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【大相撲】

横審、稀勢に大甘裁定 回復まで“無期限”休場OK

2018年1月30日 紙面から

横綱審議委員会の定例会合を終え記者会見する北村正任委員長。左は日本相撲協会の春日野広報部長=両国国技館で

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 大相撲初場所後の横綱審議委員会(横審)が29日、東京・両国国技館で開かれ、5場所連続休場となった横綱稀勢の里(31)=田子ノ浦=に対し、次の出場場所で再び途中休場を繰り返しても進退を問わない考えで一致した。横審では同情の声が相次ぎ、復帰は左大胸筋痛の回復まで“無期限”とする大甘裁定が下された格好だ。

 稀勢の里は、横綱在位6場所で皆勤は1場所。初場所は金星3個を配給し6日目から休場した。北村正任委員長は「不安を抱えたまま出てきていいかとなると、それはちょっと違う」と無理をして出場した判断の甘さに苦言を呈した。

 結果を出せないでいる稀勢の里は稽古を再開した初場所中に、次に出場した場所で進退を懸ける覚悟を表明。それに沿って横審でも厳しい意見が噴出すると思われたが、フタを開ければその真逆だった。「まだ同情の方が多い。せっかく日本人横綱が出てきたのに」(岡本昭委員)。「本人を信じましょうと。(進退の話題は)一切出ていません」(勝野義孝委員)。即進退という意見は皆無だった。

 さらに、どの場所で再起をかけるかについても稀勢の里に一任。北村委員長は「判断がつかない、自信がないといってこれから先、何場所も休まれても困る」と前置きしつつも「できるかできないかというのは横審が判断できない。少なくとも本人のやれるという判断、しかも間違ってない判断をして出てきてほしい」と、左大胸筋の回復を事実上“無期限”とする大甘裁定を下した。

 もし、次に出場した場所で結果を出せない場合は出席委員の3分の2以上の決議で「注意・激励・引退勧告」が出されることが濃厚だが、引退勧告まではいかないとみられる。

 一方で再起を果たした鶴竜に対しては、初場所が進退場所であったとし「本人、親方も言ってた進退をかける場所だったが、乗り越えたのではないか。ただ、最後のところは期待外れな部分もあった」(北村委員長)と、こちらはやや辛口で振り返った。 (岸本隆)

 

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