ページの読み込み速度が“爆速”のサイトが相次いで登場している。2017年後半、日経電子版がリニューアルし「表示速度を従来比2倍に」と発表した他、米国のプログラマー向けコミュニティーサイト「dev.to」の表示速度が「速すぎて不安になるレベル」と話題を呼んだ。米Googleによれば「モバイルサイトでは読み込みに3秒以上かかると訪問者の53%が離脱する」といい、表示速度の改善が「長く滞在してもらう」一助になるようだ。
こうしたサイトが利用しているのがCDN(Content Delivery Network)という技術だ。なぜ速くなるのか、CDNを提供しているファストリー(米Fastly日本法人)のチュクロ・ダグ代表取締役、松田未央シニアセールスエグゼクティブに聞いた。
ユーザーがインターネットを経由してWebサイトなどコンテンツを見に行くとき、ユーザーとコンテンツの配信元の間には通信回線が存在する。ユーザーはプロバイダー(ISP)を通じてネットにつながり、プロバイダー同士の接続ポイント(インターネットエクスチェンジ、IX)を通り、コンテンツ配信元にたどり着く。このルートは基本的にユーザー側に選択権はなく、経路制御を行うプロトコル(BGP)によって決まる、いわば「1番コストが安い経路を通るようになっている」(松田さん)。
しかしファストリーのCDNの場合、(1)経路の最適化、(2)キャッシュサーバを分散配置――という“合わせ技”で、より早くユーザーにコンテンツが届くようになっているという。
同社はネットワークの各所にサーバを配置し「インターネットの中に自分たちのネットワークを作っていて、高速道路のように使っている」(松田さん)。そのため「コストが安い経路を選ぶ」という方法によらず、「最初にコンテンツを取りに行き、戻ってくるという第一歩のところで速くなる」という。
さらに、ユーザーごとに最も(ネットワーク的に)近い「ポップ」または「エッジ」と呼ばれるサーバに、コンテンツ配信元の画像、CSS、JavaScriptなどを複製しておく(キャッシュ)。そのため、表示速度に影響を与える「重い」画像などを、毎度、配信元に取りに行く必要がなくなるという仕組みだ。
実はCDN自体は、目新しい技術ではない。
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