Apple:スマートスピーカー「HomePod」に期待できる2つのこと
前回の記事を踏まえ
Apple社から発売されるスマートスピーカー「HomePod」を約1週間前に記事で書いた。
根っからのAppleファン、ジョブス信者として「これは違うだろ?」と、かなりdisった記事を書いた。
大人げないなと思った。
悪いところばかり書いてもいけないので、キチンと褒めるべき・・・否、期待できる点を、今回は記事にしよう。
と、記事を書き始める前に。
上の写真は、HomePodを上から見たところ。
この写真から連想されるのは、映画「2001年宇宙の旅」に登場する、人工知能「HAL9000」である。
HAL9000を人がイメージするとき、大概は上の写真のような、HAL9000のレンズが連想される。
レンズの奥には赤い光が淡く光り、機械でありながら生命が宿っているような錯覚がある。
映画の劇中、HAL9000は人類の敵として描かれた。
その敵対する色「赤」を「虹色」に変え、HomePodは登場する。
それは、あたかも「人類の味方」を意味するようでもある。
早速、叩かれているHomePodだが
値段の高さを指摘
2月9日の発売を迎え(日本は春頃発売予定)ネット上のニュース記事等にも多く名前が連なるようになったHomePod。
チカラを入れている「音響スピーカー」としての性能について褒める記事は多いが、先行するスマートスピーカー「AmazonEcho」や「Google Home」に対して、2倍以上の価格(約¥38,000-)についてはマイナスなイメージが強い。
値段の高さと、現在のスマートスピーカーの普及率から、予約をしなくても入手が可能という予想も立っている。
ただ、考えてもみてほしい。
そもそも、Apple製品は高いのだ。
Appleファンとして、これまで数々の製品を買ってきたからこそ断言できるが、Apple製品は、その時代の「一般製品」の2倍の値段は、当たり前に提示してくる。
現在でも、ディスプレイ一体型で、無難なスペックのデスクトップパソコンが、¥100,000-を切る値段で販売されているが、AppleのiMacはスペックが最低での価格から¥140,000-を提示してくる。
メモリを増設したり、あれこれオプションをつければ、あっという間に¥400,000-に近い値段になる。
このように高額だが、対価分の性能と信頼、そして快適さ(あと優越感)をユーザーは購入することができる。
いまさらApple製品に「高い」と文句をつけるほうが、お門違いといったところだ。
HomePodの真の魅力とは?
ここ数週間の間でも、スマートスピーカーに関するニュースはあちこちで取り上げられ、特に今回のHomePodでスマートスピーカーデビューを果たそうとする方も多いと思われる。
しかし、本当にHomePodで良いのか?
悩むところではあると思うので、HomePodの魅力について少々。
その1「ローカル処理によるAI」
Amazon EchoやGoogle Homeと、HomePodが一線を画して差別化される部分として、人工知能(AI)がローカル処理を行う、ということがある。
前者は、ユーザーからスマートスピーカーへ「声による命令や指示」が出された場合、それらを一旦、クラウドへ持ち帰り、処理を行う。
が、HomePodの場合は、HomePod内でそれらを完結させるようになっている。
それを行うため、CPUスペックや、メモリ容量も前者と比べ大きくならざるを得ないのが、価格高騰の理由のひとつだ。
この仕様でHomePodがアドバンテージをとれる点は「返答インターバルの短さ」だ。
クラウドを介さない、イコール、ネットを介さないことであるため、ユーザーの指示に対しての対応速度に、各家庭の通信速度が影響されることはない。
「HomePodの反応が遅いから、YouTube見るの、ちょっと止めて!」なんて状況は生まれないのだ。
その2「新たなる音響体験」
2016年、iPhone7と共に発表されたワイヤレスマイク付きイヤフォン「AirPods」
この製品に感銘を受けたユーザーは少なくないであろう。
ヘッドフォンではなく、イヤフォンで・・・しかもコードレスで。
これまでの高額ヘッドフォンに近い高音質を再現したAirPodsの発表から、ワイヤレスイヤホンのブームは始まり、宇多田ヒカルがCMするSONYの「WF−1000X」まで繋がった。
Appleという会社は、AmazonやGoogleと違い、常に「ハードウェア」で時代を突き破ってくる会社である。
それは、初代ディスプレイ一体型パソコンのiMacしかり、初代デジタル音楽プレイヤーのiPodしかり、初代スマートフォンのiPhoneしかりだ。
今回のHomePodも、ハードウェア先行型のAppleとして、その戦車の砲塔ともいえるのが「スピーカーの性能」だ。
その核となるのが「方向性コントロール」である。
スピーカーから発せられた音の反射を頼りに、HomePodは、置かれている部屋の大きさや、位置を判断し、その時点での最良の音響をユーザーに与える。
その方法は、7つの「ビームフォーミングツイーター」による音響方向の調整だけでなく、壁を利用した反射音まで、最良の音響の味方とする。
ステレオコンポを買って、部屋に置き、クラシックを流しながらスピーカーの位置やイコライザーバランスをあれこれ悩む必要はなくなる。HomePodを部屋に置き、iTunesの再生ボタンを押せばよいだけなのだ。
HomePodは、誰にでも公平に、HomePodが持ちうる最高の音響をユーザーに与えてくれる。
音響についての補足
と、書いたが・・・
いずれAppleは、HomePodの「高性能スピーカーでない」廉価版を出すであろう。
最初に発売されるアメリカ、イギリス、オーストラリアに比べて、日本や韓国の住宅事情は大きく違う。
スピーカーで音楽を聴くことが、イコール近隣住民の迷惑になることもある。
iPodの廉価版であるiPod nanoが発売されたようなものである。
「ちょっとスピーカーで音楽を聴くのは気が引ける・・・」
という方は、もう少しだけスマートスピーカーデビューを遅らせても構わない。
なにせ、まだまだスマートスピーカーの地盤は固まりきってはいない。
iPhoneだって、世間に認められるようになったのは、4世代目の改良版である4Sからだ。
最後にまたdisる
HomePodについての前回の記事で、デザインが悪いという旨を書いたが・・・
では、いったいどういったデザインならば?
Appleの創始者、故スティーブ・ジョブズだったら、こういうデザインだろう・・・ということで、挙げてみる。
ズバリ、これだ。
映画「2001年宇宙の旅」に登場した、各辺比1:4:9の四角柱「モノリス」
この形こそ、HomePodのあるべき姿ではなかったのか? と思われる。
この「板」が、日常生活のなかにあることに違和感を覚えるかもしれないが、実はこのデザインで成功を収めているものがある。
SONYが2000年に発売したコンピューターゲーム機「PlayStation2」だ。
台所の片隅に、料理の本が立てかけてあるように。
トイレの棚に、雑誌が立てかけてあるように。
実は、この形は生活に「入り込みやすい」形なのだ。
インターネットのルーターが、軒並み縦置きになっているのもその為だ。
スティーブ・ジョブズであれば、その「入り込みやすい形」としての、このモノリス型を断固として譲らなかったと思われる。
そして、なによりジョブズは「2001年宇宙の旅」のマニアである。
特に、人類に知恵を与えた「モノリス」への執着は強く、彼の遺作とも謂われているiPhone5などは、ほぼモノリスといってよい造形をしている。
最後に
HomePodの日本国内での発売は春頃とも、2月中若しくは3月上旬ともいわれている。
iPhoneもちであれば、設定等で戸惑うことはなく、ストレスレスでスマートスピーカーデビューできるはず。
少しだけ、興味をもってみてもよいかもしれない。
コメントを書く