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自分の尿を金に変えようとした錬金術師、後世の発展に大きく貢献していた
Image: Joseph Wright of Derby

自分の尿を金に変えようとした錬金術師、後世の発展に大きく貢献していた

「弟子よ! ワシの小便が燃えておるぞ!!」

昔々あるところに、ヘニッヒ・ブラントという、自分のおしっこを黄金に変えようとしていた錬金術師がいました。

彼はその他大勢の錬金術師と同じように「賢者の石」を追い求め、来る日も来る日も金属ではない無価値の物質を混ぜ合わせては、黄金のように価値のある物質を生み出そうと研究に励んでいたのです。

彼の得意な実験方法は、水にさまざまな物質を調合するやり方。ですがある時から、おしっこを使って実験を始めるようになります。17世紀の錬金術師の間では、尿を使った錬金術がちょっとしたブームを起こしていたのです。その理由はまず金色の液体であることと、さらには人間は誰しもが用を足すため資源が豊富だったからというのもあり、彼らはどうにかすれば黄金を生み出せるだろうと思ったのです。

ブラントはほとんどの時間、おしっこをアレコレすることに時間を費やしました。そして1669年のある日、自分のおしっこが燃えることを発見! ゆっくりと緑色に燃える尿を見た彼はこう確信したのです。

「これが賢者の石に違いない!」

ブラントと弟子たちは、これが何かわからないままドイツからヨーロッパ中を行脚し、“ボウルの中で緑に燃える不思議なおしっこ”を見せて回ったのです。そしてこの製造方法を公開する代わりとして、フリードリヒ公からたくさんの報酬をもらったのでした。

自ら黄金は生み出せませんでしたが、こうしてお金に変えられたので、別の意味で錬金術は大成功でしたね。めでたしめでたし。




ということで、ブラントが生成したのは「リン」でした。これはたとえば歯磨き粉や肥料、リン酸など我々の生活に密着したアイテムに使われています。

この便利な世の中は、ブラントがおしっこを錬金したからここまでの発展を遂げたのです。ありがとうブラントさん!



Image: Joseph Wright of Derby
Source: Planet Money
Reference: Wikipedia
Charles Pulliam-Moore - Gizmodo US[原文

岡本玄介