Photographer: Akio Kon/Bloomberg

投機的な動きあるか緊張感持ち注視-財務省、金融庁、日銀が意見交換

  • 過度な変動や無秩序な動きは悪影響あると確認-浅川財務官
  • 森金融庁長官や雨宮日銀理事が出席、仮想通貨は議論せず

財務省と金融庁、日本銀行の幹部が29日午後、財務省内で最近の国際金融資本市場の動向について意見交換した。財務省の浅川雅嗣財務官が終了後に記者団の取材に応じ、足元で進む円高について「投機的な動きあるか緊張感を持って注視している」と過度な市場の動きをけん制した。

  浅川財務官は「為替市場のボラティリティ高まった」と分析。会合では「過度な変動や無秩序な動きは悪影響があると確認した 」と述べた。日銀からは「物価目標達成に向け、金融緩和を続ける」と説明があったという。

  円高の引き金となった黒田東彦日銀総裁やムニューシン米財務長官らの発言の影響についても議論した。仮想通貨については議論しなかったが、浅川財務官は20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議で議論されるとの見通しを語った。

  森信親金融庁長官、雨宮正佳日銀理事ら6人が出席し、約30分議論した。同会合は中国の景気悪化懸念などから円高が進行していた2016年3月、政府・日銀のより緊密な連携を目的として始まり、今回で17回目。1、2カ月に1回程度をめどに定期的に開催している。

  今年に入り、一時113円台を付けていたドル・円相場は24日、ムニューシン財務長官のドル安容認発言をきっかけに急激に円高が進行。その後、トランプ米大統領が強いドルを支持する姿勢を示し、ドルが反発する場面も見られた。しかし、26日、黒田総裁がインフレ率は「ようやく目標に近い状況」と発言したことから、早期の緩和縮小に向けた思惑が浮上し、再び円高が進んだ。

  会合開始時、1ドル=109円前後だった為替相場は、足元1ドル=108円90銭前後(午後5時20分現在)で推移している。

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