【Pulse/Quartet】
ついに出ました。スティーブ・ライヒの最新アルバム『パルス/クオーテット』。
新作が発売され早速聴いてみましたが、その世界観は未だに健在!
今回、せっかくの機会なのでスティーブライヒのオススメの曲をいくつか紹介してみたいとおもいます。
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【Steve Reichtって誰?】
スティーブ・ライヒ、その名前の響きからも風格が漂っていますが、
現代音楽好きなら知らない人はいないであろう、大御所中の大御所。
ミニマル・ミュージック、といえばまずこの人の名前が出てくるほどの音楽家です。
「ミニマルミュージック」とは、
簡単にいえば、同じ音の繰り返しがずっと続く音楽。
それが少しずつ変化していき、独特の「”ゆらぎ”」を生み出します。
(※勝手に僕のことばで表してみたので、間違っていればすみません)
"現代音楽"ときくと、どうしても姿勢がピッと正されてしまいそうなぐらい高尚なやつ、と思ってしまいがちですが、一度ハマりさえしてしまえばミニマル・ミュージックは特に聴きやすい部類に入ります。
今日は読者のみなさんにミニマリズムな世界観を味わっていただくため、おすすめの有名曲をいくつか紹介したいと思います。
【代表曲の紹介】
有名な曲のなかで、特に初心者にもおすすめの曲を5つ紹介したいと思います。
(※スティーブライヒはきちんとした理論に基づき、緻密な計算で音符を並べているようですが、音楽理論をほとんど知らない僕がそこを語れるはずがありませんので、あえて背景を説明せずに感覚的な紹介をしてみようと思います。)
まずは僕がライヒにハマるきっかけとなったこの曲から。
City Life
23分以上もある曲ですが、ライヒの曲では当たり前のような長さです。
実際聴いて頂くとわかるように、街の生活でのせわしなさを感じさせるような一曲です。
ドキュメンタリー作品が好きな僕は、一発で引き込まれました。
上の動画では映像付きですが、映像なしでも頭に同じような景色がバッと広がります。
合わない人は諦めず、次の曲へ
Electric Counterpoint
イギリスを代表するテクノグループ、オービタルの「Little Fluffy Clouds」という曲にも取り入れられていることで有名です。
あのRadioheadのジョニーにもギターでカバーされ話題になりました。
本来は14分43秒もある曲なのですが、上の動画はその曲の3楽章目の抜粋です。
聞き所は2:16~あたりからの転調部分。
いきなりそこの部分を聴くと魅力半減ですが、始めからの流れで聴くとこの展開に「おっ」と驚かされます。
あなたはこの”ゆらぎ”を感じられるでしょうか?
Drumming
次はシンプルな一曲。タイトルも「ドラミング」と無駄がありません。
言ってしまえばただ数十分間ドラムを叩き続ける曲なのですが、
「"ずれ"が生み出す快楽」を鋭く捉えた一曲だと思います。
演奏するさままで芸術的。
この動画を一本見ても心に響かないのであれば、スティーブライヒは諦めた方がいいかもしれません。
New York Counterpoint
はじめに紹介した「City Lfe」に近い音ですが、より柔らかで活気があり、人々の行き交う様子や声が聞こえてきそうな独特の雰囲気を醸し出しています。
こんな生活臭のする音楽、他にあるでしょうか?
久しぶりニューヨークの活気を見に行きたくなりました。
18人の音楽家のための音楽
ミニマル・ミュージックの古典。最も有名なライヒの曲でしょう。
とにかく聴いてみてください。
個人的には、33:30~あたりの展開が特に好きです。
【新アルバムレビュー・感想】
最後に、さっそく新作の『Pulse/Quartet』、聴いてみたので軽く感想を。
この最新アルバムでは、昔の二曲を一つにまとめる、という試みが行われています。
たいがい、二つの音楽を混ぜると下品でまとまりのない感じになっていますが、さすがスティーブライヒ、そんなことは一切感じさせません。
今までのライヒが好きなら、間違いなく楽しめる一作となるでしょう。
- アーティスト: Steve Reich
- 出版社/メーカー: Nonesuch
- 発売日: 2018/02/02
- メディア: CD
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現代音楽家好きの方は、ぜひブライアンイーノの記事もどうぞ。