。かき混ぜ過ぎると温度が下がります。
焦げが気になるが、ちょっとの間待つ
鍋肌が焦げてきたら、水を5~70mL加えます。鍋底についた焦げが、水によって一時的にゆるみます。ゴムベラなどで、この焦げをなるべくこそげとってください。
火は強火のままが理想ですが、あまり焦げるスピードが早いようなら、中火に落としましょう。
水が入ると焦げが水に溶けていく
ちょっと汚い表現ですみませんが、たまねぎをモップに見立てて、鍋にくっついた焦げを拭きとるようにしていくと、きれいにとれます。
鍋肌の焦げもなるべくとると早く色づく
その後、再びたまねぎを広げてまた少し放置します。底が焦げついてきたら、そこに水をまた5~70mLほど加えます。2回目は、1回目よりも焦げるのが早くなります。
このぐらい焦げるまでは放っておいて大丈夫
水分がすっかり飛んだら、たまねぎ炒めは完了です。バターを加えてからおよそ5分、鍋の大きさによっても違いますが、おそらく2回ほどで、茶色くおいしそうな色がつくはずですが、もしこの段階で色が薄ければ、もう一度繰り返してください。
生の状態から約10分できれいな色に!
たまねぎの量が増えるともちろんもう少し時間が必要になります。それでも、水を加えて煮てから炒めをスタートすると、最初から炒めるよりはずっと早いはずです。
★3 味付けと胡椒について
たまねぎは甘いので、塩を少し強めに効かせた方がおいしいです。味見をして、少し薄かったら、塩を加えてください。
(食べるときに粉チーズなどをかけてもおいしいので、その場合は塩は最初に入れた分で十分です)
こしょうもたっぷりめに振ると、味のバランスがとれますので、ぜひ入れましょう。
焦がしたことによって強い味わいになるオニオンスープには、黒こしょうがよく合います。
たまねぎのうまみを存分に
色づくまでたまねぎを炒めることによって「メイラード反応」が起こり、香ばしさと独特の風味が生まれ、また褐色の色も食欲をそそります。これがたまねぎスープの大きな魅力です。
焼いたパンや粉チーズを添えて食べれば、十分に満足できる一食になります。買い置きのきくたまねぎが1個あればできるスープは、寒い夜、遅く帰ってきてちょっと何かが食べたいとき、とてもいいものです。
【アレンジ】もうひとがんばりで、人気のスープに。
このたまねぎスープはそのままオニオングラタンスープのベースにもなります。とろけたチーズが飴色たまねぎに絡んで、幸せな気分になります。スープに肉などを加えるアレンジも、豪華です。
オニオングラタンスープ
炒めたまねぎは冷凍がききます。オーブンを使うオニオングラタンスープは面倒と思う人もいるかもしれませんが、作り置きした冷凍を使えば、あとはとても簡単。
基本のたまねぎスープを温めた状態で耐熱皿に入れ、パンの薄切りをのせて溶けるチーズを散らし、オーブンかオーブントースターで10~13分、色づくまで焼くだけです。
ビーフ入りのオニオンスープ
クルトンのかわりに、ビーフの角切りをのせた贅沢なスープです。牛肉は焼き肉用の肉などを細かく切って使ってもいいと思います。角切りにし、サッとゆでるか炒めるかして、のせてください。黒こしょうもたっぷりひいて、パンチの効いたスープにします。