無限の可能性に満たされた「The Elder Scrolls V: Skyrim」はビデオゲーム史上、最も素晴らしく名高いRPGのひとつだ。Nintendo Switchという新しいハードに移植されると聞いて、多くのファンはある疑問を抱いただろう。果たして、この超大作RPGは任天堂のハイブリッド機でどのようになってしまうだろうか、と。そして結論がついに出た。「Skyrim」はSwitchでも高い品質を維持しているが、既存プレイヤーを呼び戻せるほどの新しいコンテンツや特徴、機能がないのだ。

3つのDLC「Dragonborn」「Hearthfire」「Dawnguard」が同梱されている Switch版「Skyrim」は、画面の見栄えが2011年のPlayStation 3とXbox 360版よりは上、2016年の「Special Edition」よりは下という感じだ。植物のディテールや水面のシェーディング、シャープなテクスチャは主な見所となっている。一方、他のコンソール版がフィーチャーしているアンビエントオクルージョン(シーン内の環境光が遮られている程度を計算するレンダリング)やボリューメトリック・ライティング(光の筋の視覚化)、ダイナミックな被写界深度の表現といった高度なグラフィックス技法は明らかに欠如している。

任天堂のハードでも「Skyrim」内のあらゆる体験は損なわれていない。

解像度はドック接続時が1080p、テーブルモードおよび携帯モードでは720pであり、テクスチャは比較的に精細である。キャラクターモデルに関しては、6年以上前に誕生したオープンワールドのアクションRPGに見合うものとなっている。ここで一番重要なのは、昔から親しまれている“Skyrim的な感覚”が健在だということだ。これさえあれば、大きな文句はない。Switchのどのモードで遊んでも、本作は――新エリアに移動する際の軽微な低下を除いて――基本的に30fpsをキープしている。長時間プレイした経験に基づいて言えば、任天堂のハードでも「Skyrim」内のあらゆる体験は損なわれていない。笑える間抜けなバグも含めて、私たちが何年も前から愛しているあの雰囲気とプレイフィールはそのまま残っている。

もちろん、Switchのソフトになったということで、モーションコントロールは無視できない新機能だ。モーションコントロールを用いて、「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」と同じように、弓を操って矢の照準と発射ができる。Joy-ConかProコントローラーで狙いを定め、Rスティックを引くことで矢を放つ。魔法をかけるときも基本的に同じで、左か右のJoy-Conを動かすことでターゲットにロックオンする。それらのモーションコントロールは楽しく、そして実際に役立つもので、ときおり満足感を味わわせてくれる。一方、ソードなどの手持ち武器の操作には苦労した。剣を抜く動きは、コントローラーを使うときよりも明らかに緩慢だったのだ。武器を振るときもラグが非常に多いため、近接戦闘はとりわけのろまで苛立たしく感じた。

実はSwitch版「Skyrim」で私が一番好きなモーションコントロールはロックピックの使用だ。両方のJoy-Conを駆使して、それぞれ1つのロックピックを回転させることができるのだ。HD振動も微妙な形でプレイヤーに正解を知らせてくれる。

amiiboへの対応に関しては、基本的に「ゼルダの伝説 BotW」と非常に似ている。1日1回、amiiboをタッチすると宝箱を獲得でき、その中には大抵あまり強力ではない装備やクラフト素材が入っている。しかし、「ゼルダの伝説」シリーズのamiiboを使用すると、英傑の服、ハイリアの盾、マスターソードといった素敵な装備品をゲットすることもある。いずれもアップグレードできるので、当分はプレイヤーに相応しいパワーのものとして残り、通常の装備より遥かに長持ちする。私はたった7、8回のトライでそれらを全て入手したが、運任せなので何回までに達成できるという保証はない。リンクの“コスプレ”をしながら「Skyrim」の世界を探検するのは間違いなく面白いが、さらに強力な装備はいくらでもあるので、遅かれ早かれ遥かにパワフルなものにスイッチするだろう。