米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への県内移設計画の是非が問われた名護市長選が4日投開票され、移設を進める安倍晋三政権が推した新人で元市議の渡具知(とぐち)武豊氏(56)=自民、公明、維新推薦=が、辺野古移設に反対する翁長雄志知事が支援した現職の稲嶺進氏(72)=共産、自由、社民、民進、地域政党・沖縄社会大衆推薦、立憲民主支持=の3選を阻み、初当選した。
政府は選挙結果を受けて移設工事を着実に進める方針で、今夏にも辺野古の海の埋め立てで土砂の搬入を目指している。一方で翁長知事は地元・名護市の反対という「民意」を失い、移設阻止の道のりはさらに険しくなった。沖縄では今秋に知事選が予定されており、翁長知事にとっては、再選に向けても厳しい環境になった。【佐藤敬一】
渡具知氏は勝因「名護を変えてくれ、有権者の強い思い」
選挙戦では渡具知氏が移設について言及しないで地域振興を訴える一方で、稲嶺進氏は移設反対を強調した。
当選を確実にした後、渡具知氏は勝因について「(有権者の中に)名護を変えてくれ、もっと明るい街に発展させてくれ、という強い思いがあった」と述べた。
稲嶺進氏「争点をはぐらかされてしまった」
稲嶺進氏は「結果は真摯(しんし)に受け止めないといけない。争点をはぐらかされてしまった」と語った。