4月13日は、決闘の日。
わたしも必死に戦っていた。
前の日の、ずーっと外での仕事から、
天才作家とサウナに行き、
とんでもなく気持ちよかったのですが…
帰りの電車から、なにやら体がおかしく…
家近くの駅に到着する頃には、
「あ、これ熱ある」
と分かるくらいのだるさ。重さ。熱さ。寒さ。
やばい。
久しぶりの熱が出た。
なんだこれ、インフルか!?
なんとか自転車をこぎ、
(家から駅まで自転車で20分の家)
(たぶんこの日ふ40分くらいかかってるはず)
家に到着。
玄関を開け、妻に告げる。
「あの、…熱あるっぽい。」
前の妻ならこう言ったろう…
『もぉ、だいじょうぶ?たんさん。
(たんさんと呼ばれてます)
おかゆ作ろうか?
ホントに体弱いんだからぁ』
…今の妻は違う。
『は!?』
(娘を遠ざけ)
『ちょっと!!熱計って!!!!』
そりゃそうだ。母なのだ。
手洗いして、すぐさま二階へ行き、
寝室隣のクローゼットの部屋に布団を敷く。
もう動けない。
熱を測ると37度9分。
やっちまった。
前の妻なら、部屋に来てこう言うだろう。
『(がちゃ)だいじょぶ?辛そう。
どう?熱は…え?37度9分!?
はい、冷えピタ。もう。ゆっくり休みなね。』
今の妻は違う。
LINEが鳴る。…開く。
妻『熱ある?』
部屋には来ない。
僕「37度9分。」
妻『まじ!』
…まじ。
僕「冷えピタある?」
妻『あるよ下に』
下にあるようだ。
妻『ちょっと待って』
僕「待つ。ごめん。」
本当に娘ちゃんが大変で大切な時期に、
こんな熱を出してしまうとは、
ダメな父親だ。
冷えピタを持って来てくれた妻。
『明日病院行きなね!?』
怒り気味。
「明日仕事だ。朝から。」
『えぇ!?休めないの?』
「無理、休めない」
『もぉ!!』
扉が閉まる。
この瞬間から軟禁生活のスタート。
とにかく寒気と熱との戦い。
市販の薬を飲み、冷えピタをし、
熱が下がることを祈る。
帰って来たのが20時。
そこから次の日の家を出る8時までなんとか治さねば。
じっと願う。じっと寝る。
下から聞こえる娘ちゃんの泣き声。
ミルクを作る音。
オムツを変える音。
あやす声。疲れた声。
あぁ、やっちまった。。
助けてあげなきゃいけない時期に、
37度9分ですわ。。
とにかくじっとして、天命を待つ。
数時間眠った。まだ熱は治らず。
深夜。聞こえる。
下から聞こえる娘ちゃんの泣き声。
ミルクを作る音。
オムツを変える音。
あやす声。疲れた声。
じっと目をつぶって反省をしながら、
寒気と戦う。
ごめんなさい。
ごめんなさい。
ごめんなさい。
そして、朝。
なんと36度まで熱を下げることに成功!!
ただ、体がまだフラフラ。
病み上がりの体を叩き起こし、仕事に行く。
娘ちゃんと妻は寝室に。
扉の前で「いってきます!」というと、
扉の向こう側から『…いってらっしゃい』の声。
会えない、娘と妻に会えない。
仕事現場に着くと、
自然と元気が出て、映画宣伝番組を楽しくこなす!
よかったぁ。
一時的なものだったのか。
ただ、お腹がずっとゴロゴロ下っている。
あとでわかることなのだが、どうやら食あたりだったらしい。
インフルでもノロでも無くて良かった。
ここから、3日間、軟禁生活。
お腹は超絶下っていてゼリーしか食べられない。
娘に触れず、抱っこ出来ず、
近づくと、『ちょっと』と言われ、
遠くから娘の名前を呼ぶ日々。
ミルクも作れず、
オムツも替えられず、
お風呂にも入れられず、
少しだけほっぺに触ろうとすると、
『え?大丈夫なの?』と言われ、
すぅっと下がって距離を置き、
遠くから娘の名前を呼ぶ。
健康が第一。
3日後、やっと体調が戻り、
やっと娘に触ることができ、
やっとミルクも作ることができ、
やっとお風呂に入れられ、
やっとほっぺツンツン出来ました。
ホントよかった。
妻に、今まですまなかった…という気持ちを込め、チュウしようとすると、
すぅっと口をスライドさせほっぺを近づけた。
…。
鏡を見ると、
3日間ゼリーしか食べていない僕の顔は、
痩せ細り、顔色も若干悪く、ヒゲ面で。
でも、娘に触れられた嬉しさで笑っているその顔はまるで、
どこかのコメディアンのようでした。
そう、今日4月16日は、チャップリンデー。。
(追伸…妻は僕のためにおかゆも作ってくれたし、
ゼリーも、飲み物も買ってくれました。
遠くで娘の名前を呼ぶ僕の姿を見てゲラゲラ笑い、
なんか可哀想(笑)と言ってくれました。
うまくやっています。)