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zoom RSS カンナカムイ 2013年7月 第57号

<<   作成日時 : 2014/05/27 18:31   >>

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 第6回『歴史の真実Ⅲ』学習会報告

 はじめに海原さんから次のような話があった。
 歴史資料は手に入りにくかったり、読みづらく難解なこともあるが直接読んだり、書き写したりすることで、具体的で生き生きとした歴史を学ぶことができる。そのような作業をし、テキストの読み方を獲得することは他の問題や課題を自分のものとしていく時も同じである。支配階級に奪われた歴史を人民の手に取り戻すことは重要だ。
『新版 北海道史 下』(北海道新聞社)の77ページのはじめに、「1869年(明治2年)8月に北海道と改称して国郡が置かれると、名実共に日本国家の領土に編入された」とあり、「明治政府は、その成立当初は主としてロシアに対する国防的観点からアイヌ政策を重視していた」「(略)という意味の内容が述べられている(太政官日誌)」と書かれている。
『歴史の真実Ⅲ(上)』の283ページにある1869年(明治2年)5月の「御下問書」(「太政官日誌」)がその資料であるようだ。天皇は、皇道興隆、知藩事の任命、蝦夷地開拓の3点を質問し指示している。天皇は明治維新によって再び祭政一致の皇国として領土として支配地を確定しようとする。「皇道が明らかではない」と嘆き「治教をひろく行き渡らせる」ことを質問し命じている。2点目に「版籍返上」後の国内統一を図るために「廃藩置県」を行わせる。3点目にロシア・中国大陸に接する「皇国の北門」であるアイヌモシリへの「開拓」「人民繁殖」を「現下の重要任務」だと天皇自身が明確に述べている。
「御下問書」をそのまま読むことで、天皇は祭祀権・支配権を確立させ、ロシア・中国を視野に入れた上でアイヌモシリを手に入れ、アイヌ民族の抹殺・支配を推し進めようとしているのだということがはっきりする。『新版 北海道史 下』では原資料が示されていないことで、天皇制国家によるアイヌモシリ略奪であることがあいまいになっている。それは北海道新聞社(「北新」)の歴史観であり学校教育の歴史観でもある。(『新版 北海道史 下』では御下問のことを「上局会議での勅問」と書いている)
 天皇の「御下問」という指示・命令を受けた明治政府は「土地売買規則」「地所規則」をはじめ次々と布達、規則、条例を出すことで、アイヌ民族から狩猟、漁撈、大地(山林)を奪い生活を破壊し抹殺した。
天皇や華族・旧藩主・資本家たちが奪いつくしたのだ。「御下問」を受けた天皇の臣下らは明治政府という官僚組織をつくりあげていった。
 海原さんから金子堅太郎の『北海道三県巡視復命書』を読み解くことが宿題として出されている。金子堅太郎は「大日本帝国憲法」の起草者の一人であり、皇室典範にもかかわっている。近代天皇制国家をつくりあげた人物の一人である。
さっそく参加者のKさんが資料を手に入れて作業に入っていると聞いている。ともに学習し歴史を取り戻さなくてはならない。
                      佐藤(ピリカ全国実・関西)







   第3回 アイヌ語学習会の報告 

 5月8日、3回目のアイヌ語学習会を開きました。参加者も少なく、今後どのように進めていくか検討課題と思います。さしあたって「アイヌ語ラジオ講座旭川編」をテキストにした第2回、第3回の学習内容の復習をアイヌ語学習ノートとしてまとめてみました。メールやコピーを配りますので、希望があればご連絡ください。 

                     木村敬(ピリカ全国実・関西)


<書評>アイヌモシリと平和  <北海道>を平和学する
       越田清和 編  法律文化社  2600円

 国家の右傾化を憂う向きが多い中にあって、しかし、歴史に真摯に向き合っていると感じられる文章は非常に少ない。単に、反戦・平和という意識では、これまで日本が行ってきた歴史の反省を忘れているように思われるのである。その大きな証左となるものが、アイヌモシリや沖縄をどうとらえているかということではないだろうか。この本の「あとがき」に「アイヌモシリ(北海道)が植民地であったという認識なしで自分の生きる地域の平和を考えることはできないという視点は、どの論文にも共通している。」と記されている通り、この視点こそが、決して、忘れてはならない基本的歴史認識であるはずだ。しかし、アイヌ民族副読本問題にもわかるように歴史の修正圧力は高まり、ついに自民党政権は教科書の検閲にあきたらず、国定教科書の法制化を狙っていることを明らかにした。我々は、歴史認識を問うことで、国家の戦争犯罪を問い続け、右傾化圧力をはねかえさなければならない。
 本書の内容については、アイヌ民族問題から原発、フェアトレードなど、多岐にわたるため、端的に紹介することは難しいが、旭川の軍事基地化や様々な民衆史の掘り起こしなど、ピリカの運動に重要な内容が多く含まれている。また、この本が、今年の札幌全国集会で林炳澤(イム・ピョンテク)さんの紹介であったこともあり、本書における論文に注目すると、全国集会でのイムさんの発言を理解するために重要であるとも思える。そこで近い将来、発行予定の2013年札幌全国集会報告集とあわせて読んでほしい。そこで、イムさんは「脱帝国主義化」を訴えられている。日本における新たな学問領域として、ポストコロニズムを「脱植民地」と訳し、植民地主義からの脱却ととらえている向きがある。しかし新植民地主義の形で経済侵略が続く現状や大国による経済優先の政治構造から安易に開戦する現状にあって、イムさんが「違和感がある」と言われるように着眼点がずれているように感じる。イムさんによると、現在は「帝国意識」の残る社会であり、それが安易に右傾化を許し、他民族排外につながっていると考えられているようである。求められるのは、「脱植民地化」ではなく、「脱帝国主義化」であるという訴えを、もう一度かみしめて、今後の運動の視点につなげていきたいと思う。

                    (木村敬/ピリカ全国実・関西) 




 
 <7・26-27 北大人骨事件糾弾の闘いのお知らせ>

7月26日 午後2~3時    大乗寺イチャルパ(札幌市豊平区平岸)
     午後4~5時    北大前での糾弾行動
     午後6時15分~9時 北大人骨事件を問う講演討論集会
7月27日 午前10時半~正午  川村カ子トアイヌ記念館の見学、歴史の学習
     午後1~5時    旭川・アイヌ協議会との交流、フィールドワーク
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