■好き好き大好き

突然始まるセックスが好き。

その場の流れに身を任せて相手に身を委ねるだけで勝手ができる社交ダンスのような。

疲労困憊の社会人生活の中の一瞬の隙をついて。

この唐突なセックスに至るシチュエーションが好き。

突然告白されて、とか、お酒飲んだら異性を意識して、だとか、

ばったり体が触れたから。

勢いだけの交合申し込み、多少なり人は選ぶけど、

真面目な人であればあるほど、珍しく勢いに呑まれた様が愛しい。

かっちり準備されたセックスも好き

予め定められた、買い物をして、ご飯を食べて、ホテルが取ってあるような

腰を抱かれて部屋に入り、だいぶ広めのベッドに腰掛けて、

「今日は楽しかったねー」

「映画のポスター見た？気にならない？」などと平常を装った会話をしながら、

『わたしは今日この人に抱かれる』と内心どぎまぎして、心臓の音が聞こえるぐらい。でもそれを悟られぬよう開戦を待つ。

ベッドから離れてみたり、携帯を弄ってみたり、 不器用に初手を誘う。

同じく不器用な相手のどうにもこらえきれない熱が伝わる。

この時間が好きだ。

愛されるということが好きで、愛しみを相手に見出すのも好き。

好きという概念が好き。

心を強く揺さぶられるのは傷ついて辛いこともあるけど生きているという感じがあるから。

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Permalink | 記事への反応(2) | 08:11