可愛い可愛い。
どうも。
梓みちよさんと田辺靖雄さんに今日はおいでいただきました。
ありがとうございました。
４３年目突入です。
（片桐八重子）私ねお嫁にいくんだ。
誰と？知らねえ人。
えっ…？親戚の人の知り合いらしいんだけど満州でお役人やってる人で結婚したらうちの借金肩代わりしてくれるって。
お母さん…？お父さん…！雄さん…よく頑張ったわ。
（嗚咽）
（八重子）コーちゃんにちゃんと顔見てさよなら言いてかったから。
やだ！そんなのやだ！お嫁になんかいく事ないよ！どうしてどうして…どうしていっつも八重ちゃんばっかりそんな目に遭わなきゃいけないのよ！しょうがねえよ。
きっとそういうふうに生まれてきちゃったんだね。
そんな事ない…そんな事ないよ！そんなの駄目だよ！駄目だよ！
（泣き声）駄目…！行かないで！
（泣き声）コーちゃん。
泣かねえで。
でも私のために泣いてくれてありがとう。
八重ちゃん…。
私ね満州の一番大きな街に行くの。
家も大きくて女中さんもいるんだって。
ほら私ずっと貧乏らったから本当はちょっと楽しみなんだ。
もしかしたら弟たちも向こうの大学へ呼んであげられっかもしんない。
写真も見た事ねえ人が旦那さんになるのはちょっとは不安だけどでもきっといい人らと思う。
嫌だ嫌だって思ってたら幸せになれねえ気がすんだ。
コーちゃんだって新潟から一人で宝塚来て頑張って頑張って…。
それでこんなにキラキラしてんだなって思ったから。
だから私も頑張ろうって。
汽車だって初めてらったけどちゃんと一人で来れたしね。
歌劇も紅茶も初めての事ちゃんと楽しめたし。
だから大丈夫！本当？本当に大丈夫？うん。
八重ちゃん…泣いていいんだよ。
（泣き声）嫌だよ！嫌だ！知らねえ人と結婚なんかしたくねえよ！
中国大陸東北部に満州国を設立してから大日本帝国政府はその間多くの人々を開拓団として満州の地に送り込んできました
その中心となったのは貧しい農村の食べていく事の出来ない次男や三男たちでした
そして彼らのために結婚相手となる若い女性たちも送り込まれ彼女たちは「大陸の花嫁」と呼ばれました
彼女もまた一人の大陸の花嫁としてその後過酷な運命に巻き込まれる事になるのでした
ごめんね神戸まで送れなくて。
（八重子）ううん。
稽古頑張れて。
うん。
いつかコーちゃんの舞台見られっといいな。
見られるよ！いつかきっと見に来られるよ。
うん。
あっ！あっ！あのコスモス畑も満開になったかな。
きっとなってるて。
（２人）フフフ…。
きれい！
（八重子）コスモスらよ。
海みたい！八重ちゃん！
（八重子）コーちゃん！ありがとう。
もうここでいいよ。
駅まで行くよ。
ううん。
コスモスの前がいい。
そしたらまたあのコスモス畑で会える気がするがね。
コーちゃん元気でね。
うん。
八重ちゃんもね。
うん。
またね。
またね。
コーちゃん。
勇気出してあの学生さんにちゃんと言いなね。
好き！って。
フフッ…。
フフフ…。
それは素敵なとっても大切な事らから。
うん。
小さな花が２人の別れを見守っていました
いつかまた会えますようにと祈りながら…
そしてここにもまた別れがありました
町内会の人たち半時間後ぐらいに来てくれるって。
そう…。
じゃあ今のうちだわね。
えっ？時ちゃんちょっと目つむっててくれる？なんで？親のキスなんか見たかないでしょ？ほら早く。
大好きよ。
さようなら。
よかったねお父さん。
やだ！見てたの？ごちそうさまでした。
もう…。
私は嬉しかったわよ。
ああこんなに仲のいい夫婦の間に生まれてきたんだな…。
よかったなって…。
時ちゃんもいつかそういう人と出会えるといいわね。
うん。
ありがとうございました。
本当にご愁傷さまでした。
ありがとうございます。
（女性）気を落とさないようにね。
あら！時子ちゃんがそんな事しなくていいわよ。
そうよ。
お父さんのそばにいてあげないと。
大丈夫です。
これだけ…。
時子ちゃんお仕事の方見えたわよ。
はい。
ありがとうございます。

（秋子）ありがとうございます。
（平山文章）ご愁傷さまです。
娘がお世話になっております。
（平山）仕事のほうは大丈夫だからしっかり見送ってあげなさい。
ありがとうございます。
よろしかったらあちらで…。
すみません。
このあとちょっとあるものですから。
あっいやいや…いいいい。
（鈴の音）
（読経）
雄三は長く患っていた上に親族との付き合いも少なかったため弔問客は決して多くはありませんでしたが宝塚歌劇団の彼女たちの隠し切れない華やかさのおかげで弔いの時間は寂しすぎる事なく過ぎて行きました
ああ…終わったわね…。
うん…。
時ちゃん。
はい。
これからは２人力を合わせて生きていきましょう。
はい。
時ちゃん一人を働かせてしまって悪いとは思うんだけど今後ともどうぞよろしくお願い致します。
ちょっと…やめてよお母さん。
別に卑屈になってるわけじゃないわよ。
素直な気持ち。
ありがたいなって思うし本当に頼りにしてるんだもの。
わかりました。
ではしっかりと働いて稼ぎますのでこれからもおいしいご飯よろしくお願いします。
はい。
フフッ…。
フッ…。
あっ…。
でもあの…平山さん？うん。
ちょっと怖い顔してたけど…。
まさか時ちゃんいじめられたりしてないわよね？ないわよ。
それ言ったら森さんのほうが…。
あっ。
どうしたの？忘れてた…。
（森継男）これだから女は困るんだよ。
ニッコリ笑って謝ればなんでも済むと思って！甘えてんじゃないよ！はあ…そんなに楽がしたきゃなさっさと結婚でもすりゃいいんだ！ちょっと言いすぎなんじゃないでしょうか。
はあ？大体森さんはいつでも何かっていうと「これだから女は」とか「女のくせに」とか「女は得だよな」とか言うけど女だとか男だとか言う前にみんな一人の人間なんですよ！それに女は楽するために結婚するわけじゃないし。
私もこの仕事腰かけでやってるわけじゃありません！みんな真剣に生きてるんです！頑張ってるんです！それを勝手にグチグチ言ってんじゃないわよ！このあほんだら！！時ちゃん？あのあと電話があってすぐ飛び出して…。
あっ！私あんな事言いっ放しで…。
時ちゃんどうしたの？どうしようお母さん…。
だからどうしたの？私…。
父の事で森との口論…というか一方的に文句を並べ立てた事をすっかり忘れていた時子でした
クビになるかもしれない…。
（足音）
（加治信子）ハア…ちょっとちょっと！
（信子）ねえ聞いた？お時さんの事。
えっどうしたの？
（旭爪明子）森ちゃんと大変だったんだって。
何が！？お時さん！あっおはよう。
あの父の葬儀では…。
本当に殴っちゃったの？森ちゃんの事。
えっ？ものすごい喧嘩だったんだって？でも暴力はちょっとまずかったんじゃない？いや…なんの話？だからお時の乱よお時の乱！建物中に響くくらい大きな声出してお時さんが暴れたって！いやそれはな…何かの間違いで…。
（明子）あっ森ちゃん…。
えっ！えっ！
噂とは恐ろしいものでとんだ尾ひれがついて時子を襲ってきたのでした
《なんで？なんで！？》《ええーっ！》生きるって大変だなって…。
2018/01/31(水) 12:30〜12:50
ＡＢＣテレビ１
越路吹雪物語　＃１８[解][字]

名曲「愛の讃歌」を世に送り出した戦後の大スター・越路吹雪と作詞家で越路吹雪の生涯のマネージャー・岩谷時子。昭和の時代を背景に偉大な２人の友情と波乱の人生を描く。

詳細情報
◇番組内容
新潟時代の親友・片桐八重子（市川由衣）が突然、宝塚の美保子（瀧本美織）のもとを訪ねてきた。その夜、八重子から思いがけない報告を聞き…!?一方、時子（木南晴夏）は、危篤に陥った父・雄三（佐戸井けん太）のかたわらで、母・秋子（原日出子）と共に寄り添っていた…。初恋の相手“帝大さん”こと福本亮一（町井祥真）に会いたい一心で、美保子は今日も喫茶店へ。すると、お目当ての帝大さんが入って来た！
◇出演者
瀧本美織、木南晴夏
市川由衣、原日出子、佐戸井けん太
咲妃みゆ、早織、中川知香、音月桂
飯田基祐、崎本大海
◇ナレーション
真矢ミキ
◇脚本
龍居由佳里
◇演出
今井和久（ＭＭＪ）
◇主題歌
大地真央『ラストダンスは私に』（ユニバーサル ミュージック）
◇スタッフ
【チーフプロデューサー】五十嵐文郎（テレビ朝日）
【プロデューサー】藤本一彦（テレビ朝日）、布施等（ＭＭＪ）
◇おしらせ
☆番組ＨＰ
　http://www.tv-asahi.co.jp/koshiji/

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字（字幕）

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
映像
音声 : 2/0モード（ステレオ）
日本語
サンプリングレート : 48kHz
2/0モード（ステレオ）
日本語（解説）
サンプリングレート : 48kHz

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