雑誌や漫画で見たことがないだろうか。
このナイス笑顔、意外と読み方を知られていない。
「写植記号BA-90」。パソコン雑誌ASCIIやLOGiN読者だった方なら「ぽげムたマーク」と言ったほうがわかりやすいだろう。
写研がこの記号をオープンにしなかったためか、ほとんどのフォントセットに収録されず、出版の時代が写植からDTPに代わるにつれて見かけることも少なくなった。
もともとは「顔付満月」(Full Moon with Face)を指す記号で、占星術や一部天文学の書物では満月を表す記号だったらしい。
だが、この何とも言えないナイス笑顔が笑いを誘う表現にピッタリだったのだろう、漫画や雑誌で「(笑)」の代わりに一時多用された。
時代が進み、現在Unicodeにも「顔付満月」が収録されているが、残念なことに、このナイス笑顔ではない。
なんとかこのナイス笑顔の写植記号BA-90を自分のPCで使えないかググったところ、下記のサイトで配布されている「GL-アンチックplus」というフォントに収録されていることがわかった。
Gutenberg Labo - http://gutenberg.sourceforge.jp/ja/index.html
「GL-アンチックplus」はTrueType形式(TTF)とOpenType形式(OTF)双方が公開されているため、WindowsのみならずMacやフォント周りの環境を整えたLinux等でも利用できる。
Windows8.1 + MS-IME2012なら、IMEパッドを開き、フォントセットを「GL-アンチックPlus」に設定し、文字カテゴリ「私用領域」を選び、U+E012をダブルクリックするとたいていの場合空白か中黒に置換された文字が仮入力されるので、仮入力された文字に対して改めて「GL-アンチックPlus」を選択してやると、あなたの文書にナイス笑顔が登場する。
使いどころが難しい記号だが、あなたの文書にこっそりひとつ忍ばせてみてはいかがだろうか。