津村彰氏コラム第14回 ヤマハ ルーターでモバイル接続をしてみよう

1.  はじめに

ヤマハ ルーターでは、外付け携帯端末によるモバイルインターネット接続に対応しています。今回、現状中古等で安価に入手可能な、NTTドコモのXi(クロッシィ)端末である、「L-02C」を用いて、IoT向けMVNO(仮想移動通信事業者)であるSORACOM Airを用いて、インターネットへ接続してみたいと思います。

実際トライしてみると、わずか10分程で接続する事ができました。どの程度簡単かをレポートしてみたいと思います。

2.  Xi端末のセットアップ

事前に、ルーターに対応したXi端末及び対応したSIMを用意します。SIMは事前にアクティベートしてある必要があります。SORACOM Airの場合、オンラインサインアップにて即使用可能になります。

今回はL-02CにSORACOM Air 標準サイズSIMを挿入し、ヤマハ ルーターRTX1210へ挿入します。数十秒経って電子音が鳴れば成功です。

3.  ヤマハ ルーターでのセットアップ

今回はRTX1210を初期化直後の状態からセットアップしてみましょう。

無事に認識されていると、ダッシュボード上のUSB端子にマウスカーソルを合わせると、上記のようにデバイスの情報が表示されます。

かんたん設定→プロバイダー接続から、セットアップを始めます。

インターフェースとして「モバイル」が選択可能ですので、選択して進みます。

プロバイダー情報の設定として、SORACOM AirのAPN情報を入力します。併せて、PP接続となる為、CIDには標準では「1」を入力します。

以降はデフォルトのままで問題ありません、そのまま設定を完了します。

最後に、設定の一覧が表示されるので、「接続する」をクリックし、接続を行います。電子音の後、以下のような表示に変われば成功です。

以上で、携帯電話網を用いてインターネットに接続する事ができました。

4.  キャリアグレードNATについて

SORACOM Airを含む、いくつかのMVNOでは、クラスAのプライベートIPアドレスや、キャリアグレードNAT用のプライベートIPアドレス(100.64.0.0/10 RFC6889)が端末に割り当てられます。これにより、キャリア側にてSNATされ、グローバルIPアドレスの消費を抑えることができます。

しかし、今回のようなケースでは多段NATとなり、一部のサービスの利用に制限が掛かる等の問題も内在しています。

5.  おわりに

想像していた以上に簡単にセットアップする事が出来、自分自身驚いております。かつて携帯電話網を用いてのエンタープライズルータでのインターネット接続はハードルが高かった記憶があるのですが、ヤマハ ルーターではハードルが低く、すぐにトライ出来る事がわかりました。