文字の大きさ:-2 -1 0 +1 +2

「ココが聞きたい」名古屋製酪社長・日比治雄氏 「スジャータ」拡販策は

更新日:2010年 6月10日 (木)

100610Hibi.JPG

「時間をかけてじっくりと市場開拓する」と日比社長

 めいらくグループのコーヒー用クリーム「スジャータ」が来年3月、誕生から35周年を迎える。市場の移り変わりや商品の入れ替えが激しいなか、「コーヒーのお供」として長い間、名古屋をはじめ全国で親しまれている。グループの中核会社、名古屋製酪の日比治雄社長にロングセラーの秘訣、今後の成長戦略を聞いた。
 ―「スジャータ」の歩みを振り返ると。
 「開発当時、家庭では粉末クリームが主流だった。めいらくはもともと、ホテルやレストラン、喫茶店向けに業務用の乳製品を販売していたが、プロの味を家庭にも届けようとポーションカップの『スジャータ』をつくった。しかし、腐敗が早い乳製品の製造は、菌との闘い。時を同じくして海外から無菌充てんの機械が手に入り、発売にこぎつけた。全国に物流網を整備し、製造直販システムを構築しているため、自社工場で製造した商品を、自社の冷蔵・冷凍車でお客様に安全に提供している」
 ―営業網も整備した。 「発売の2年後、『スジャータ』が新幹線の車内で取り扱われるようになったのを機に、停車する各駅に営業所を開設したことで成長に勢いがついた。全国70カ所に一気に営業所ができ、他地域進出のきっかけにもなった」
 ―市場シェア(占有率)は。
 「現在、コーヒー用クリームでは名古屋で70%、全国で25%くらい。1日に、最大で1千万個、今年度に入ってからは平均700万個の『スジャータ』を製造している。低脂肪や豆乳など、種類はいろいろ。カップの絵柄もサッカーのワールドカップに合わせて期間限定で国旗シリーズを出すなど工夫を凝らしている。ただ、売り上げ構成比ではめいらくグループ全体の1割程度となっている」
 ―今後の戦略をどう描く。
 「『スジャータ』の売り上げは2009年度で前年度比1・6%増えたが、市場としては人口減少などを背景に伸び悩んでいる。今後は、食文化の違いはあるが、中国を中心に乳製品の海外市場を開拓する方針だ」
 「中国には3カ所に拠点を置き、今年から2人を派遣し本格的に営業を始めた。近く、駐在員の増員も予定している。5年前に独資で建てた工場は、将来的に、飲料で週800万本製造できる体制にし、主力工場である千葉工場と同じくらいの規模に仕上げたい。そのほか、ベトナム・ハノイの大学と提携し、飲料原料となる野菜の栽培研究を進めている。多面的に調査を続け、じっくりと市場開拓していきたい」

 

中部経済新聞の記事がスマホで読めます

2010年 6月10日の記事一覧

ニュースカレンダー

2018年 2月
‹‹ 先頭  ‹ 前 - ◆ - 次 ›  最新 ››
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28

過去の記事はこちらのページからご覧ください。

カテゴリー一覧

新聞の記事などについてのお問い合わせは、以下までお電話下さい。
中部経済新聞社 編集部
TEL : 052-561-5212

皆様の生の声をお聞かせ下さい。
記事に対する意見・ニュース提供

 

現在の位置:ホーム > ニュース > 2010年6月 > 10日 > 「ココが聞きたい」名古屋製酪社...