実践!GTD~一歩先の仕事管理

第6回 整理ステップでリストを作ろう

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どう対処するかは決めた。それからそれから?

さて,前回の処理ステップでは,気になること,つまり『物』をどう対処するかを決めるまで行いました。Inboxリストを見てください。どの『物』をどうするかは,色分けやマーキングされているでしょう。ですが,このままでは,わかりにくくて使いづらいです。整理ステップでは,未整理のInboxを使える状態,つまり一目みて何をどうしたらよいかわかるようにして,実行しやすくするための準備を行います。

整理ステップは何のため?

先ほども言いましたが,整理ステップは,これからあなたが実行しやすいように準備するためのステップです。具体的には,Inboxの中身を処理ステップで決めたリスト別に分類します。

例えば,片付いていない机の上というのは,カオスです。カオスな机の前で,⁠ホチキスどこだっけ?」と,ごそごそ探している人を見かけることは多いです。一方,整理整頓された机は,整然としてとてもキレイです。この机からは,すぐにホチキスも見つけることができます。

ホチキスを使う,いつも使っている資料を確認する――整然とした机では,それがすぐに実行することができます。整然としている状態とは,あるべきものがあるべき場所に,収まっている状態といえます。整理ステップでは,このような整然とした机のように,整然としたリストを準備します。

整理ステップで行うこと

実際には何をするのかというと,大きくわけて2つの作業があります。

  • (1)リストを作ること
  • (2)リストの中身を整頓すること

Inboxリストから,GTDの6つのリストを作ります。

    • Referenceリスト(資料リスト)
    • Somedayリスト(いつかやろうリスト)
    • Projectリスト(見張りリスト)
    • Calendarリスト(時間割リスト)
    • WaitForリスト(返事待ちリスト)
    • NextActionリスト(実行リスト)

    これが(1)にあたります。

    さらに,分類したり,系統立てたりして,わかりやすく交通整理します。これが(2)にあたります。しかし,⁠2)は必ずやらなくてはならないというわけではありません。

    例えば,Somedayリストの中は他のリストよりも数が多いと思います。読みたい本を挙げたら,複数出てくることがあります。行きたい旅行先や買いたい物も,複数の候補が出てくることでしょう。それらをまとめる作業,これが「整頓」に当たります。⁠整頓」には,項目を捨てるという選択肢はありません。すでに処理ステップを経過した際に「大事なもの」⁠捨てられないもの」として残った『物』だからです。

    Inboxリストとペンを用意しよう

    前回,処理ステップを施した際のInboxリストとペンを,用意してください。

    それぞれのリストはどう作る?

    新しい紙を用意します。そしてInboxを見てください。前回の処理ステップで,既に分類されていますよね。同じリストに入るもの同士を集めて,紙に抜き書きします。

    リストは,どんな媒体にするのがよいか

    GTDはどの媒体を使うかは決まっていないため,人それぞれ自由に媒体を選択できます。けれども,自由すぎて,どれを使えばいいのか迷ってしまうこともあります。

    今回は,一つの参考例として,以下のような各リストの書き写し先を想定してみました。

    • Referenceリスト(資料リスト)⁠ ― 手帳
    • Somedayリスト(いつかやろうリスト)⁠ ― 手帳
    • Projectリスト(見張りリスト)⁠ ― GWeeklySheet
    • Calendarリスト(時間割リスト)⁠ ― GWeeklySheet+手帳
    • WaitForリスト(返事待ちリスト)⁠ ― GWeeklySheet
    • NextActionリスト(実行リスト)⁠ ― GWeeklySheet

    手帳

    手帳は,市販のスケジュール帳を想定しています。手帳を選んだ理由は,多くの人がすでに使用しているため取り入れやすく,いつも手にしている確率も高く,そして見直しやすいためです。

    電子カレンダーなど,別の媒体を使っている場合は,そちらで問題ありません。

    GWeeklySheet

    GWeeklySheetは,友人と私が考案し,実際使っているシートです。"G"はGTDの"G","Weekly"は週単位で使用することを想定していることから,そのような名前をつけました。なかなか使い勝手がよいので,ここで紹介します。

    GWeeklySheet

    GWeeklySheet

    GWeeklySheetの特徴は,Inboxリスト,NextActionリスト,Waitforリスト,Projectリスト,直近2週間分の Calendarリストが一枚の紙にまとめられていることです。次回のレビューステップの際に,新しいシートを作りなおすことを前提として使用します。これを毎週つくり,ファイルするのもよいですが,今週分の右側の裏面と,次週分の左側の裏面を糊付けしていけば,ノートになっていきます。

    Inboxから簡単に次のリストを作れるように,かつ一目で全てがわかるようになっています。Inboxに書き入れたものを他のリストに移していきますが,それが面倒ならば,矢印を引っ張ったり,色違いのマーカーでマークするのも一つの手立てでしょう。小さな切抜きなどは直接貼ってもよいと思います。A3とB4,それから家庭で印刷できないこともあるので,A4とB5でも印刷できるようにと,合計4種類を用意しました。今回は,A3やB4のGWeeklySheetを使うことを想定しています。どうぞ,皆さんのアイデアで,自由に使ってみてください。

  • 著者プロフィール

    nomico(のみこ)

    GTDジャンキー。IT系企業に勤めて仕事にアップアップの日々に,藁をも掴む気持ちで始めたGTDに味をしめ,その後突っ走って過ぎること1年半。研鑽内容についてはブログのworks4Lifeにて展開中。現在は,GTDの理解を日本で深めるためにmixiでGTD勉強会も開催している。好きなウェブサービスやソフトウェアを使い倒す癖あり。目下の興味はEvernoteとDiigo。最近はプロジェクタとストールがほしい。

    work4Lifehttp://works4life.jp
    GTD勉強会http://mixi.jp/view_community.pl?id=3013597

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