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画像: 女の子が科学者になってもいい!世界で人気の新しいおもちゃ

「女の子向けのおもちゃはどうして、おままごとやプリンセスに変身するグッズばかりなんだろう?」

一度でもおもちゃ売り場に足を踏み入れたことがある人はわかるはず。男の子のコーナーには冒険や実験、DIYできるおもちゃが沢山並んでいるのに、かたや女の子のコーナーはキラキラのプリンセスドレスや、人形をお世話するキット、ご飯を作るおままごとセットばかり……。

その光景はまるで「男は外で狩りを、女は家で炊事洗濯を」といった昔話から時が止まったままのよう。一人一人性格は異なるのだから、性差によって趣味や趣向を決めつけるのはナンセンス。そして、誰かにどう見られるかを気にして、親や子どもが持つ自由な感性や、好奇心を知らず知らずのうちに奪い取ってしまっているかもというのは哀しすぎる。

誰しもが自由に職業を選べて、生き方にも多様性が認められるこれからの時代は、男の子がプリンセスの格好をしてもいいし、女の子が科学者に憧れたっていいはず!

そして、世界に目を向けてみるとそこには女の子が自発的に楽しみながら科学を学べる、ポップで可愛いおもちゃが溢れているんです。

 

女の子は本当にピンクが好きなのか?

発売と同時に各所で議論を巻き起こした書籍『女の子は本当にピンクが好きなのか?』では、洋服からおもちゃ、日用品に至るまで、女児向けの商品には圧倒的に “ピンク” が多いという事実(注釈①)に正面から疑問を投げかけるとともに、ピンクと女の子の関係性をあらゆる視点から分析しているピンクの説明書です。

同書には、幼少期に触れるおもちゃが、将来就く職業や女の子の生き方に強い影響を与えるという興味深い調査結果も紹介されています。これまで、女の子の遊びと言えば、お人形遊びや料理を作ったりするおままごと、そしてプリンセスごっこが定番でした。

そこで子どもたちが目にするお人形は、スーパーモデル級のスタイルに、美しい顔。いわば完全無欠の美の集合体のようなもの。“女の子は美であるべき”ということを知らず知らずのうちに刷り込まれてしまい、思春期になる頃には欠点だらけの自分と比べて自己嫌悪に陥ってしまう子も。女の子の価値は決して見た目の美しさや、誰かのお世話をすることだけではない。そうした当たり前のことを伝えるおもちゃが圧倒的に少ないのです。

でも、ここ数年でそうした時勢も少しずつ変わってきました。そしてその潮流のきっかけはアメリカでした。

ここ数年アメリカでは、STEM系の学科を専攻する女性は15%未満という調査結果が問題視され、そうした男女の性差によるギャップをなくすために “PCの自作キット” など子供のうちから理系に親しめるようにおもちゃがどんどん誕生しました。

理系の職業につくとそれ以外の職種より給与が33%高い!?という事実も後押しして、都市部に住んでいるリベラル層の親や、娘には異性交友よりも勉強を、と願う保守派の親に支持され、アメリカ国中で大ヒットに。

「女の子が見た目の可愛さではなく技術で人生をサバイブしていく」ことを伝えるおもちゃは同時に「学校にいって訓練すれば先生や弁護士、お医者さんやエンジニア、科学者にだってなれる。なりたい仕事につくために長い時間をかけて訓練し、準備し、計画をたてることもできるんだよ」というメッセージも伝えてくれる存在でもあるのです。

こうしたメッセージは、STEM系高等教育卒者に占める女性の割合は14%と、OECD諸国で最下位の日本にとっても無視できない事実でもあります。(注釈②)

 

 
【注釈】
女の子=ピンク: 欧米で女の子=ピンクが定着するのは第二次世界大戦以後。その後日本にも浸透する。
 
女の子が理系に進学しない問題:世界経済フォーラムが発表した「ジェンダーギャップ指数レポート2015」によれば、日本のSTEM系高等教育卒者に占める女性の割合は14%で、OECD諸国で最下位。また、博士号取得者に占める女性の割合も、OECD諸国で最下位となっている。
これは、ジュニア教育エコノミストの畠山勝太誌いわく「日本の女子学生は、他国の女子学生に比べて大学進学率が低いだけでなく、賃金に結びつきにくい人文系やサービス系の学部を選択しがちであることが、男女の賃金格差に結びついていると分析している。
 

 

あのバービー人形もリアル体型に!

画像: あのバービー人形もリアル体型に!

世界の女子が憧れるバービー人形も「体型がリアルじゃない」、「女の子は容姿がすべてという風潮を助長する」という声から、「背が低い」「ぽっちゃり」「背が高い」といった多様性を反映した商品を発売(2016年)。

アメリカでブームを巻き起こしたピンクやパステルカラーを使った女児向け科学系おもちゃが沢山紹介されている『女の子は本当にピンクが好きなのか』。著者である堀越英美さんが同書を書こうと思ったきっかけは第一子の育児中だったという。

「母乳育児だったんですが、『甘い物や脂っこい物は母乳が詰まる』、『根菜と魚だけの食事にすれば母乳がサラサラになる』、『授乳中にテレビを見てはいけない』といった俗説に振り回されてばかりいました。しかも、当時はSNSをあまりやっていなかったので『それって変だな』と思っても吐露する場もなく、今思うとノイローゼっぽかったかもしれません」

そんな気持ちが塞ぎ込みがちな時に堀越さんを救ったのがピンタレスト(注釈③)でした。

「子どもが寝たあとに夜な夜なスマホでピンタレストを見ていると、そこにはカラフルでおしゃれでウキウキするような海外の育児情報が沢山流れてくるんです。

アメリカやイギリスだとギーク(オタク)なお母さん達でもマインドはパリピなんですよね。見た目はピンクやラメでデコレーションされているけれど、中身は科学実験や工作、女の子向けの組み立ておもちゃなど、そのポップな世界観に魅了されました。」

もうひとつのきっかけは、娘が突如ピンク星人になったことも関係したそう。

「親として子供に何も教えていないのに3歳になる前に突然、ものすごくピンクに執着するようになったんです。

それまではアンパンマンが大好きだったのにある日突然、ピンクやひらひらしたプリンセスに羨望の眼差しを向けるように。しかも自分の娘だけじゃなくて周りのお母さんたちも“娘の急なピンク星人化”に驚いていた。親が与えていないのにピンクを求めるのは同調圧力か、それとも、もしかして本能なの?と疑問が芽生えて、国内外問わず片っ端から文献を調べるようになったんです」

色々と調べていくうちに、男の子と違って女の子はDNAでピンクに惹かれる傾向があると科学的に証明されていることを知ったんです。そして海外では、そうした事実に基き理系女子を育てるため、ピンクでデコレーションされた理系のおもちゃがブームになっているということも知りました。

これはいわゆる“STEM”と呼ばれる、科学・技術・工学・数学の教育分野に特化したおもちゃのブームが起きていることを知る。しかもそれらが女の子向けという事実に興味が沸いたそう。この流れを決定づけたのは2015年に発売されたゴールディーブロックスという商品だったそう。

「幼い女の子が “遊びながら” エンジニアリングを学べるというテーマもですが、その出自も興味深くて。

このおもちゃをプロデュースしたのは、スタンフォード大学で工学を学んだ若い女性。彼女が小さい頃、男の子はレゴやエレクターセットを、女の子は人形やお化粧セットを買い与えられてきた。

女子が工学を苦手とする理由はここにあるのではないかと考えた彼女は、女の子向けのSTEM系のおもちゃを考案し、クラウドファンディング(注釈④)で資金を募り商品化にこぎつけた。

そして1年後には5万セットを販売し、遂には小売大手のトイザらスと全国流通契約を結ぶまで。一人の女性が世の中の流れを変える革命的なおもちゃを生んだという事実。そして、欲しいものが無いなら自分で作っちゃう、その行動力に感動しました」

メジャーメーカーの商品ではないけれど、モノとして面白ければ必ずヒットする。そうした、オルタナティブなものをきちんと応援し、支持する姿勢は公正であることを重んじるアメリカのお国柄なのかも。

ということで、ここからは女児向けSTEM系おもちゃのブームを作った代表的なおもちゃを紹介します。アマゾンで買える商品もあるので、気になったらチェックしてみて!

 
【注釈】 
ピンタレスト:写真が共有できるSNSの一種。ユーザーは興味のあること、趣味などテーマ別の画像コレクションを作成し管理できる。
 
クラウドファウンディング:自らのアイデアをネット上でプレゼンテーションすることで、そのアイデアへの賛同者を集められる仕組み。賛同者が出資してくれた額によって商品化が決まることも。キックスターターは業界最大手。
 

 

《 ポップな知育おもちゃ 》

ゴールディブロックス
ひとつのきっかけとなった女の子向けのSTEMおもちゃ

画像1: ゴールディブロックス ひとつのきっかけとなった女の子向けのSTEMおもちゃ

主人公である女の子の発明家、ゴールディー・ブロックスが冒険に出かけ、「マシン」を作って問題を解決するという組み立て玩具。

画像2: ゴールディブロックス ひとつのきっかけとなった女の子向けのSTEMおもちゃ

付属の絵本のストーリーにあわせて、子ども自身がペグボードの上にリボンやブロック、スピナーを配置し、装置を動かす仕組み!

画像: Original Goldie Blox Commercial www.youtube.com

Original Goldie Blox Commercial

www.youtube.com

冒頭、テレビの前に座っている女の子達はみな退屈そう。テレビの中ではピンクを身につけた女子たちがくねくねと踊っている。「こんなのばっか、もう、つまんない!」と憤慨した女の子達が道具を手に立ち上がると、世界は楽しく変わっていく。

 

歌詞にも注目!

皿を洗う女の子、俺の部屋を掃除する女の子、洗濯する女の子、俺たちが女の子に本当にもとめていることはそれだけ

という性差別的なニュアンスのあるビースティー・ボーイズの曲を、

今こそ変わるとき。女の子も広い選択肢を知る権利がある。女の子用のおもちゃはみんな同じに見えるけど女の子だって頭を使いたい私たちはプリンセスのメイドなんかじゃない

というガールズパワー賛歌に書き換えた歌詞も最高にいけてます!

 

ルーミネイト
電子工学などを遊びながら学んで理想の家づくりができちゃう!

画像1: ルーミネイト 電子工学などを遊びながら学んで理想の家づくりができちゃう!

プラスチック製のパステルカラーのパネルを組み合わせて理想のドールハウスを組み立てられるキット、ルーミネイトキットには電池、ケーブル、モーター、ライトなどが付属されていてこれらを配線することで部屋の灯りをともしたり、扇風機を回したり、エレベーターを動かしたりといった電子工作が可能に!

ベッドや家具を組み立て、壁紙や絨毯をコーディネイトして理想の家を作ると同時に、電子工学の初歩に触れられる商品です。こちらもクラウドファウンディングで商品化。

画像2: ルーミネイト 電子工学などを遊びながら学んで理想の家づくりができちゃう!
画像: Roominate Luxury Townhouse with rPower! - Electrical wired dollhouse Build Play Review - Kids Toys www.youtube.com

Roominate Luxury Townhouse with rPower! - Electrical wired dollhouse Build Play Review - Kids Toys

www.youtube.com

ルーミネイトの発案者も理系出身。自身が大学に入学した際、クラスに女の子が数人しかいなかったことにショックを受けたことがきっかけで商品化に至ったそう。

ルーミネイトには「遊ぶことを通して建築家やアーティスト、エンジニアなどの職業に興味を持ってもらいたい」という思いが込められています。インディペンデントながらその仕組みや見た目の可愛さですぐさまヒットし、『TIME誌』が選ぶ2014年度の玩具1位にもなっています。

 

プロジェクトMC²
女の子たちに “賢いことはおしゃれでかっこいい”
と教えてくれたおもちゃ

画像1: プロジェクトMC² 女の子たちに “賢いことはおしゃれでかっこいい” と教えてくれたおもちゃ

「Smart is the New Cool(賢いことはおしゃれでかっこいい)」をキャッチコピーに掲げ、STEM要素を取り入れた4種のファッションドールと、それぞれ実際に使えるサイエンスグッズを付属した人気商品。

画像2: プロジェクトMC² 女の子たちに “賢いことはおしゃれでかっこいい” と教えてくれたおもちゃ

実験キットは、香水作りキットや、リップバームが作れるキットなどのコスメ系から、重曹と酢と液体ソープを流し込むことで噴火させることができる火山や、トニックウォーターを入れて振ると光るスティックネックレスなど、大人でも楽しめるものばかり。

 

netflixオリジナル作品として
現在6パートが放送中

画像1: netflixオリジナル作品として 現在6パートが放送中

科学知識を武器に、スパイチーム「NOV8(イノヴェイト)」の一員として悪と戦う理系女子高生スパイ4人組の活躍を描く……料理化学者アドリ、天才ハッカーのブライ、電子工学マニアのキャムなど4人のキャラクターも魅力的!

画像2: netflixオリジナル作品として 現在6パートが放送中

ドラマの内容は、パステルピンクのワンピースを着た少女が化学の力で指紋を採取したりと、可愛い女の子たちが楽しく科学実験や電子工学で遊んでいるシーンが多く自然とSTEMに親しみがもてるようになっている。テーマを “ギーク・シック(おしゃれなオタク) としている点も新しい!

 

“女の子はバカで可愛い方がいい “
なんて嘘。賢く、自分の足で生きる。

『女の子は本当にピンクが好きなのか』

画像: 『女の子は本当にピンクが好きなのか』

著者/堀越英美 発行元/株式会社Pヴァイン

強制したわけでもないのに娘がピンク大好きになってしまった。経験を持つ著者が、「女子とピンク」の切っても切れない関係性についてあらゆる角度から分析をした1冊。

ピンク=女の子の色として認知されるようになったその歴史から、女の子がピンクに夢中になる背景、そして大学の理系学部に進む人数が男の子に比べ女の子が圧倒的に少ない理由……。“ピンク” をテーマに、私達の心の奥底に根付く、常識(だと思いこんでいること)や独断と偏見をひとつひとつ読み解く、ピンクの取扱説明書。

「女の子はお勉強はほどほどでいい」、「男の子がかわいいもの好きなんてみっともない」といった誰しもが1度は言われたことがある “呪い” も解いてくれるはず。世間で言われる「男の子らしさ」「女の子らしさ」に息苦しさを感じるすべての人に読んでほしい名著!
 

Adviser:hidemi Horikoshi Composition:Shiho Kodama

 

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