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トキが結ぶ 日中の絆 村本さんに 元国際交流員から手紙

トキに寄せる思いがつづられた手紙や写真を手にうれしそうな村本義雄さん=羽咋市上中山町で

写真

息子の名 由来聞き喜び

 羽咋市上中山町の日本中国朱鷺(とき)保護協会名誉会長、村本義雄さん(92)の元に、二年前に村本さん宅を訪れた中国・西安市の女性から、たよりが届いた。中国の旧正月を祝う新年のあいさつとともに、昨年九月に生まれた長男に、トキの鳴き声にちなんだ命名をし、「将来トキが好きな子になったらうれしいです」とつづられており、村本さんを喜ばせている。(小塚泉)

 手紙を送ってきたのは、国際交流員として新潟県佐渡市に二〇一五年四月~一六年三月に滞在した庄苗苗(しょうみょうみょう)さん。国際協力機構(JICA)の西安事務所でトキ保護の仕事に携わった経験もあり、帰国前の一六年三月に、「トキ保護の第一人者として活動している村本さんにお会いしたい」と訪れた。

 たよりは、トキをあしらった便せんに手書きしている。長男の写真を同封し、「果果」と命名したと報告。「日本語の発音は『かか』ですが、トキの鳴き声の『かぉーかぉー』に似ているのではないでしょうか」とつづっている。

 村本さん宅の印象を「トキの博物館のようでびっくりしました。毎日トキの夢を見ることも珍しくないでしょう(笑)」と書き、「微力ながら私もトキを通じた日中の友好交流に何か貢献できたらと思っています」と結んでいる。

 村本さんは、庄さんから「子どもができたら名前をつけてほしい」と依頼もされていたため、早速、電話でお祝いを伝えると、庄さんから、トキの鳴き声に似た名前に「うれしいでしょう」と弾んだ声が返ってきたという。

 四月に九十三歳の誕生日を迎える村本さんは「わが子を日中友好の後継者として育てようとする気持ちや、トキに寄せる思いがうれしい。一度会っただけなのに、日本のおじいさんとして思ってくれたようで、少し早い誕生日プレゼントになった」と喜んでいる。

 

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