T.M.P.の創業の背景には一つのエピソードがあります。
前社長筒井宣政・陽子夫妻の次女・佳美(よしみ)さんは、先天性の心臓疾患でした。なんとしてでも助けたいと全国の有名病院をまわるも、9歳の時に「現代の医学では手術は不可能」との最終診断を宣告されてしまいます。それでもあきらめきれず海外での治療に望みを託しますが、結局はアメリカでの手術も無理だとわかります。
娘の手術のために貯めていた費用、当初は心臓病を研究している機関に寄付を考えましたが、主治医に相談したところ「人工心臓の研究をしてみたらいかがですか」と意外なアドバイスを受けることになります。確かに人工心臓があれば娘を助けられるかもしれないが素人にできるのだろうかという不安はありました。
それでも「10年も研究を重ねれば理想的な人工心臓ができるかもしれない、もしできなくても、医療の発展に貢献ができるかもしれない。そういうことにお金を使い切ればご両親は満足いくのではないか」という主治医の言葉に医療の世界に踏み込むことを決意します。