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イタリアワインの魅力!豊かなラインナップ ~高級ワインから安くて高品質なスーパータスカンまで

2018年1月31日


前回は、フランスワインを紹介しました。フランスワイン1つとっても幅が広く、様々な魅力あふれるワインがたくさんあることはお分かりいただけたでしょうか。

今回は、フランス同様、ワイン大国である、イタリアについて、そのワインの特徴を紹介したいと思います。フランスに負けず劣らず、素敵なワインをたくさん紹介しましょう。

 

実はワインの生産量が世界一?イタリアワインの魅力とは

イタリアワインの特徴

突然ですが、ワインの生産量、どこが1位かご存知ですか?

実は、ワインの生産量1位は、イタリアなのです。ブドウが不作だった2014年以外こそ、フランスに1位の座を明け渡したものの、それ以降は1位をキープし続けています。ちなみに2位はフランス、3位がスペインになります。

ワイン生産量ランキング
  1. イタリア
  2. フランス
  3. スペイン

 

イタリアは国土のほぼすべてが地中海性気候であり、ブドウ栽培に非常に適した気候であることが特徴です。そのため、イタリアも国中でブドウが栽培されており、ワインが作られています。これが、イタリアのワイン生産量が世界一の理由です。では、そんなイタリアワインには、どのような魅力があるのでしょうか。
 

縦長の国土が産んだバラエティ豊かなワインの種類

イタリアは日本同様、縦長の国です。南北約1,000kmに及び、地域ごとに、変化に富んだ気候や風土が特徴の1つです。イタリアでは、この長い国土すべてでワインが作られています。

風土や気候が異なるため、栽培されるブドウもバラエティに富んでいます。一説によると、イタリアにあるぶどう品種は2,000種類を超えているとも言われています。公式に認められたぶどう品種だけでも350品種以上あり、イタリアワインのバラエティの豊富さを裏付けています。

さらに、歴史的にも、ローマとミラノでは全く文化が違うように、もともと、地方ごとに独自の文化が築かれていました。これにより、ワインの作り方や保存についても、地域ごとに特色があります。このことも、イタリアワインがバラエティ豊かであることを示しているでしょう。
 

ヨーロッパの歴史を辿りながら、楽しむことができる。


イタリアワインは歴史と深いつながりを持ちます。イタリアでワイン造りが始まったのは、だいたい紀元前2000年頃といわれており、飲み物としてではなく、宗教の信仰用や薬用として作られていたそうです。その後、紀元前3世紀ごろに、イタリア全土にワイン造りが広がり、ワインの質もどんどん向上していったとされています。
 
~古代ローマ時代のワインが現代でも~
また、ヨーロッパの歴史はイタリアの歴史でもあります。古代は、ローマ帝国の時代から、文明が最初に栄えたのがイタリアでした。イタリアの歴史には、しばしばワインが登場します。たとえば、古代ローマ時代に、政治家であるユリウス・カエサルが執政官に就任した際に、披露宴で出したのは、白ワインのマメルティーノであると言われています。マメルティーノは今もシチリア島に健在です。

他にも、西暦79年8月24日のヴェスビオ火山の噴火で埋められた民家の壁に「グレーコのワインでもお前の冷たい心を温めることはできないだろう」書かれているのですが、そのグレーコワインも現在も生産されています。このように「イタリアの歴史は、ワインとともにあった」と言ってよいでしょう。この歴史を辿りながら楽しめるのも、イタリアワインの特徴であるといえます。
 
~世界への広がり~
17世紀からは、瓶に入ったワインも販売されるようになり、より人々の間に浸透していくことになりました。18世紀後半にはマルサーラのイギリス輸出が始まり、イタリアワインが世界中で飲まれるようになったのです。
 

コストパフォーマンスに優れたワインが多い

イタリアワインの魅力でもう1つ、重要なのが、コストパフォーマンスの高さです。もちろん高級ワインと呼ばれるワインもあります。一方で、安価ながら、味わい深いワインも多くあります。

イタリアはEUに加盟しており、EUのルールが適用されます。EUでは食品、飲料に対し厳しい規制を課しています。また、イタリア独自でもワインに対する厳格な法律が定められています。

こういった基準をクリアしているイタリアワインは安価でも、決して他の国にひけをとらないワインです。みんなで楽しむという観点で、非常にコストパフォーマンスがいいワインが多いことも特徴です。
 

イタリアで栽培されているブドウの種類は?


では、次に、イタリアで栽培されている、ブドウの種類を見ていきましょう。

イタリアは、北部では比較的冷涼、中部は温暖で、南部は暑いという傾向があります。他の生産国と同様に地域ごとに相性の良いブドウが栽培されていますが、イタリアワインで特筆すべきは、すべてを把握することはできないと言われているほど、豊富な地場品種の存在でしょう。

この地場品種が、イタリアワインのバリエーションの豊富さを支えているといっても過言ではありません。一方で、近年では、フランス系の国際品種も栽培されており、国際的に評価の高いワインも数多く生まれています。では、地域ごとに、代表的なものを見ていきましょう。
 

イタリアぶどうの代表:サンジョベーゼ、トレッビアーノ

イタリアのブドウといえば、黒ブドウでは「サンジョベーゼ」、白ブドウでは「トレッビアーノ」でしょう。いずれもイタリア最大の栽培面積を誇ります。
 
~サンジョベーゼ~
サンジョベーゼは、イタリア中央部のトスカーナ地方で生まれた品種になります。イタリア全土で最も普及している品種で、特にトスカーナ地方を代表するキャンティ地区、キャンティクラシコ地区の主要品種として有名です。古代ローマ時代にはエトルリア人によってすでに栽培が始まっていたとされている、歴史あるブドウ品種で、18世紀初頭にはトスカーナ地方で広く知られるようになりました。

サンジョベーゼは、様々な亜種を持っており、それぞれに特徴があります。特に、サンジョベーゼ・ブルネッロとよばれる品種は、濃密な超熟ワインであるブルネッロ・ディ・モンタルチーノやヴィーノ・ノービレ・ディ・モンテプルチアーノの原料として知られています。

品種は晩熟で、暑い年には濃厚でアルコール分が高く、長期熟成に耐えるワインが造られる一方で、冷涼な年には酸が高くタンニンが強くなる特徴があります。非常に濃いルビー色で、強い酸味とやや強い渋みがあり、フレッシュな果実香、茶葉やスミレのフローラル香やスパイス香を持っています。十分に熟成すると酸味が弱まり、熟したプラムなどの果実の香りが強まり、コクのあるワインになるのです。
 
~トレッビアーノ~
トレッビアーノは、フランスではユニブランと呼ばれており、また、ポルトガルやブルガリアにおいてもタリアという名で栽培されている、ヨーロッパでは定番のブドウ品種になります。アルゼンチンやオーストラリア、カリフォルニアでも移民によって栽培がはじまっており、今や世界中で栽培されていると言っても過言ではないでしょう。

イタリアでも中部を中心に全土で栽培されており、イタリアでは、この系列品種から造られるワインは全国で醸造される白ワインの約1/3を占めています。歴史も古く、13世紀にはボローニャ地方でトレッビアーノ系の品種が栽培されていたと言われています。

全部で7種のトレッビアーノ系の品種が存在しており、トレッビアーノ・トスカーノ、トレッビアーノ・ロマニョーロ、トレッビアーノ・ジャッロが有名です。特にロマニョーロ種はエミリア・ロマーニヤ州の比較的平坦な地域で栽培されており、発泡性ワイン、ヴェルモットやブランデーの原料、バルサミコ酢の原料などに使われるなど、ワイン以外にも多彩な用途で使われています。

苗の強い生産量の多い品種であり、比較的栽培しやすいと言われています。フレッシュでフルーティ、かつ強い酸味が特徴で、フランスではブランデーのコニャックにブレンドされる原料としても有名です。
 

イタリア北部

北部地域は、比較的冷涼な気候が特徴です。品種としては、高級ワインの原料となるネッビオーロ種が有名なことに加え、白ブドウではシャルドネやリースリングといったフランス系の国際品種も栽培されています。

黒ブドウで最も有名なのは、ネッビオーロでしょう。ピエモンテ州を代表する品種であり、バローロやバルバレスコと呼ばれる、高級ワインの原料として使われます。他にも、タンニンは少ないですが、果実味と酸が豊富なバルベーラや、逆に酸が少なくタンニンが多いドルチェットなどが栽培されています。

白ブドウでは、コルテーゼという品種がよく栽培されています。アルコール度数は低めで酸の調和がとれたドライなワインを作るのに適した品種であり、ピエモンテ州の白ワインである、ガヴィに使われる主要品種です。他にも食用としても使われるアルネイスや、アスティという甘口スパークリングに使われるモスカート・ビアンコなどが有名です。また、シャルドネやリースリングなど、フランス系のブドウも栽培されています。
 

イタリア中部

イタリア中部は比較的温暖な気候に恵まれています。イタリアを代表する品種であるサンジョベーゼの他、トスカーナ州ではメルローやカベルネ・ソーヴィニョンから高品質のワインが作られます。

黒ブドウでは、サンジョベーゼの他、トスカーナ州の主要品種として知られるカナイオーロ・ネーロや、イタリアではデイリーワインによく使われている、モンテプルチアーノなどが有名です。その他にも、メルローやカベルネソーヴィニヨンなど、フランス系のブドウもよく栽培されています。

白ブドウでは、トレッビアーノの他、酸味のあまり強くなり、古くからの品種であるヴェルナッチャや、陰干しブドウとして使われることの多いマルヴァジア・ビアンカなどが栽培されています。
 

イタリア南部

イタリア南部は比較的気温が高いところが多いため、ブドウ栽培は冷涼な気候を求めて標高の高い位置などで行われます。ワインにおいては、白ワインより赤ワインの方が多く生産される傾向があります。

黒ブドウでは、プーリアで主に栽培されている、早熟で、果実味あふれるのが特徴のプリミティーヴォや、色が黒に近く、タンニンと果実味が特徴のネグロアマーロなどが有名です。南部のワインは比較的果実味が強く出ることが多いです。他にも、シチリアのネロ・タヴォラや、カンパニア州のアリアニコ、カラブリア州のガリオッポなど、州によって主要な品種が異なります。

一方、白ブドウでは、カンパーニャ州で栽培されている、グレーコやフィアーノなどが有名なくらいで、あまり目立った品種はありません。とはいえ様々な品種が栽培されており、シチリアのトレッビアーノで作るワインは、さっぱりした果実味が特徴で、世界中でもよく飲まれています。

 

イタリアワインにも格付けはある?


フランスはシャトーごとや畑ごとに格付けが決められていましたが、イタリアにもワインの格付けがあります。フランスが地域によって格付け方法が異なるのに対し、イタリアワインは国で法律により格付けをしているのが特徴です。

イタリアでは、ワインは法的にDOCG、DOC、IGT、VdTという四つの分類に分けられていました。(現在はDOCGとDOCはDOPに統一されています。)それぞれについて簡単に説明します。
 

DOC、DOCG

DOCGは、イタリア語で、Denominazione di Origine Controllata e Garantita、DOCはDenominazione di Origine Controllataの略称です。それぞれ「統制保証原産地呼称」と「統制原産地呼称」という意味になります。

DOC、またはDOCGを名乗るには、下記の厳しい条件を満たす必要があります。

DOC、DOCGの厳しい条件
  • 原料ぶどうの産地が指定されている土地のものであること
  • 原料ぶどうの品種、および、混醸する場合は決められたぶどう品種を使い、それぞれのぶどう品種ごとの混合比率が決められた割合を満たしていること
  • DOCG及びDOCワインを作るためのぶどうを栽培する畑であると、届け出られている畑であること
  • 決められた方法で醸造されていること
  • 色、香り、風味などワインの質的な特性が、当てはまるDOCG及びDOCワインの力量を満たしていること….など

 
DOCGは、DOCよりも更に基準が厳しく、国による検査に合格して初めてDOCGを名乗ることができます。DOCワインが300銘柄以上あるのに対し、DOCGワインは30種類のみでした。今は、この2つは一緒になって、DOP(保護原産地呼称ワイン)と呼ばれています。
 

IGT

IGTは「Indicazione Geografica Tipica」の略で、地域特性表示ワインといわれていますその地域のブドウを最低85%使うことが義務付けられ、ピエモンテ、シチリアなど、産地の呼称をつけることが許されています。ラベルには使用されている品種と年が記載されていることが多いです。
 

VdT

VdTは「Vino da Tavola」の頭文字を取ったもので、いわゆるテーブルワインのことです。特に法的な規制はなく、その多くは安価なデイリーワインを表しています。

しかし、近年では、DOCGやDOCの規制にとらわれずに自由に高品質のワインを作りたい、という生産者がトスカーナを中心に生まれ、法的な分類で見ると最下位に属するVdTにも関わらず非常に高品質のワインが作られるようになりました。

これに目を付けたアメリカのワイン愛好家達が、これらのワインをスーパー・タスカンと総称して呼ぶようになりました。こういった動きはイタリア中に広まり、今ではイタリアの法律にとらわれない高品質なワインは総称して「sVdT:スーペル・ヴィーノ・ダ・ターボラ」と呼ばれています。

 

イタリアワインの2大産地~ピエモンテ、トスカーナ

このように、イタリア全土で様々なブドウが栽培されており、また、バリエーションが豊富なイタリアワインですが、その中でも、ピエモンテとトスカーナは、2大産地と言われています。
 

ピエモンテの特徴とワイン


ピエモンテはイタリアの北西に位置する州で北はアルプス山脈のスイス国境、西はフランスに接しており、アルプス山脈の麓にワイン産地が広がっています。

気候はイタリアにしては厳しく寒くて雪の多い冬、乾燥した夏、そしてぶどうの収穫期には霧が発生する土地です。高級品種であるネッピオーロは、イタリア語で霧を意味する、ネッビアが由来となったと言われています。

ピエモンテはイタリア屈指の高級ワイン産地で、30以上のDOPが指定されています。中でも、4つあったDOCGワインは、いずれも高品質で知られています。では、そんなピエモンテの代表的なワインを紹介しましょう。
 

バローロ

出典:Amazon フィオーレ バローロ DOCG
https://www.amazon.co.jp/

 
バローロは、イタリアワインの王様とも呼ばれているワインです。タラノ川沿いのアルバの街の近くの、ランゲの丘と呼ばれる丘の付近で造られています。ブドウは最高品種のネッビオーロを用い、3年以上の熟成を経て出荷されます。超熟にも耐えうることができるワインで、特に良いブドウが取れた年は、20年以上の熟成に耐えるワインが作られることもあります。

少しオレンジを帯びたガーネット色が特徴で、すみれの花の香りのする個性的なワインです。辛口でタンニンも多く、ボディの厚いしっかりしたワインとなります。ボトルも特徴的で、アルベイサと呼ばれる写真のような形の瓶を使っています。
 

バルバレスコ

出典:Amazon バルバレスコ
https://www.amazon.co.jp/

 
バローロが王様と呼ばれるのであれば、バルバレスコは、「王妃」と呼ばれています。バローロに比べるとややまろやかで口当たりが良い印象がありますが、その分熟成期間も短く、15年ほどで飲み頃を迎えます。それでも長期熟成型のフルボディのワインと言えます。

バローロと同様、ネッビオーロから造られ、オレンジ色を帯びたガーネット色の個性的なワインです。

バルバレスコでは、特に、ガヤと呼ばれる作り手が有名です。ピエモンテの伝統的なワイン造りを守りながら、革新的な設備や技術を取り入れ、世界中から認められる存在となりました。単一の畑でとれたブドウからワイン造りを行う、小さい樽を使いタンニンを抑えるなど、その革新的な手法は、世界的にも評価が高く、イタリアワインの生産者として、間違いなくトップクラスの地位を不動ものとしています。
 

ガッティナーラ

ガッティナーラも、バローロ、バルバレスコ同様、ネッビオーロから造られる長期熟成型のワインは、「イタリア醸造技術が生んだ宝石」とも呼ばれます。タンニンが多く、ボディもしっかりした辛口の赤ワインで、15年ほどの熟成を経て、味わいあるワインとして飲まれています。
 

アスティ・スプマンテ

アスティ・スプマンテは、イタリアを代表する発泡ワインです。かつては、シャンパーニュと同じ瓶内2次発酵方式で作られていましたが、最近では、ほとんどがタンク発酵方式で作られています。2次発酵をする前の状態がモスカート・ダスティと呼ばれ、モスカート・ダスティのまま出荷されるものもあります。軽い発泡がありこちらも人気があります。

マスカット特有の香りがする甘みのあるものが特徴で、口当たりが良いので、日本でも女性に人気があるワインです。
 

トスカーナの特徴とワイン


トスカーナ州はイタリア中部にあり、ピエモンテと並びイタリアで最も高品質なワインを生産する州です。トスカーナの州都は、花の都フィレンツェで、その他にも中世の文化都市シ工ナ、林立する塔の村サン・ジミニヤーノ、さらに、ルツカ、ピサなど、イタリアの誇る中世ルネッサンスの町が多くあり、観光地としても人気です。

トスカーナは山岳地帯や丘陵地帯が多く、気候は寒暖の差が激しい大陸的気候でありながら、海岸寄りでは夏は涼しく、冬は温暖で安定した気候に恵まれているなど、ブドウに生育に適した気候であると言えます。この機構を背景に、古くから良質なワインが作られていました。

かつては、DOCGにもイタリア最多の5つが指定されており、スーパータスカンと呼ばれるVdTながら質のいいワインが特徴です。そんなトスカーナの代表的なワインを紹介しましょう。
 

キャンティ


キャンティは、日本でもレストランの名前にあるように、イタリアワインでは最も有名なものの1つと言ってよいのではないでしょうか。サンジョベーゼがメインのブドウになり、他にも数種の補助品種を使って作られるワインです。

キャンティは品質に千差万別があり、ライトタイプのぐいぐい飲めるものから、長期熟成に耐えうるものまで様々です。最近では品質の向上が著しく、生産量も減少しており、貴重なワインになりつつあります。

多くの生産者たちが、高品質をアピールし、自分達のワインを差別化するために、特定の畑や区域の名前を強調しています。もっとも有名なワインの1つに、キャンティクラシコというものがあり、古くからの畑で生産されたものにのみ使用が許されています。トレードマークとして黒鶏が使われています。
 

ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ

ブルネッロ・ディ・モンタルチーノは、サンジョベーゼから作られるワインの最高峰とも言われているワインであり、ピエモンテのバローロ、バルバレスコと並び、イタリア3大ワインとも言われています。

サンジョベーゼの一つであるブルネッロ種の葡萄から造られ、10年以上の長期熟成にも耐えることができます。重厚なイメージのバローロやバルバレスコとは異なり、繊細かつ優雅な香りと研ぎ澄まされた果実味を備えた美麗な味わいは「イタリアワインの女王」と称されており、世界中のワイン愛好家から愛されています。
 

ヴィーノ・ノービレ・ディ・モンテプルチアーノ

ヴィーノ・ノービレ・ディ・モンテプルチアーノは、イタリア語で、「高貴なワイン」という意味であり、その名の通り高級ワインとして知られています。サンジョベーゼ種の70%以上使用することが義務づけられ、かつトスカーナ州での栽培に適した黒ぶどう品種を30%まで混ぜることが可能です。力強くエレガントな味わいが魅力のフルボディワインです。

また、モンテプルチアーノ地方には、ヴィン・サントと呼ばれる、独特のワインがあります。

イタリア語で「聖なるワイン」を意味し、聖体拝領などの儀式にも用いられます。1700年代からつづく伝統的な製法によってつくられており、熟成樽の酵母は300年経った今もなお働き続けています。
 

サッシカイア

出典:Amazon サッシカイア
https://www.amazon.co.jp/

 
サッシカイアは、イタリアワイン好きなら知らない人はいない、スーパータスカンの筆頭であり、イタリアワインの至宝とも呼ばれています。1944年にボルドーのシャトー・ラフィット・ロスチャイルドからカベルネソーヴィニヨンの苗木を手に入れ、自家消費用にワインを造り始めたのが始まりと言われています。

サッシカイアはイタリア語で「石の場所」という意味であり、その土地はまさにボルドー、メドック地区のように、石ころが畑に広がっています。1960年代、元々自家消費用のためだけに造られていたワインが大変評判になり生産を拡大し、1978年にイギリスで最も権威あるワイン雑誌、デキャンタ誌が主催するブラインド・テイスティングで、サッシカイアがベスト・カベルネの座を獲得したことで、世界のトップワインとして知られるようになりました。

そんなサッシカイアの目指すスタイルとは、フィネス、バランス、酸を備えた古き良きボルドーの味わい。実際、ボルドースタイルのワイン作りを行っており、新樽を使い、10年以上寝かせることもあります。それでいて、厳格なボルドーのグランヴァンとはどこか違った、イタリアワインらしい明瞭さと優雅で堂々たる品格を感じることができるワインです。
 

オルネライア

オルネライアもサッシカイア同様、スーパータスカンとして知られています。実は、サッシカイアを生み出したインチーザ家と、オルネライアを生み出したアンティノリ家は、血縁でつながっているそうです。イタリアワインの不思議な宿命を感じますね。

オルネライアは5割ほどのカベルネソーヴィニヨン、4割ほどのメルロー、それにカベルネフランとプティヴェルドがブレンドされており、果実味をはっきりと感じられ、香りはあくまでエレガントに、またスパイスなどのニュアンスが複雑に絡み合う、濃厚な味わいが特徴です。10年以上の熟成が可能で、熟成を重ねるとより奥深い味わいが楽しめるようになります。

 

まとめ


イタリアも、フランスに負けず劣らずワイン大国として知られています。実際に、ワインの生産量は、フランスを抑えて世界1位となっています。

イタリアでは全土でワインが作られており、土着品種のブドウから作られるバラエティ豊かなワインが特徴です。中でも、トスカーナとピエモンテは、ワインの2大生産地として知られています。

また、国によりワインの法律が決められており、中でもDOCGワインやDOCワインは、その厳しい基準をクリアした、品質が高いワインになります。DOCGワインとしては、ピエモンテのバローロ、バルバレスコや、トスカーナのキャンティ、ブルネッロ・ディ・モンタルチーノなどが有名です。このうちキャンティを除いたワインが、イタリア3大ワインといわれております。

しかし、テーブルワインと呼ばれるVdTの中にも、品質の高いものはあります。特に、トスカーナ地方のワインには、スーパータスカンと呼ばれる、DOCG以上に味わい深いワインがあります。サッシカイアがその代表格と言ってよいでしょう。

他にもシチリアでも、ナポリでも特徴のあるワインが作られており、国中でワインが楽しめるのがイタリアの特徴です。フランスワインに比べコストパフォーマンスが良いことも多く、気軽に楽しんでみてはいかがでしょうか。