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論ひょうご

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 兵庫県政150周年と聞いて、読者の皆さんはどんな感想を抱かれるだろうか。飾磨県の統合などで、ほぼ現在の姿になってからでも140年が過ぎているのに、今も旧五国ごとの意識が根強く残る。その多様性ゆえに、兵庫県を一つのイメージで表現するのは難しい。なぜ、明治新政府はこれほど大きな県をつくったのか。

 新政府の最重要課題は、外貨獲得のために輸出産業を創出することだった。西日本で拠点に選ばれたのが、大型船が入れる神戸村の浜だった。但馬産の良質の絹と西陣から伝わった丹波の技術で作った絹織物を、神戸から世界に輸出する。大久保利通が構想したとされる巨大国家プロジェクト「大兵庫県」で、築港の資金を提供したのが旧五国で最も豊かだった播磨だ。明治初期、播磨の税収は摂津など他の四国を上回った。

 兵庫県立大学特任教授で播磨学研究所長の中元孝迪さんは「かつて播磨は経済大国だったが、佐幕派であったがため、明治維新以降は思うように力が発揮できていない」と指摘する。飾磨県の再設置運動も実現しなかった。

 その播磨の中心地、姫路市が大きく変わりつつある。駅前の再開発では3月に大型ホテルが開業する。4月には医療専門学校が開校、秋には健康・生きがい開発棟が完成する。駅ビルと各施設をデッキでつなぐ工事も進められる。

 東側の地域には2022年度、736床の県立総合医療センターが開業する予定だ。2千席の大ホールを備えた文化コンベンション施設も計画される。

 市のシンボルロード「大手前通り」の再整備では、オープンカフェなどが並び、城を見ながら周辺の散策を楽しめる都市空間に生まれ変わる。民間のものづくり拠点も複数計画されている。

 「フランス柔道の父」と呼ばれた川石酒造之助(みきのすけ)が姫路出身という縁で、2020年の東京五輪ではフランス柔道チームの事前合宿地に選ばれた。

 旧五国が連携して新国家を先導した兵庫県を俯瞰(ふかん)したとき、神戸だけを「極」とするのには無理がある。摂津、丹波、淡路の極が神戸で、播磨、但馬の極は姫路という「2極」でみれば、イメージがかなり整理されるのではないか。

 姫路市が兵庫県の西の極としてさらなる発展を目指し、再び大国・播磨を取り戻すきっかけとなる年にしていきたい。

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