飛蚊症に目薬は効果なし 症状と原因をしっかり理解しよう!

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目薬で飛蚊症を改善できないか調べる人は多いですが、残念ながら目薬で飛蚊症は改善しません。
というよりも、老化などによって生理的に発生する飛蚊症は治療法自体がほとんどないのです。

なぜ目薬が飛蚊症に対する有効な手段ではないのか、できるだけわかりやすく解説していきますね。

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1.飛蚊症を理解しよう!

目の前に虫やゴミが飛んでいるように見えるのに、実際には何もない。これが基本的な飛蚊症の症状です。

必ずしも虫が飛んでいるように見えるわけではなく、糸や薄い雲が漂っているように見えたり、人によって症状は異なります。
また、浮かんでいる物は目線を変えても消えないのが特徴。目に痛みや痒みを感じることはありません。

この存在しないはずの浮遊物がどうして見えるのかというと、目の硝子体という部分にできた濁りが原因。
濁りが浮遊物に見えてしまうのは、例えるならスクリーンに映像を投写する際、あいだに障害物があるとその部分が影になってしまうのと同じ理屈です。

人がものを見る仕組みを簡単に解説しましょう。
まず、光を角膜(黒目)から取り入れ、瞳孔と水晶体で光の量を調節したりピント調節をしたりして、硝子体を通り、網膜に届けます。
網膜では色やかたち、明るさなどの情報を電気信号に変え、脳へ送ります。

物を見るために目の中では光が伝達されているわけですが、通り道である硝子体に濁りがあるとその部分が影となり、虫や糸が目の前に浮いているように見えてしまうというわけです。

硝子体は目の中のほとんど大部分を占めていて、透明なゼリー状の水分で満たされています。
なぜそんな部分が濁ってしまうかというと、生理的な原因と、病気や外傷が原因となる場合の2つの理由が挙げられます。

この記事では、生理的に発生する飛蚊症について解説していきます。
病気や外傷によって表れた飛蚊症は、すぐに病院で治療を受ける必要がありますので注意してください。

2.生理的な飛蚊症は目薬では治らない

さて、ここまでの解説でお気づきかもしれませんが、飛蚊症を治すということは硝子体の濁りを消すということです。

現状ではレーザー治療以外に方法はなく、そのレーザー治療も濁りを砕いて小さくするというもので、完全に濁りを消しされるわけではありません。
レーザーですら濁りを完全には消せないわけですから、当然ながら目薬で飛蚊症が治るなんてことはありません。

そもそも目薬は、基本的に硝子体まで到達しません。
仮に、硝子体の濁りを消すような強力な薬剤を入れたら、目に大変なダメージを与えます。
目薬で飛蚊症が治ったなどと言っている人がいたら、単にその目薬を使っているあいだに脳が飛蚊症に慣れただけです。

少し補足しますと、人間の脳には「写真を補正する機能」に似た力があります。
例えば、目の前に探し物があるのに気づかなかった……なんて経験は誰しも一度はありますよね。
つまり、目では「見て」いるのに、脳で「見ていない」と処理できるのです。
これは飛蚊症にも当てはまり、脳が飛蚊症のちらつきを「見ていないことにしよう」と処理できるのです。これが飛蚊症への慣れです。

そういうわけもあり、病院では基本的に生理的な飛蚊症は治療されません。

※ルテインが飛蚊症に効くというネットの記事もありますが、ルテインは網膜の黄斑部で作用する成分です。硝子体とは関係ありません。
飛蚊症にルテインが作用したなどという論文は見たことがありませんし、期待を持つべきではないと思います。

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3.飛蚊症を予防したいのならブルーライト対策?

そもそも飛蚊症の大半は、生理的な原因――老化とともに表れるものです。

なぜ老化によって飛蚊症になるのかというと、年を取ると硝子体のなかには空間ができて、空間の縁には線維が溜まっていきます。この部分が濁りとなります。

さらに老化が進むと硝子体は萎んでいき、目の内壁から離れて隙間が生まれます。
これを後部硝子体剥離といい、離れた硝子体が影となって、飛蚊症として表れます。

しかし、以前までは高齢者の症状であった飛蚊症は、若者のあいだで増加しているといいます。

この原因として、パソコンやスマホなどから発せられる強い光(ブルーライト)の影響が示唆されています。

ブルーライトは強い力を持つことため、目の奥(網膜)にまで届いてダメージを与え、活性酸素を発生させます。
テレビなどでも活性酸素は体内をサビつかせて老化の原因となると解説されていますね。

つまり、飛蚊症になりたくない、悪化させたくないのであれば、現状ではブルーライトをできるだけ浴びないようにするというのが最善策なのかも。

4.まとめ

生理的飛蚊症は治療されないという趣旨で解説してきましたが、病的飛蚊症の場合は話が異なります。

病的飛蚊症は病気の症状の一端として飛蚊症が表れるというもので、「飛蚊症だから」と放置すると元になる病状が進行してしまいます。
原因となる病気としては、網膜剥離や、高血圧や糖尿病による硝子体出血などが挙げられます。
ボクサーなどの格闘家が飛蚊症を感じたら網膜剥離の可能性を疑うというのは、まさにこれです。

もし、「目にボールがぶつかった等の衝撃を受けた」、「糖尿病や高血圧といった持病をもっている」という方が飛蚊症を感じた場合、まずは病院で診察を受けるべきです。

飛蚊症ともに「視力が急激に下がった」、「視野が欠ける」といった症状が表れている場合も注意が必要です。

飛蚊症自体を治すことは困難ですが、飛蚊症のもとになっている病気があるかもしれませんので、病院へ行くことは決して無駄ではありません。


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