そして、次のターゲットとなったのが化粧品だ。聯合ニュースによると、中国当局は1月、輸入を許可しない化粧品や日用品のリストを発表。輸入が許可されなかった製品28点中19点(計約11トン)が「エギョン」や「イアソ」といった韓国メーカーの商品だったという。
韓国製化粧品は、輸出先がアジア中心で、中でも中華圏(中国・香港・台湾)が全体の6割を占めるとされ、手頃な価格や韓流スターを前面に出すマーケティングなどで善戦してきた。対中輸出は2015年に初めて10億ドル(約1150億円)を突破したといわれる。
化粧品に続き、韓国製の洋式便器についても品質不良を理由に輸入を認めなかったとの報道もある。中央日報は、中国政府が韓国への旅行客を20%縮小させる方針を示しているとも報じている。
韓国事情に詳しいノンフィクションライターの高月靖氏は、「韓国国内では『過剰反応するべきではない』と冷静な対応を求める声もあるが、政府は、化粧品業界と対策協議の場を設けるなど危機感を持っている様子がうかがえる。今年に入ってからは、中国人旅行者による韓国ツアーのキャンセルが相次いでいると騒ぎになっており、さまざまな分野で『禁韓令』の影響が指摘されている。『締め付けが本格化するのはこれから』との指摘もあり、疑心暗鬼はさらに広がりそうだ」と語っている。