なぜ「離婚男性」の病気死亡率が高いのか

糖尿病で妻帯者の12倍、死別者よりも高水準

配偶者の有無で言えば、未婚者も死別者も同様のはずなのに…(写真:SasinParaksa/iStock)

ソロ社会問題について論じると、どうしても未婚化に話が集中しがちです。それはもちろん大きな問題ですが、実は忘れてはいけないポイントは「結婚したとしても結局はソロに戻る」という問題です。たとえ配偶者がいたとしても2人同時に亡くなってしまうことはまれですし、離婚によって独身に戻ることもありえます。

今回は、そうした死別・離別に伴うソロ化の問題について取り上げたいと思います。

既婚者の1割が60代前半までに死別・離別を経験

2015年国勢調査によれば、配偶者との死別・離別によるソロ人口は男女あわせて約1500万人存在します。そのうち女性が1140万人と圧倒的多数を占めていますが、死別による高齢独身女性が大半です。

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20~64歳のいわゆる現役世代に限ると、男女計約487万人(男約169万人、女約318万人)が死別・離別に伴うソロ人口となります。これは、当該年齢層の未婚者を除く人口の10%に相当します。つまり、結婚したとしても高齢者になる前に10%はソロに戻っているということになります。

さて、その中で男女とも7割以上の大きな比重を占めるのが45~64歳の年齢層になります。

次ページ40代後半~60代前半では未婚女性より離別・死別女性が多い
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  • NO NAMEefbb8ade2db0
    暴飲暴食やタバコ等を止められないようなタイプの人とか、栄養のある食、医療、運動等に気を配る教養や収入がなかったりとか。
    生涯家庭を守る人と離別する人では、そういった不健康になる要因を持つ人の割合が多少は違うんじゃないかな。離別したから不健康になるんじゃなくて。

    もちろん全員そうとは言わないけど。
    up19
    down3
    2018/1/31 07:33
  • NO NAMEd4e0a626a2a6
    男の場合、仕事繋がりの交友か飲み友達みたいな範囲も狭く限定的なのが多いような
    歳重ねるほど新たな交友関係築くのが難しく感じてる
    その点、女の方が年齢関係なく幅広い交友関係が伺えて羨ましく感じることもある
    up20
    down6
    2018/1/31 07:23
  • NO NAMEd4af7ef21820
    長年すりこまれた思い込みだと思います。
    本来、誰と繋がるか、生活能力、仕事、
    「個人差」はあっても「男女差」はないはず。
    「男女差」であるのは体のつくりだけですよね?

    とはいえ実際このような傾向が統計からみられるのであれば、
    宗教に近いすりこみによる精神的な思い込みからくるものでしょう。
    例えば食事の準備、なぜ男性はできないのか?
    人間としてこの部分に本来は男女差はないはずなのです。
    「男性だから」というのは理由にはならないです。
    単になまけているだけではないのでしょうか?
    up15
    down5
    2018/1/31 07:52
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