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2017年8月3日(木)

森友学園と国の交渉 切り札に安倍昭恵夫人の名前

学校法人森友学園に国有地が格安で払い下げられた問題で、詐欺の疑いで逮捕された籠池泰典容疑者が国側と交渉する際に安倍昭恵夫人の名前を出していたことが分かりました。
関西テレビが独自に入手した音声データから明らかになりました。

<去年5月の交渉>
【池田靖・国有財産統括官】
「”有益費”(ゴミの撤去費用)の1億3000万円という数字を国費として払っているので」

【籠池諄子容疑者】
「それは当たり前やん」

【池田靖・国有財産統括官】
「その分の金額ぐらいは少なくとも売り払い価格は出てくる、と。そこはなんとかご理解いただきたい」

関西テレビが手に入れた国有地の売買に関する籠池容疑者側と国側との生々しいやりとりが記録された音声データ。
籠池容疑者と交渉しているのは、近畿財務局の池田靖・前国有財産統括官とみられます。
音声データで国側は、支払った土壌改良費1億3200万円が売り値と答えありきで交渉を行っていたことが明らかになっています。
この交渉の2ヵ月前、土壌改良したはずの土地から新たなゴミが見つかり、国は「瑕疵」があったと落ち度を認めました。

【籠池泰典容疑者】
「時間がたつことが大きな問題なんやから。何かいい方法ないの?」

【大阪航空局】
「うーん、公共工事というのは我々国側から、ご存知の通り入札というか・・・」

【籠池諄子容疑者】
「それが普通のやり方でしょ!特例があると言ったの」

【大阪航空局】
「特例が使える使えないっていうのがあるんですけど」

公募入札による撤去しかできないと説明する国側に籠池容疑者らは、切り札を出します。

【籠池泰典容疑者】
「きのう財務省から出たとたんに、安倍夫人から電話ありましたよ。『どうなりました?』って。『がんばってください』って言ってはったけど。なんてこたえたらいいんやろ?わからへんわ。どうしよ。そちらの案は?そちらの案は?」

安倍昭恵夫人の名前をちらつかせましたが、この場で国側の「特例」は出ませんでした。
この音声データをめぐって、3日午後、民進党のプロジェクトチームが財務省などを追及しました。

【民進党 今井雅人議員】
「関西テレビで流れていますけれども」
「財務省は交渉してたということですよね?」

【財務省の担当者】
「財務省としてコメントは差し控える」

近畿財務局が国有地を不当に値引きしたとする背任の疑いなどで大阪地検が捜査中であることを理由に、「コメントできない」と話しました。

【民進党 福島伸享議員】
「この音声データの声は池田国有財産統括官か?」

【財務省の担当者】
「音声データの確認ということについて私の方では判断しかねる…」

【民進党 福島伸享議員】
「いやいや判断して下さいよ」

民進党は、3日の回答を「ありえない」として、池田前国有財産統括官の参考人招致を自民党に求めたということです。

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