歴史学を学ぶ大切さを伝えるブログ

歴史学は本来、世界主義やその調和の為に存在します。一国主義に留まりその為の単なる道具としてしか歴史学を見れないようでは歴史は歴史ではなくなります。本ブログはそれを踏まえた上で、歴史家としての正しい姿勢を伝える事です。


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早朝yahooニュースの紹介の『ニューズウィークス日本版』にて、以下のようなものがありました。

 

中国崩壊本の崩壊カウントダウン

 

http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/10/post-8772.php

 

 

長いので、ところどころの引用だけで進めていきますが、日本では日中関係がこじれるたびに、『反中』『嫌中』本なるものが氾濫し、人々の溜飲を下げてきた事実があります。

 

中でも「問題を抱えた中国経済は早晩崩壊する‐‐根拠なき崩壊論に訪れる曲がり角」という題目で、かつては一世を風靡し、アメリカでも存在しましたが、殊に日本での出版数が圧倒的でした。

 

 

ここでおさらい的意味で、改めて『反(嫌)中本』というのは、言い換えれば中国崩壊本。その中身は「中国経済は数々の問題を抱えており、早晩破綻する」と主張する書籍や雑誌のことです。主に経済に論考が限定されています。

 

こうしたことは、他の嫌韓本の類よろしく、ろくな取材事実確認もせず、リーガルチェック編集者の校正・推敲もしないで出版物として販売することです。

 

近年では、ケントギルバード『儒教に支配された中国人と韓国人の悲劇』(講談社)というものが発表され、数十万部のベストセラーになったのが記憶に新しいと思います。

 

当著書については、拙ブログの記事に詳細があります。

 

https://ameblo.jp/epikutetosu/entry-12284767257.html

 

 

本題にもどると、

 

「世界第2位の経済大国を自称するが、統計はごまかしが横行している。実際のGDPははるかに少ない」

 

「軍事費や治安維持費が右肩上がりに増えており、高成長を維持できなければ国家が破綻する」

 

「中国の暴動・ストライキの数は年10万件超。成長率が下がれば国が持たない」「不動産バブルは既に限界」......といった個々の事象を基に、中国経済が立ちゆかなくなると結論付けるのが一般的であり、こうした著作は、05年の反日デモ08年の中国製冷凍ギョーザ中毒事件10年の尖閣諸島沖中国漁船衝突事件12年の日本政府による尖閣国有化に伴う反日デモと、日中間で衝突が起きるたびに中国崩壊本は出版されてきました。

 

 

しかし実際は、オオカミ少年のように「崩壊する崩壊する」と連呼してみても、一向に中国経済は崩壊しないばかりか、より一層発展の度合いを究めていることです。

 

 

http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/10/post-8772.php

 

ニューズウィークス日本版より<世界最大の人口を擁する中国の経済を予測することは専門家でも難しい(北京) Kim Kyung Hoon-REUTERS>

 

 

このような根拠なき批判については、中国以外にも、日本が嫌う「東アジアの国」全体に言えることだと思います。

 

そして上述の事実と連動して、こうしたアジアヘイト本の隆盛した背景には、日本のレイシズム、とりわけ00年代以降の排外主義やネトウヨたちの台頭が挙げられ、ただ単にアジア諸国への罵詈雑言や差別心を満たせればいい、事実よりも感情を優先した結果、現在もそのような本が、非常に低コストでハイリターンを見込める「市場」として確立している現実があります。

 

 

しかしここで注意しておきたいことは、ネトウヨ自身がこのような「紙の媒体」を積極的に購入しているかについては、大いに疑問であり、彼ら自身がネット世界を至上としているので、活字に弱いことも含め、その「主体」ではないということです。

 

出版社によれば、崩壊本の主要読者層は60代前後。著名作家の本は確実に1万部は売れます。

 

出版不況の中、一定数が売れるので書店も販売スペースを確保し、平積みして陳列する。日中間でトラブルや事件が起きたときに「中国のことを知りたい」と書店に訪れた一般読者が、大々的に並ぶ中国崩壊本を手に取るというサイクルが確実に成立してきました。

 

 

出版社の「言い訳」を聞いてみると、

 

「一定数の売り上げが見込め、かつ制作コストも安い中国崩壊本は出版社にとってありがたい存在だ。『物書き』たちもひたすら高潔であろうとすれば、自著の出版は永遠にできない」

 

ふーん。だったら潔くやめちまえと言いたいところですが、「少し過激なタイトルを付けることで、それなりにしっかりした内容の本が出せるのなら、必要悪だと割り切っている」という具合に、劣化する読者層と連動して出版社まで低レベルになる始末であり、こうしたロクな社会知も捨てた社会こそが、崩壊の一途を辿るのではないかと、逆に問いただしたくなります。

 

 

<参考資料>

 

・ニューズウィークス日本版『中国崩壊本の崩壊カウントダウン』

 

http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/10/post-8772_3.php

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