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ジャッキー・チェンの映画 格闘場面に気持ち良さを感じる理由

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『ケトルVOL.40』 著:ジャッキー・チェン、中川翔子、入江 悠、岡田壯平、青柳文子、髭男爵 山田ルイ53…ほか

昨年12月に『カンフー・ヨガ』が全国公開され、2018年中には『THE FOREIGNER (原題)』の公開も予定されているジャッキー・チェン。60歳を超えた今でも第一線で活躍するジャッキーといえば、最大の売りはアクションですが、ジャッキー映画のファンは、古いミュージカル映画のダンスシーンを観ると、まるで「ジャッキーの格闘シーンみたい」と感じるそうです。実は、ジャッキー自身も、ミュージカル映画から大きな影響を受けたことを認めています。

ジャッキーは以前、『シャンハイ・ヌーン』公開時のインタビューで、「ジャッキー・チェンの映画はフレッド・アステアやジーン・ケリーの映画のようなものなんだ」と語っていました。フレッド・アステアとジーン・ケリーとは、ハリウッドの黄金期である1950年代に活躍したミュージカルスターです。特にジーン・ケリーは、もともと器械体操やモダン・バレエをやっていたこともあり、身体能力に定評があった人物。彼は数々の名作の中で、アクション俳優も顔負けのダイナミックな振り付けのダンスを披露しています。

ジャッキーはジーン・ケリーから、何よりも「リズム」が映画のアクションには大切だと学んだそうです。ダンスのステップに正しいリズムがあるように、カンフーのパンチやキックにも正しいリズムがある。従ってダンスもカンフーも、正しいリズムで演じなければ、観客を魅了することはできない、と。 私たちがジャッキー映画を観て、格闘シーンに気持ち良さを感じるのは、ジャッキーがミュージカル映画のダンスシーンのようにアクションを撮影しているからなのです。

また、ジーン・ケリーはダンスだけでなく、顔の表情まで振り付けていました。ジーン・ケリーの代表作である『雨に唄えば』や『巴里のアメリカ人』などを観ると、ただ歌って踊るだけでなく、そのときの感情も観客に伝わるように、表情をしっかりと作っていることがわかります。ジャッキーも痛いときは「痛い!」という顔をしますし、楽しいときは思いきり笑っています。

こうしたやりすぎなほどのわかりやすさの追求は、ジャッキー映画の特徴であり、ハリウッドの黄金期に活躍したミュージカルスターたちの特徴でもあります。つまり、国境を越えて伝わる映画を作るためのコツをチャップリン、キートン、ロイドといったサイレント喜劇からだけでなく、ミュージカル映画からもジャッキーは学んでいたのです。

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