「パズドラ」ユーザー半減!ガンホーの正念場

森下社長「2018年はタイトルラッシュの年に」

ガンホー・オンライン・エンターテイメントの森下一喜社長は決算説明会の場で「新規ユーザーの獲得も含め、新たな施策を打つ必要がある」と強調した(記者撮影)

すっかり文化として定着したスマホゲーム。国内における市場規模は約1兆円にまで成長した。その牽引役を担ってきたのが、2012年2月に配信され、4700万以上のダウンロード数を誇る大ヒットパズルゲーム「パズル&ドラゴンズ(パズドラ)」だ。そのパズドラが、ジリジリと存在感を失いつつある。

パズドラを運営するガンホー・オンライン・エンターテイメント(ガンホー)は2月2日に2017年12月期の通期決算を発表した。売上高は923億円(前期比17.9%減)、営業利益は343億円(同25.4%減)だった。減収減益はこれで3期連続となる。

さまざまな打開策を打ったが・・・

ガンホーはパズドラのヒットによって躍進を果たした会社だ。もともとはPCオンラインゲームの運営が主体で、売上高も100億円ほどだった。それを変えたのがパズドラだ。2012年9月に開始したテレビCMをきっかけにユーザー数が急増し、それに比例してガンホーの業績も劇的に拡大。2014年12月期には売上高1730億円を記録した。

しかし、2014年前半をピークにユーザー数は減少に転じる。ガンホーはユーザー数の実数値を公表していないが、月間アクティブユーザー数の推移を示したグラフは公開している。それを見ると、2014年後半から現在まで約3年半に渡って緩やかな減少トレンドが続いている。

もちろん、ガンホー側もただ手をこまぬいていたワケではない。恒常的なゲーム内容のアップデートに加え、テレビアニメの放映やパズドラ本編と連動する派生アプリ「パズドラレーダー」の配信といったテコ入れを随時行ってきた。しかし、ユーザー数の底打ちには至らなかった。直近の2017年12月におけるアクティブユーザー数はピーク時のおよそ半分の水準となっているようだ。

国内パズドラへの依存から脱却すべく、北米版や中国版の投入といった海外展開や、新規スマホゲームの配信も継続的に取り組んできた。しかし、こちらも大きな成果には至らず、今も売上高の大半を国内パズドラが占めている状況が続いている。

次ページパズドラの今後の展開は?
関連記事
トピックボードAD
人気連載
トレンドライブラリーAD
  • コメント
  • facebook
0/400

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

  • NO NAME1d53fac38025
    やはり、利益率がエグい。
    パチンコに金落とすよりは良さそうだが。
    up13
    down0
    2018/2/3 08:26
  • NO NAME207cd5e3f487
    ログイン勢になってもうすぐ1年。
    確率表記後はどうなっていくかわからないけど、ガチャもエグくなっていたし、持ってないと始まらない「人権キャラ」みたいなものもどんどん増えてる。

    もちろん最難のダンジョンを皆が遊ぶわけでは無いけども、コミュニティでの会話も含めて、新規や脱落組がやってみようかという空気では全くない。
    インフレの速度も加速してるし、このままじわじわユーザーも減っていくんだと思う。
    up10
    down0
    2018/2/3 10:13
  • NO NAME4f9dbebedb27
    好きな人は好きなんだろうけど、結局は虚無への浪費。何かモノとして得られるわけではないし。好きな人は楽しむことにお金を出してるんだろうけどね。
    up11
    down2
    2018/2/3 09:41
  • すべてのコメントを読む
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • いいね!
トレンドウォッチAD
ひと烈風録<br>自民党政調会長 岸田文雄

次の首相に最も近いとされる政治家。ただ、パワー不足、無個性という印象が強い。改憲論議が進む中で、リベラル派としての発信力が問われる。政権を奪取するのか、禅譲狙いか。