Synologyから、同社のNASキット「DS218j」で利用できる「DiXiM Media Server」アプリ(8.5米ドル)がリリースされた。DiXiMはデジオンのソフトウェアで、国内の映像録画・再生機器で用いられているDLNA、DTCP-IPといった規格に対応している。そのDTCP-IPサーバ機能をNASに追加できるのが今回のアプリだ。正式版も登場したこのタイミングで、この機能を試してみたい。
まずDTCP-IPについて触れておくと、これはテレビやレコーダーで録画した番組を、ホームネットワーク内で共有する際の著作権保護技術だ。このDTCP-IPに対応した機器間で、録画番組のムーブやダビングなどが可能になる。
例えば、テレビやレコーダーでは、一度HDDに録画を行なうが、残しておきたい番組が増えてくると内蔵HDDの容量を圧迫する。これをNASにムーブできれば、テレビやレコーダーの内蔵HDDを圧迫せずに済むわけだ。
せっかくなので、今回はDS218jを構築する上で、Seagateの最新HDDで容量12TBの「IronWolf ST12000VN0007」を2台用意した。なお、12TB HDDが2台ならRAID 0で「24TB!!」といきたいところだが、家庭向けのエントリーモデルであるDS218jは、現時点で1ボリュームが16TBを超える領域を作成できないため、2つのボリュームに分割するほかない。
今回は、RAID 1とすることで、12TBのボリュームを作成して検証した。RAID 1は2台のHDDに同じデータを書き込むため、1台が壊れても録画番組を失わずに済む。残しておきたい番組がたくさんたまった方には、データ保護機能を使えるNASでの管理がオススメだ。
搭載するHDDについても一言触れておきたい。実は、大容量HDDの一部モデルでは、側面のネジ穴が2つしかないことにお気づきだろうか。4TBまでの一般的な側面が黒いボディーのHDDでは3つあるが、ヘリウム充填の側面がシルバーの大容量HDDでは2つしかない。DS218jでは問題ないが、古いNASキットで大容量HDDに載せ換えを考えている方は、ここが問題になることもある。
まず、メインストリーム向けよりも上の、ガイドレールを用いてHDDを固定するモデルではこの問題は生じない。ガイドレールでは左右端の2つのネジ穴しか利用しないためだ。
しかし、一部のエントリー向けNASキットでは中央のネジ穴を利用するよう設計されているものもある。DS218jのJシリーズも、本来、この中央のネジ穴と、Serial ATAインタフェース寄りのネジ穴の2カ所で固定する。ただし、DS218jの場合は、これの対策としてサブプレートが付属し、後部のネジ穴にも対応できる設計変更が行われている。
大容量NASを実現しようと検討している方は、こうした点にもよく注意する必要があるだろう。
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