太陽光を浴びないと“うつ病”に!日光浴の驚くべき8つの効果とは?
2018/01/31
パソコンが普及してデスクワークの仕事が増えたことから、太陽光を浴びる機会が減ってきました。特に、女性は美白を求めて、外出するときに日焼け止めクリームを塗ったりしますよね。
子供たちも家でゲームをすることが多いので、外で遊ぶことが少なくなっているでしょう。
紫外線は有害なものだと思われがちですが、人間の健康を保つために欠かすことができないものです。
最近の研究では、太陽光の紫外線を浴びなければ、うつ病のリスクが増大することが分かっています。
その他にも、色々な健康被害を及ぼすことが分かっているので、意識的に太陽の光を浴びるようにしてください。
ここでは、日光浴の効果について紹介をしていきます。
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紫外線はビタミンDの生成に不可欠!
紫外線は、肌荒れやシミなどの原因になるというイメージから、毛嫌いしている人が多いですよね。しかし、紫外線といっても、A波・B波・C波の3つの種類があります。
- A波
- 地上に届く紫外線の大部分。基本的に、体に害を与えることは少ない。。日焼けマシーンもA波を使っている。
- B波
- 地上に届く紫外線に、0.8%ほど含まれている。皮膚から吸収することで、体内でビタミンDを生成します。浴びすぎるとシミ・そばかすの原因になる。
- C波
- オゾン層で遮断されるので、地上に届くことは無い。ただ、オゾン層の破壊によって、地上に届いているという説もある。紫外線の中で最も有害な波長。
上記のように、紫外線B波を浴びることで、体内でビタミンDを生成することができます。日焼けマシーンは紫外線A波ですから、自然の太陽光を浴びないといけません。
ビタミンDは、小腸でのカルシウムの吸収をサポートして、尿と一緒に排出されるのを防ぐ働きがあります。カルシウムは吸収されにくい栄養素だと言われており、ビタミンDのサポートが不可欠です。
また、ビタミンDの数値が正常であれば、高血圧や糖尿病、がんの予防にもつながるという研究もあります。健康的な生活を送るためには、ビタミンDが非常に重要だということが分かりますよね。
現代人は紫外線を避ける傾向にありますから、意識的に日光浴を行ってビタミンDを生成できるようにしましょう。特に、冬場は日照時間が短いですし、寒くて外出を避ける傾向にあるので注意が必要です。
日光浴から得られる8つの効果とは?
日光浴でビタミンDが生成されることは説明しましたが、それによって得られる効果は非常に多いです。この効果を知っていれば、日光浴の重要性が理解できると思います。
骨を健康的な状態に保つ
先述した通り、ビタミンDによってカルシウムの吸収を高めることができます。そして、骨の新陳代謝を活発にする効果もあるので、骨や歯を健康的な状態にすることができるわけです。
現代人はカルシウム不足なので、骨粗しょう症が増えています。骨がスカスカになると、ちょっとしたことで骨折をしてしまうでしょう。特に、年を取ってからだと、骨が丈夫であるということは大切です。
筋肉の衰えを防ぐ
日光浴をしてビタミンDが生成されると、筋肉や神経細胞が活性化されます。筋肉中にビタミンDが取り込まれることで、タンパク質の合成を促進するので筋肉が強化されるということです。
なので、ボディビルダーやアスリートなどは、積極的に太陽の光を浴びた方が良いでしょう。年とともに筋肉も落ちてしまうので、体の老化を感じている人も日光浴を行う必要があります。
免疫力を高める
ビタミンDには免疫力を高める作用もあるので、風邪やインフルエンザにかかりにくくなります。
慈恵会医科大学の研究によると、夏から秋にかけて日光浴をしておけば冬のインフルエンザの発症率が半分に減ったというデータがあるようです。
免疫作用によってウイルスの侵入を防げますから、あらゆる病気になりにくい体になることができるでしょう。
高血圧や糖尿病、心臓疾患のリスクを減らす
ビタミンDが不足している人は、高血圧や糖尿病、心臓疾患のリスクが高くなってしまいます。
厚生労働省は、2010年2月に「ビタミンDが糖尿病を予防する」と発表しました。世界中でも同様の論文が発表されているので、かなり信ぴょう性が高い情報だといえますね。
ある研究によると、日光浴をすることで血圧を下げる効果もあるようです。紫外線を浴びることで皮膚細胞から一酸化窒素が放出されて、これが血管を拡張させて血圧を下げてくれます。
なので、心臓病や脳卒中のリスクを下げることができ、生活習慣病の予防になりますね。
がんの予防
紫外線を浴びてビタミンDを大量に合成している人は、大腸ガンや乳ガン、肺ガンなど、あらゆるガンになりにくいとされています。発症率としては、20~80%も低下するようです。
これは、日照時間の少ない地域ほど、ガンの患者が多いというデータからも明らかです。日頃から太陽光を適度に浴びていることで、ガンにかかる可能性を大幅に下げることができるでしょう。
長生きすることができる
体内のビタミンDの量が多いほど、死亡リスクが低くなるという研究結果があります。65歳以上の人に限っては、死亡リスクが半減しています。
あらゆる原因での死亡率が下がっているので、ビタミンDには長寿効果があるといえるでしょう。
これは、高血圧や糖尿病、がんの予防など、色々な効果が重なって得られた結果だと思います。ビタミンDによって病気になりにくくなった結果、死亡率が下がっているということですね。
病気知らずでいるためには、日光浴を日課にすることが大切です。
新陳代謝のアップ
太陽光には、紫外線だけでなく赤外線も含まれています。赤外線は身体を温める効果があり、血行を良くして体を温めてくれます。なので、全身の臓器が活発に動くようになって、代謝が上がるというわけですね。
内臓が活発になると老廃物が溜まりにくくなるので、便秘の解消や美肌効果なども期待できます。細胞が新しく生まれ変わりますから、若々しくて健康的な体になることができるでしょう。
ダイエット効果
紫外線によって生成された活性型ビタミンDは、脂肪を燃焼させやすくする効果もあります。
だから、皮下脂肪を減らすことができ、ダイエットに繋がるというわけですね。運動の効果を高めてくれますから、毎朝ジョギングなどをすると痩せやすいと思います。
日光浴をすることで“うつ病”の予防にもなる
朝起きて太陽の光を浴びると、脳内でセロトニンという物質が分泌されます。
セロトニンは寝起きの体を覚醒させて、活動的な状態にするために欠かすことができません。気持ちを明るい状態にしてくれて、元気良く活動できるようにしてくれるわけです。
別名「幸せホルモン」と呼ばれているほどで、溜まったストレスを解消させてくれて、気持ちの落ち込みなども改善することができます。
うつ病の人は、このセロトニンの分泌が不足しているようです。だから、気持ちが下がってしまって、落ち込んでしまうということですね。そのため、うつ病の治療などでも太陽光を浴びることは推奨されているくらいです。
また、高齢者の認知症を防ぐ効果も、注目されていますね。65歳以上の高齢者では、ビタミンDの量が少なくなると脳の認知機能に障害がみられることが分かっています。脳機能を向上させるためにも、日光浴は大切な要素だといえるでしょう。
このように、太陽光を浴びることで、脳機能や感情を正常化させることができるようになります。気分が落ち込みがちな人や頭が回りにくい人は、日光浴を取り入れることがおススメです。
紫外線を浴びないことによるデメリット
骨や歯がもろくなる
ビタミンDが、カルシウムの吸収を助けることは説明しましたよね。紫外線B波を浴びることで体内でビタミンDが生成されるので、日光浴をしないことでカルシウムの吸収率が下がることになります。
なので、骨や歯に栄養が届かなくなり、もろくなってしまうということです。若いころは気にならないかもしれませんが、年を取るごとに影響が出てくるでしょう。
イライラしやすくなる
カルシウムには、神経の感受性を抑える働きもあります。なので、紫外線を浴びないことでカルシウムの吸収が少なくなると、神経が過敏になってイライラしやすくなる可能性があるでしょう。
また、イライラすることで副腎皮質ホルモンが分泌されて、カルシウムが尿と一緒に排出されやすくなります。すると、さらにカルシウムが不足するという悪循環になりますね。
不妊症
カルシウムは、神経伝達物質を出すために必要な栄養素です。これは、受精卵の成長に影響を及ぼします。なので、日光浴によってビタミンDを生成し、カルシウムの吸収を高めなくてはいけません。
また、紫外線を浴びないとセロトニンの分泌も減ってしまうので、ストレスによる影響を強く受けてしまいます。妊娠に必要な黄体ホルモンや卵胞ホルモンは、ストレスに非常に弱いです。
だから、太陽の光を避けていては、不妊症になりやすいといえるでしょう。
情緒不安定になる
太陽光を浴びない生活をしていると、セロトニンが分泌されにくくなります。すると、脳内でセロトニンが少なくなることで、気持ちが下がりやすくなり感情のコントロールが難しくなるでしょう。
精神的なストレスが増えますから、うつ病にかかるリスクも高くなってしまいます。部屋に引きこもる人は精神的に病みやすいですが、外に出て太陽光を浴びないことによる影響もあるかもしれません。
不眠症
1日は24時間ですが、人間の体内時計は25時間前後だと言われています。そのため、体内時計を調節しないと、時間の感覚がズレてしまうわけですね。
体内時計の調節のためには、朝起きて太陽の光を浴びなくてはいけません。
起きてすぐに太陽の光を浴びることで、メラトニンの分泌がストップして目が覚めるようになっています。そして、それから13~15時間後に再びメラトニンが分泌され始め、眠気がやってくるようになっているわけです。
なので、太陽の光を浴びなければ、睡眠のサイクルが崩れることになります。夜になっても眠れなくなり、不眠症になってしまうでしょう。
日光浴は15分を目安に行う
効果的な日光浴の方法としては、1日に15分間を週に3~4日で十分だとされています。肌の3~4割を露出して、日焼け止めクリームなどを塗らずに太陽の光を浴びるようにしてください。
1日に必要なビタミンDは、5.5μgとなります。食事からもある程度は摂取できるので、日光浴は週に3~4日で良いわけですね。
会社や学校の昼休みに外を散歩するだけで良いので、手軽に行えると思います。肌を露出しないといけませんから、腕まくりなどをして出来るだけ多くの肌を出すようにしてください。
ただ、地域の日照時間によって、生成できるビタミンDの量が異なるので注意が必要です。仮に、日光浴だけでビタミンDを5.5μg生成しようとすると、地域によって大きな差が出てきます。
両手・顔を晴天日の太陽光に露出したと仮定した場合、紫外線の弱い冬の12月の正午では、那覇で8分、つくばでは22分の日光浴で必要量のビタミンDを生成することができるものの、緯度の高い札幌では、つくばの3倍以上の76分日光浴をしないと必要量のビタミンDを生成しないことが判りました。
引用:国立環境研究所
住んでいる地域によって紫外線量が異なりますから、日光浴は毎日行った方が良いかもしれません。
過剰に紫外線を浴びると肌のシミの原因となりますが、15~20分程度なら問題は無いはずです。だから、積極的に日光浴を行うようにしましょう。
シミ予防のために肌に良い食材を食べる
短時間の紫外線なら影響がないと言いつつも、女性にとっては非常に抵抗があると思います。最近は、美白ブームですから、日焼けやシミは絶対に避けたいと考える人もいるでしょう。
そういった場合には、肌に良い食材を食べるようにして、ターンオーバー活発にしておいてください。肌の新陳代謝が良くなれば、紫外線に負けることはありません。
ナッツ類
アーモンドやクルミ、ピスタチオなどのナッツ類は、ビタミンEが豊富に含まれています。ビタミンEには抗酸化作用があるので、細胞の酸化を防いで肌を若々しい状態に保つことができるわけです。
また、食物繊維が豊富なので、便通を良くして老廃物を排泄する働きもありますね。デトックス効果によって、肌の健康状態を保つことができるでしょう。
大豆製品
大豆にはリノール酸が含まれているので、肌の保湿やアンチエイジング効果が期待できます。
また、大豆イソフラボンは、エストロゲンと似た働きをするために、非常に肌に良いとされていますね。
なので、豆腐や納豆、豆乳などを、積極的に食べるようにして下さい。
果物や野菜
果物や野菜を食べると、カロテノイドを摂取することができます。
カロテノイドとは、アスタキサンチンやリコピン・βカロチンやカプサイシン・ルチンなどを含む天然色素の一種です。抗酸化作用が強いので、肌の老化を招く活性酸素を除去することができます。
他にも、ポリフェノールやビタミン類なども摂取できるので、肌にとって非常にいい食材だといえるでしょう。
以上、日光浴の健康効果について解説をしました。
適度に太陽光を浴びることで、体の健康を維持することができます。紫外線を避け続けていると、気持ちが滅入ってしまって精神的に暗くなってしまいます。なので、明るい気持ちになるために、太陽の光を浴びるようにしましょう。
photo credit: Am_Light&Leaves|StLouis380|Heaven on earth