1. 副業で確定申告が必要な金額は? 副業の確定申告を基礎から解説【2018年最新版】

副業で確定申告が必要な金額は? 副業の確定申告を基礎から解説【2018年最新版】

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 “副業”という考えが世間に浸透した現代において、副業はポジティブなイメージで語られることが多い。

 副業には、お金を稼ぎながらスキルを磨けるというメリットもあるが、一方で、面倒な「確定申告」が副業には付き物である。

 もし確定申告をしなければ、必要以上に税金が課される可能性があるのだ。

 そこで今回は、ビジネスパーソンが知っておくべき確定申告が必要になる人や金額、条件、確定申告の手順について紹介したい。

 仮想通貨などで副収入があるビジネスパーソンも、確定申告の基礎知識をチェックしておこう。

目次
+ + 「副業」とは? 自分の副収入は確定申告すべきなの?
+ + そもそも「確定申告」とは?
+ + サラリーマンも確定申告する必要がある! 確定申告が必要な副業の所得金額
+ + 現代人が知っておくべき:「フリマアプリ」による所得に関する確定申告の知識
+ + 副業する人が確定申告で注意したいこと
+ + 副業をしている人は必見!2018年「確定申告」に関する2つのトピック

「副業」とは? 自分の副収入は確定申告すべきなの?

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 副業をしているビジネスパーソンの中には「そもそも副業って何?自分のしていることは副業ではないから、確定申告をする必要はないのでは?」と疑問を抱いている人もいるのではないだろうか。

 副業と確定申告の話をする前に、まずは「副業とは何か」ということを定義づけておきたい。

そもそも「副業」とは?

 一般的に、副業とは「本業とは異なる仕事を、本業と同時に掛け持ちしている形態」のことである。

 サラリーマンなどの本業の給料以外に収入が発生するものは全て「副業」という扱いになるのだ。

確定申告などに関わる「税法」において「副業」という所得区分はない

 しかし、租税の割当や取り立てに関する「税法」においては「副業」という所得区分はない。

 つまり、法律の上で「副業」には明確な定義がないのだ。

 副業の種類や得た収入の性質によって、所得区分(雑所得、不動産所得など)が異なるのみである。

 確定申告の際に記入したり、記入時に用いる税金の算式や税率も変わってきたりするため、自分の副業収入がどの区分にあたるのかをチェックしておこう。 

【副業の種類別】4つの所得区分

  • 給与所得:本業とは別に行っているアルバイトなど
  • 譲渡所得・配当所得:株取引など
  • 雑所得:執筆活動やモデル出演、FX取引、ネットでの副業など
  • 不動産所得:大家としての家賃収入など

 上記は全て「所得」となり、以下に述べる確定申告が必要な副業の所得金額に含まれるものだ。

 副収入を得ているものがあれば、「副業」として認識しておいて間違いはないだろう。

そもそも「確定申告」とは?

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 先の説明で、本業以外で副収入があるものは「副業」である、ということがわかっただろう。

 「副業とは何か」ということを理解したら、次は「確定申告」について説明しておきたい。

 確定申告をする意味や必要性を認識しておくことで、面倒な手続きの重要度がわかるはずだ。

確定申告:「1年間の所得(儲け)」を申告書にまとめて税金を納める手続き

 日本社会では、「年間の所得額(どれくらい儲けたか?)」を税務署に報告する義務がある

 その義務は会社員だけではなく、「勤労の義務」「納税の義務」がある全国民に課せられるものだ。

 つまり、確定申告とは、国民の義務を果たすために税務署に「年間の所得」を報告する手続きということになる。

確定申告で税務署に提出する「所得」とは?

  • 所得=年間の収入−(収入を得るために使った)経費

「副業くらいではバレない」と思っている人は要注意! 確定申告を怠ると「最大40%」の税金加算も

 「国民の義務」を全うするための確定申告。

 うっかり確定申告するのを忘れていたり、意図的に申告しなかったりすると「無申告加算税」が課されてしまうため、注意が必要だ。

 無申告加算税では、本来納めるべき税額に加えて「最大20%」の税金が加算されてしまう。

 もしも確定申告をしなかった理由などが極めて悪質である、と税務署に判断された場合には「最大40%」加算されるケースもあるそうだ。

 また、「期日を忘れていた」という場合でも、申告期限の翌日から延滞した日数に応じて「延滞税」が追加されてしまう。

 余分な税金を払うような事態を避けるためにも、確定申告を他人事だとは思わずに、記事を読んで確定申告の必要有無を確認しておいてほしい。

サラリーマンも確定申告する必要がある! 確定申告が必要な副業の所得金額

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 はじめに断っておくと、株やビットコイン、アルバイトなどの副業もせず、本業以外での所得が一切ないサラリーマンは確定申告をする必要はない。

 給与明細を見ればわかるように、会社から毎月給与が支払われるサラリーマンは、毎月の給料から税金が天引きされている。

 税金分として天引きされたお金は、会社が代わりに税務署に納めてくれているのだ。

 しかし、フリーランスなどの個人事業主は代わりに税金を納める人がいないため、自分で納税を行う必要がある。それが「確定申告」なのだ。

 社会の性質上、「納税」「確定申告」といった意識が欠けがちなサラリーマンだが、副収入がある場合に納税をするのは「自分の義務」になることを忘れないでほしい。

確定申告が必要なサラリーマンとは? 副業をしている人は「所得」に注意

 しかし、副業をしている全てのサラリーマンが確定申告をする必要があるわけではない。

 本業がある場合、副業での所得が年間20万円を超えるときに確定申告をする必要がある。

 ここで注意したい点は、確定申告の対象は「収入」ではなく「所得」ということだ。

 先も述べたように、所得とは「収入から経費を引いた額」のことである。

 この所得額が「1年間に20万円以上となる場合」に確定申告が必要になるのだ。

副業する人が確定申告時に必要な知識「収入・経費・所得」

  • 収入:企業から支払われる給与のこと。副業の確定申告を考える場合は、1年間に本業以外で稼いだ金額
  • 経費:副業を行う上で、必要な支出。クラウドソーシングで副業を行った場合は、副業に使用した電気代の一部やPC本体の購入費の一部を経費に計上できる
  • 所得:「収入-経費」で計算した金額。本業がある人は、副業によるこの金額が年間で20万円を超えた場合に確定申告の対象となる

副業している人が確定申告で「所得額の計算」をする際に注意すべきこと

 また、確定申告が必要になるのは、所得が年間20万円以上のときと記述したが、これはその年内に確定した副業の所得の総額を意味している。

 たとえ支払いが翌年でも、金額が確定している収入は年内に副業の所得として確定申告しなければならないことに注意してほしい。

副業で「給与所得」を得ているサラリーマンは確定申告が必須!

 最も注意が必要な「必ず確定申告をしなければならない副業」について触れておこう。

 副業としてアルバイトや別会社での有給インターンを行っている場合、それらで得た所得の区分は「給与所得」となる。

 給与所得の場合、たとえ年間20万円未満の所得であっても確定申告が必須となるのだ。

 本業とは別のところで給与所得のある人は、必ず確定申告を行うように注意してほしい。


現代人が知っておくべき:「フリマアプリ」による所得に関する確定申告の知識

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 Webサービスが充実している現代において、洋服や使わなくなったインテリア、聴かなくなったCDなどを「メルカリ」「ヤフオク」といったサービスを利用して販売する人もいるだろう。

 そんな現代人は、「フリマアプリ」による所得に関する確定申告の知識を頭に入れておく必要がある。

 「メルカリ」に代表されるフリマアプリで所得が発生した場合、サラリーマンなどの本業がある人は確定申告をすべきなのだろうか?

「メルカリ」「ヤフオク」で20万円以上の所得があるサラリーマンは確定申告する?しない?

 実は、フリマサービスなどで販売される多くのアイテムは「生活用動産」に区分され、非課税となる。

 生活用動産を販売して年間20万円の所得が発生しても、販売したものが非課税であるため、確定申告をする必要がないのだ。

確定申告の対象外! 非課税対象の「生活用動産」とは

  • 生活する上で必要な「家具・じゅう器・衣服・器具」。新品、未使用、中古などの使用状態は問わない
  • (例)洋服、テレビ、家電製品、ソファ、インテリア、食器棚
  • (例外)1つ、1組の金額が「30万円」を超える貴金属、宝石、絵画、骨董品など

 ここまでの説明を受け、「じゃあ、安く仕入れた生活用動産を販売して儲ければ、確定申告不要なの?」と思う人もいるかもしれない。

 しかし、客観的に売買の流れを見て「営利目的の生活用動産の売買」と判断されれば、所得が年間20万円を超過した際には確定申告をする必要がある

 課税対象となるのは、いわゆる「せどり」「転売」といった行為だ。こういった行為の場合、所得区分は「譲渡所得」ではなく「雑所得or事業所得」となるので注意しておこう。

 営利目的の生活用動産の売買であるかどうかを判断する明確な基準や法律などはないが、定期的な取引などが見受けられれば“営利目的”と判断されてもおかしくはない。

「生活用動産」以外を販売したら? 譲渡所得は「50万円以上」で確定申告をする

 もしも、サラリーマンなどの本業がある人が、転売などを目的とせずに貴金属などを販売し、譲渡所得が20万円を超えてしまっても確定申告をする必要はない。

 譲渡所得には「50万円の特別控除」があるのだ。

 例えば、1つあたりの値段が40万円を超えるブランド物の貴金属をフリマで販売しても、所得は50万円以下であるため、確定申告をする必要がない。

確定申告の有無が気になるフリマアプリユーザーは要チェック!「譲渡所得の計算方法」

  • 譲渡所得額=譲渡価額−[取得費(購入代金、改良費など)+譲渡費用(送料、仲介手数料など)]−50万円

副業する人が確定申告で注意したいこと

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副業の際にかかった費用を「経費」にするには確定申告時に「領収書」が必須

 経費とは、その副業を行う際に使った金額のことだ。

 たとえば、副業のみに使用するソフトウェアや参考資料はすべて経費として確定申告ができる。

 注意してほしいのは、デジカメやiPadなど、プライベートでも使用することが可能なものだ。

 あくまでも副業で使う割合の金額のみが経費となるため、確定申告する際は副業とプライベートのそれぞれのシーンで、どの程度使用したかに注意してほしい。

 また、確定申告をするならば、購入した商品や電気料金などの領収書を紛失しないことが大切だ。

 領収書がなければ経費として認められないため、確定申告を行うまでは副業に関わるすべての領収書をきちんと保存しておこう。

副業をしている人は必見!2018年「確定申告」に関する2つのトピック

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 めまぐるしく変わる社会に応じ、確定申告の取り決めは年々変化していく。

 そこで、末筆ながら2018年より適用される「確定申告に関する新たな決まり」について紹介していきたい。

 経費の申請が簡単になったり、確定申告をする必要が生じたりといった決まりなので、確定申告を他人事だと思わずに以下の内容を確認しておこう。

2018年確定申告トピック①:医療費控除が簡略化!

 確定申告の際、医療費が10万円を超えた場合には超過分を所得から控除することができる。

 従来では医療費控除をしてもらうためには、申告時に「すべての領収書やレシート」を提出する必要があり、還付額も少ないため、なかなか面倒な申請作業であった。

 しかし、2018年の確定申告では「すべての領収書やレシート」の提出が不要になったのだ。

 代わりに「病院や薬局ごとに医療費をまとめた明細書」を添付することとなった。

 仮にこの明細書は保管しておかなくても、健康保険組合や国民健康保険から送られてくる「医療費のお知らせ」を申告時の添付資料として利用することが可能である。

 2018年の確定申告(2017年分の確定申告)では、わざわざ領収書やレシートをかき集める作業をする手間が省けるのだ。

2018年確定申告トピック②:ビットコインなどの仮想通貨による所得も「雑所得」の扱いに

 昨今、世間を騒がせている、ビットコインをはじめとした「仮想通貨」。

 読者の中にも、ビットコインの売却によって利益を得た人もいるのではないだろうか。

 2018年からは、ビットコインなどの仮想通貨を売却、または使用によって生じた利益も「雑所得or事業所得」に区分されることが決定した。

 つまり、趣味でビットコインなどの売買を行っているサラリーマンも、ビットコインによる所得が年間20万円を超えれば確定申告をする必要があるということだ。

 「ビットコインは副業ではないだろう……」などと高を括っていては、無申告加算税が課されてしまう可能性もある。

 ビットコインなどの仮想通貨による所得がある人は、国税庁が発表した「仮想通貨に関する所得の計算方法等について」を熟読し、確定申告の有無をしっかり確認しておいてほしい。


 サラリーマンのように本業がある人が副業を行う場合、年間所得が20万円を超えると確定申告が必要になる。

 自分は確定申告しなくてはいけないのかどうか、本記事から確認することはできただろうか?

 また、確定申告をする場合には、少々大変だが経費をすべて計算して確定申告してほしい。

 自分はなるべく副業で得る額が20万円を超えないように意識するのか、それとも税金を気にせずに金額を稼ぎたいのか、考えてみよう。

 副業をする人が本記事を参考に、確定申告について正しく理解してくれたら幸いである。

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