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コインチェック事件、メガバンクにも打撃 「銀行の仮想通貨」イメージ悪化懸念 (1/2)

» 2018年01月30日 07時51分 公開
[産経新聞]
産経新聞

 仮想通貨取引所大手コインチェックからの巨額資金流出問題は、仮想通貨の発行を目指すメガバンクにとってもマイナスイメージにつながりかねない。投機対象として注目を集める仮想通貨だが、メガバンクは決済などでの活用を目指しており、担当者は「銀行の構想とは別物だ」と火消しに走る。それでも、今回の騒動が普及の遅れにつながる懸念も出始めている。

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画像 仮想通貨が普及すれば、メガバンクのATM数の削減やシステム維持費の軽減などにもつながる=東京・大手町

 仮想通貨のメリットについて大和総研の矢作大祐研究員は「決済や送金の手数料が大幅に安くなることだ」と語る。現在、銀行を使って海外に10万円を送金する場合、3千~6千円の手数料が発生する。決済システムに莫大(ばくだい)な費用がかかるためだが、複数のコンピューターが取引の記録を同時に管理する「ブロックチェーン」という技術を活用する仮想通貨は巨大なサーバーを持つ必要がなく、手数料を安くできるという。

 ただ、現状で取引されている仮想通貨の多くは価格の変動が激しく、投機対象としての要素が強い。手数料のメリットは一夜にして吹き飛ぶ可能性もあり、あるメガバンク幹部も「通常の決済には、とてもではないが使えない」と語る。そこで各行が検討しているのが、価格変動がないか、限定的な仮想通貨の発行だ。

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