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デザインが話題の天津濱海図書館、閲覧者より撮影者多く 肝心の機能は?
【2月3日 東方新報】昨年11月に開館し、独自の前衛的なデザインで注目を集めた中国の天津濱海図書館(Tianjin Binhai Library)。インターネット上には、近未来的な同図書館を写した写真が溢れている。毎日多くの市民や外国人観光客が訪れるが、本を読む人より写真を撮影しに来る人の方がはるかに多い状態だという。
現在は図書館内に撮影機材を持ち込むことを禁止しているが、携帯電話までは管理できず、相変わらず写真撮影を目的に来館する人が後を絶たない。
こうした状況に対し、ネット上では、「本末転倒じゃないか」という声も上がっている。本当に読書が好きな人が集中して読書している真横で、携帯電話片手に色々なポーズを取られていては気が散って集中できないと不評だ。図書館で愛を語らうカップルも邪魔だという声もあった。
「図書館は厳粛な場所であるはずなのに、どうしてこんな派手な造りにしたんだ?静かでシンプルな造りでいいじゃないか」「デザインにこんなに金をかけるのではなく、蔵書や閲覧室、貸出システムなどに金を使うべきだ」などの意見が出ている。
ネット上の批判も一理ある。確かに、読書に必要な環境は、おしゃれさではなく静けさだ。だからといって濱海図書館が無駄遣いだったということではない。素晴らしい建築物は情操教育にも良い影響を与えるだろうし、都市文化のオブジェとしての価値も高い。重要な公共文化建築としての図書館のデザインが少しばかり前衛的なことは、強く非難すべきではない。また、撮影者が閲覧者よりも多いことについても、そこまで心配する必要はない。新鮮なものが珍しがられるのは当たり前のこと。熱が冷めれば、いずれ静かな図書館になるだろう。
外見が人目を引くのはいいとして、最も重要なことは図書館の本質である本はというと、いずれ120万冊まで増える計画だと開館時に発表してから数か月が経ったが、ぱらぱらと何列かの棚に本が置かれているのみだという。(c)東方新報/AFPBB News
※「東方新報」は、1995年に日本で創刊された中国語の新聞です。