中国では連日のように抗日ドラマがテレビで放送されているが、近年はその内容が荒唐無稽であるとして批判の声が高まっている。日本兵を手刀で切り裂いたり、手榴弾で戦闘機を撃墜したりなど、現実的にありえない描写のほか、抗日ドラマで描く時代には存在しなかった武器などが登場し、あまりの荒唐無稽ぶりに中国では抗日ドラマを「抗日神劇」と揶揄(やゆ)する風潮もある。
日本では「抗日神劇」のめちゃくちゃな描写に対して憤りを示すような人はほとんどいないが、それは、中国人にとっては不可解なことのようだ。中国メディアの今日頭条はこのほど、「日本人はなぜ抗日神劇を批判したり、抗議したりしないのか」と疑問を投げかける記事を掲載した。
記事は、中国で近年流行している抗日ドラマの荒唐無稽化において、「日本兵はひどく醜悪化されている」とし、日本兵は醜く、愚かに描かれていると指摘。数人の中国人農民が何百もの日本兵を倒すという描写もあり、中国人はこうした描写を見て大笑いしていると指摘する一方、不思議なのは「抗日神劇で描かれる日本人の醜悪化に対し、当の日本人が何も批判していないことだ」と論じた。
続けて、日中戦争の頃の日本はすでに工業化を実現した国であったのに対し、当時の中国はまだ貧しい農業国だったとし、その中国人が日本を相手に見せた激しい戦いと、絶対に投降しない頑強な精神は日本人に畏敬の念を抱かせるものだったと主張。記事は、この畏敬の念があるからこそ、日本人は抗日神劇で日本兵が醜く、愚かに描かれても抗議しないのではないかと論じている。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)
日本人はなぜ抗日神劇を批判したり、抗議したりしないのか=中国メディア
2018-02-02 14:12
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