Amazonの星1つのレビューに著者がまじめにコメントしてみたら、とてつもないステマ記事っぽく仕上がった。
HTML5でアプリをつくるための書籍「Ionicで作る モバイルアプリ制作入門」を出版しまして、ありがたいことに出版社からも好調な売れ行きだとご連絡いただいております。Amazonのモバイルプログラミング部門「売れ筋ランキング」「欲しいものランキング」「新着ランキング」のすべてで1位にもなりまして、大変ありがとうございます。
出版から一週間以上経ちまして、カスタマーレビューもいただいております。いい評価、よくないところの指摘など拝読しているのですが、1月25日(出版からわずか一週間足らず!)に星1つでレビューいただいた「梅津三郎さん」が、私の観測してるだけでも3回書き換えながら、あの手この手で「この書籍はだめだ」と書いておりますので、まじめにコメントしてみようと思います。
レビューのURLはこちらです。なお、Amazonのページはうまく魚拓がとれなかったので、2/2現在のスクリーンキャプチャのリンクを貼り付けておきます。(1枚目, 2枚目 )
前半のまとめ部分へのご返信
長文レビューを読みやすいように、わざわざ前半に箇条書きでまとめを書いていただいておりますので、こちらには全行コメントいれさせていただきます!
・過去にもハイブリッド(WebView/HTML5)アプリ開発の書籍はたくさん出たが、どれもメジャーになっていない。
お、いい着眼点ですね!!さすがにすべてのアプリを紹介はできないので知名度のあるものを一部だけご紹介させてください。
国内だと、ドワンゴ(ニコニコ動画の運営会社)や、Excite、pixivがIonicを採用しております。ハイブリッド(WebView/HTML5)アプリに広げていうと、ジャパンネット銀行や東京カレンダー、長野銀行、テレビ朝日が知名度のあるところではないでしょうか(企業名敬称略)。
海外プロダクトになりますが、2017年のiOSベストアプリでも2つはIonic製なのはすごいですよね!
「メジャー」とは何かはあるのですが、ネイティブ開発というスタンダードな手法がある中で、HTML5アプリがこれだけ多くの有名企業に採用され、プロダクトリリースされているのは魅力のひとつかと。他社様のアプリで、なかなかご紹介の機会がないので、ご指摘いただけて嬉しいです!
・ポケモンGOのようなゲームは不可。限定的な開発。(現開発者のモックとか)
ご引用いただきありがとうございます。
書籍内で書いてるように、ゲームアプリは向いておりません。あと他のアプリを操作するようなもの(広告ブロック)などもつくることは困難を極めますので、メディアアプリやSNS、ツール系などがいいかとは思います。
・開発環境が複雑でコマンドライン(黒い画面)も使う。
WEB系の環境をゼロから構築するのは難しいこと、わかります!!
それがコマンドひとつでできるところはIonicのいいところだと思っておりまして、書籍でも多くのページでご紹介しております。前回ハンズオン参加者にも「Webやアプリ開発の知識がない私でも楽しく参加させて頂くことができました。」というメッセージいただきました!
・jQuery(コピペでできる人から)を多少触る程度では必ず挫折する。
わかります、ゼロからHTML5アプリを自力構築するのはとてもむずかしいですね、わかります!!(二回目)
Ionicは環境構築から各種APIをデフォルトで用意しているので、このツイートのように挫折するどころかアプリリリースまでしたデザイナーもおりまして、Ionicのはじめやすさはとてもハードル低いなと実感しているところです!
・本書のフォントサイズがすごく小さすぎて読めない。
小さいサイズのKindleでがんばっていただいたのでしょうか。Amazonのなか見検索で一部を読んだのかもしれませんが、あれも字小さいですよね・・・。
お疲れ様でございます。ぜひ書籍をお試しください。一般的な新書サイズのフォントサイズはございます。
・192ページの薄さで価格は約4,000円という高さ。(Swiftやブロックチェーンの技術書より高い)
slackやTwitter上でのサポートまでしており、サポートの割に安いと好評いただいております。また初心者向けですのでできるだけページ数は抑えています。ページ数で価値が決まるのでしたら、技術書じゃなくてそこらへんで印刷用紙買ってきてください。格安です。
・レビューが5星の礼賛祭り状態だが、とても未経験者が簡単に出来るレベルでない。
・現役のWeb開発者が取り組むのにはありかなと。
この項目は、わざわざ高評価のレビューが増えてきたのをチェックいただいて、ご丁寧に書き足していただいていたのですが、アプリ未経験・Web経験者向けにだした書籍ですので、まさにそのターゲットには「ありかな」とお認めいただいてありがとうございます!
表紙キャッチコピーの「Webサイトがつくれるなら、あなたはもうアプリもつくれます!」はまさにそこですね。
・本書の内容は将来、変更する可能性があり保障されない。
技術書で将来変更する可能性がないものあるんですね!
将来の変更については、著者、レビュアー、Ionic Japan User Groupで、GitHubで変更内容を公開するようにしておりますので、ご安心ください。書籍の冒頭にURLをご紹介しております。また他の方への不安の解消ありがとうございます!
・とにかく難しい。
このレビューをみて、わざわざ「難しくないよ!」「簡単だよ」とツイートしてくださる方おおく、本当に助かってます。ありがとうございます。
ここまでの感想
ステマっぽいですが、ステマじゃないですよ。
後半へのコメント
ここからは前半重複部分も多いので、重複していない部分のみをコメントさせていただきます。他書籍、他手法に対するレビューの場ではないので、それはこの場では控えます。
そしてfacebookのHTML5アプリの大失敗。HTML5アプリ不要論が出たのも今となっては懐かしい。
懐かしいですね!
iPhone4sの時代で、一体いつのスマホスペックの話をしてるんだ!と切り捨てるのも容易なのですが、ぜひこちらの記事を紹介させてください。
- ザッカーバーグ氏の「HTML5に賭けたのは失敗」発言には続きがある。長期的にはHTML5への期待も語る
- Facebookのモバイルアプリが失敗した理由はHTML5のせいじゃない。HTML5でサクサク動くFacebookアプリを作って見せたSencha Touch開発チーム
前者は「時期が早すぎただけだった」というザッカーバーグ氏のコメントを紹介したもの、後者は「実はその時でもサクサク動いたんだよ!」という反証記事です。またこの時、iPhoneが採用してたUIWebViewはバグが多いと不評でしたが、WkWebViewになってJavaScriptの処理まわりがぐっと改善されてるので、さらにサクサク動くようになっています!
私もその時の印象があったので当時はいろいろ調べまして、もう時代遅れなのでこの話はわざわざしていないのですが、ご紹介するきっかけをありがとうございます!
この手の書籍でお約束の様に書かれているのが、「スマホアプリ開発は難しい」「SwiftとJavaを覚えられない」というキャッチである。
本書には、一切書いておりません。
著者自身「Ionicこそが唯一のスマホアプリ開発の王道である」が本音だろう。
せっかく私の心を推し量っていただいて恐縮なのですが、Ionic Meetup Tokyoで「XamarinからIonicへの書き換え案件が」(すでにアプリ完成してるのに書き換えたいという相談があったらしい)、「Ionicで、センサーをばりばり使うAndroidアプリを」という相談を「やめておけ!!」と止めてる身としましては、「ですです、Ionicが唯一王道ですよ!!」とお答えすることができず申し訳ございません。
向いてるところ、向いていないところによって各ツールや言語を選択できるようになったので、本当いい時代だと思います。
せっかくご紹介いただいたので、記事URLはここに貼り付けておきます。
Ionicの使いどころを考える – モバイルアプリ制作でのNativeとHybridとHTML5の使い分け
あれ、「梅津三郎さん」って・・・
ここまで私にとって「本書を読んでいない方に伝えたいこと」をレビューをいただくと、「梅津三郎さん」の他のレビューも読みたくなり、ユーザプロフィールを辿ってみました。
するとですね、「書き込み履歴: レビュー:ありません」と表示されるのです。なお、正常に表示された場合はmikoさんのようになります。こちらも星1つでのレビューをいただいており、条件は近いものと思います。
で、いろいろ聞いたところ、「梅津三郎さん」って、他の書籍のカスタマーレビューを荒らして削除を受けていたそうです。「書き込み履歴: レビュー:ありません」は、それによるものではないかという推測を聞きました。
と思いますと、本書へのレビュー自体もいつ消されるかわからない状態ですが、私としましては、「梅津三郎さん」のレビューをユーザの不安や疑問であると捉えまして、今後もwatchしてこのように記事としてまとめることができればと思います。
まとめ
ということで、この記事で不安や疑問を解消できましたら幸いです。
引き続き、「Ionicで作る モバイルアプリ制作入門」をよろしくお願い致します!
おまけ
本書でIonicのPWAが魅力的だと紹介しているところご紹介いただいてありがとうございます!