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文科省専門委

ヒト臓器、動物で作製容認 移植は認めず

動物性集合胚でヒトの臓器をつくるしくみ

 ヒトの臓器を動物の体内で作る研究指針について、改定内容を検討していた文部科学省の専門委員会は29日、報告書案を公表した。ヒトのiPS細胞(人工多能性幹細胞)を入れた動物の受精胚を、動物の子宮に着床させて出産させることが認められていなかったが、創薬と安全性を確かめるための基礎研究に限って容認。ただ、ヒトへの臓器移植は「現時点で安全性の観点から認められない」とした。

 この方法で生まれた動物の交配や、ヒトの生殖細胞を持たせた動物からヒト胚をつくることは禁止した。文科省は年内にも指針を改定する。ヒトへの移植に道が開けるが、安全や倫理面で議論が続くとみられる。

 研究が進みそうなのは、ブタによる膵臓(すいぞう)の作製。膵臓ができなくしたブタの受精胚にヒトのiPS細胞を入れ、「動物性集合胚」を作る。これをブタの子宮で育て、ヒトの膵臓を持つ子ブタを出産させる。膵臓の異常による糖尿病などに際し、患者本人のiPS細胞を使い、移植しても拒絶反応がない臓器を作れるという。ヒトと動物の外見を併せもつ動物ができないかなどの懸念があるが、同委は「可能性は極めて低い」と判断した。

 動物性集合胚を動物の子宮に入れることは、政府の総合科学技術会議(当時)の委員会が2013年に容認。文科省が指針改定作業を進めていた。米国では、胎児の段階まで進んだ例があるが、機能するような臓器はできていない。【酒造唯】

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